Googleサイトは何ができる？機能や利用するメリット・活用事例を解説

Googleサイトは専門的な知識がなくても、簡単にWebサイトを制作できるサービスです。社内情報共有やプロジェクト管理・社員教育など、多様な活用方法があり、他のGoogleサービスとの連携も可能です。Googleサイトの機能や活用事例、利用者の口コミなどを紹介します。

Googleサイトとは？

Googleサイトは、Googleが提供するWebサイトの作成ツールで、プログラミングの知識がなくても、簡単にWebページを作れます。Googleアカウントさえあれば利用でき、直感的な操作でテキストや画像・動画の配置が可能です。

個人ブログや趣味のページの作成だけでなく、社内用のナレッジ共有サイトや、プロジェクトの進捗管理ページとしても活用されており、部門間の情報共有や新入社員のオンボーディング、マニュアル整備など、企業の業務効率化に貢献します。

さらに、Googleドライブやスプレッドシート・カレンダーなど、他のGoogleのサービスともスムーズな連携が可能です。専門的なIT知識の少ないユーザーでも扱いやすく、導入のハードルが低いため、さまざまな分野で活用されているサービスです。

Google サイト: ウェブサイト作成とホスティング | Google Workspace

Googleサイトで実現できることは？

Googleサイトを使えば、簡易的なWebサイトの制作だけではなく、社内情報の整理やプロジェクト管理など、さまざまな業務に活用できます。

Googleサイトで実現できる事柄について、ここで整理しておきましょう。

簡易的なWebサイトの制作

Googleサイトの最も基本的な用途は、簡易的なWebサイトの制作です。企業の案内サイトやイベントの告知ページ、チームの紹介サイトなど、情報発信を目的としたシンプルなサイトを短時間で構築できます。

テンプレートが豊富に用意されているため、目的に応じたデザインを選択し、テキストや画像を配置するだけで、企業の社内ポータルやプロジェクトサイトとして十分なクオリティのサイトを作れます。

コーディングの知識がない担当者でも、マウス操作だけでページのレイアウトを調整したり、コンテンツを追加したりできるため、制作にかかる時間とコストを大幅に削減できるでしょう。

制作したサイトはレスポンシブデザインに対応しており、スマートフォンやタブレットからも快適に閲覧できます。

社内情報共有の効率化

社内向けのポータルサイトとしてGoogleサイトを活用すれば、部門・部署間の情報共有がスムーズになります。マニュアルや会議資料、社員のスケジュールなどを統合的に管理でき、アクセス権限の設定により、必要な情報だけを特定のメンバーのみに公開が可能です。

メールやチャットでの情報伝達に伴う手間を減らし、重要な資料を見落とすリスクを抑えられるでしょう。情報を1カ所に集約・整理することで、担当者が不在の場合でも必要な資料を即座に確認でき、業務の停滞も防げます。

プロジェクト管理や社員教育への活用

Googleサイトは、プロジェクト管理や社員教育の場面でも効果的に活用できます。プロジェクト専用のページを作成すれば、プロジェクトの目標や進捗・タスク一覧・議事録などを、チームメンバー全員が共有できます。

また、Googleカレンダーを埋め込んでスケジュールを表示したり、スプレッドシートでタスク管理表を共有したりすることで、プロジェクトの「見える化」が可能です。

一方、社員教育や研修の場面では、eラーニングサイトとして活用できます。研修資料や動画コンテンツを掲載することで、受講者が自分のペースで学習できる環境を整備できます。

Googleサイトで利用できる機能

Googleサイトには以下のように、Webサイトの制作や情報共有に役立つ機能が多く備わっています。専門知識がないユーザーでも扱いやすいように設計されており、必要な要素を直感的に配置できるのが特徴です。

• ドラッグ＆ドロップによるページ編集：テキスト・画像・動画を自由に配置でき、複雑なHTMLやCSSを使わずにサイトのレイアウトを整えられる
• Googleサービスとのシームレスな連携：Googleドライブやスプレッドシート・フォームなどをそのまま埋め込めるため、最新情報をリアルタイムで共有できる
• アクセス権限・公開設定の管理：社内限定公開や特定メンバーへの編集権の付与・外部公開など、用途に応じて柔軟にアクセス権限の設定が可能
• 各種テンプレートとレイアウト：あらかじめ用意されたテンプレートを利用することで、短時間でサイト構成が可能。デザインの統一もしやすい
• スマートフォン対応のレスポンシブ表示：追加設定なしで自動的に最適な形で表示され、閲覧するデバイスを選ばず、広く情報を届けられる

こういった機能により、社内ポータルから外部向けの簡易サイトまで広く利用可能で、サイトの制作者や管理者の負担も大幅に軽減できます。

Googleサイトを導入するメリット

Googleサイトは業務効率化やWebサイトの運用コストの削減など、組織に多くのメリットをもたらします。誰でも使いやすい設計であり、導入・運用コストの低さが、企業や教育機関などで高く評価されています。Googleサイトを導入するメリットについて、簡単に整理しておきましょう。

誰でも簡単にサイトを作れる

Googleサイトの最大のメリットは、専門知識がなくても誰でも簡単にWebページを作成できることです。

従来のWebサイト制作では、HTMLやCSSといったプログラミング言語の知識が必要でした。しかしGoogleサイトでは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作だけでWebサイトの構築が可能です。

さらに用意されたテンプレートを選択し、テキストや画像を配置していくだけで、プロフェッショナルな見た目のサイトが完成します。

Webサイト制作のハードルが大幅に下がることで、必要なタイミングで迅速に情報の発信・共有の仕組みを構築できる点は、ビジネスのスピード感を高める上でアドバンテージとなるでしょう。

他のGoogleサービスと連携できる

Googleサイトは、GoogleワークスペースやGoogleアカウントで利用できるサービスと、シームレスに連携できるのも魅力です。Googleドライブに保存されたドキュメントやスプレッドシートなどを埋め込めるため、資料を複製せずに一元管理でき、更新作業の手間を削減できます。

また、Googleカレンダーを埋め込めば、チームのスケジュールやイベント情報を、リアルタイムで共有できます。Googleフォームと連携し、アンケートや申し込みフォームをサイト上に設置して、回答データを自動的にスプレッドシートに集約するのもよいでしょう。

YouTubeやGoogleマップといったサービスとも連携できるため、動画コンテンツや位置情報を活用したWebページも作成できます。

社内外で情報共有が容易になる

Googleサイトを活用することで、社内外への情報共有が楽になります。従来のメールやファイルサーバーでの情報共有では、バージョン管理が煩雑で担当者の負担が大きいという課題がありました。

そこで、Googleサイトで情報共有用のWebサイトを構築すれば、更新のたびにメール送信する必要がなく、関係者は常に最新版の情報にアクセスできます。

公開範囲の設定も柔軟で、社内の特定部門や社外のパートナー企業など、対象者に応じて適切な公開設定が可能です。URLを共有するだけで簡単にアクセスを許可できるため、メールでファイルを添付して送信する手間も省けます。

低コストで運用できる

Googleサイトは、Googleアカウントがあれば無料で利用できるため、低コストでWebサイトを運用できる点も大きなメリットです。企業向けのGoogleワークスペースを契約しているならば、追加費用なしでGoogleサイトの全機能を利用できます。

サーバーの保守管理もGoogleが担うため、技術的なメンテナンスの負担もありません。また、サイトの更新や修正を社内で即座に実施でき、外部業者への依頼に伴う費用（1回あたり数万円～）と時間のロスを削減できます。

特に予算や人員が限られている管理部門にとって、専任のWeb担当者を置かずに高品質なサイトを制作・運用できるのは、大きな魅力でしょう。

Googleサイトを利用する際の注意点

Googleサイトは、低コストで簡単にWebサイトを制作・運用できる半面、デザインやカスタマイズの自由度などに制限があります。機能や対応しているブラウザ・権限設定など、導入前に知っておくべき注意点を解説します。

デザインやカスタマイズの自由度が低い

Googleサイトは初心者でも扱いやすい半面、細かなデザインの調整や高度なカスタマイズには限界があります。独自のデザインや特殊な機能を必要とする場合は、他のWeb作成ツールとの併用を検討しましょう。

テーマやフォントの選択肢も限られているため、企業のコーポレートカラーを細かく指定したり、独自のフォントを使用したりしたい場合は、物足りなさを感じる場面もあるでしょう。

配置やレイアウトも固定されている要素が多く、複数カラムを自由に配置したり、アニメーション効果を追加したりするのは難しいのが実態です。

機能や使用できるブラウザが限られている

Googleサイトで利用できる機能は、同サービス内での利用に限られており、複雑なWebアプリケーションの構築は困難です。また、推奨ブラウザでの利用も前提となるため、古いブラウザや非対応の環境では、表示や操作に制限が生じる場合があります。

社内で古いバージョンのInternet Explorerを使用している部門がある場合、ページが正しく表示されなかったり、編集機能が使えなかったりする可能性があるので注意しましょう。

一部の外部サービスやスクリプトを埋め込めない場合もあり、機能拡張の面でも限界があります。

権限設定や公開範囲の管理に注意

人事情報や経営資料などの機密情報を扱う場合は、公開範囲を「組織内」または「特定のユーザーのみ」に設定し、定期的にアクセス権限を見直す必要があります。

不適切な設定により、意図せず情報が公開されるリスクがあるため、定期的な権限の確認が必要です。

また、メンバーの異動や退職に伴いアクセス権を更新しないと、不要な閲覧権限が残ってしまう可能性があるので注意しましょう。特に、複数の管理者が設定を行う場合、誰がどの範囲を管理しているかを明確にしなければ、設定の漏れや重複が発生しやすくなります。

情報セキュリティの観点からも、公開範囲は必要最小限に設定し、権限付与の承認フローを明確にするなど、情報漏洩リスクを低減する運用ルールを整備しましょう。

Googleサイトの口コミ

実際にGoogleサイトを利用している人からの評価や、口コミも確認しておきましょう。

【口コミ1】鉄・金属｜社内情報システム（CIO・マネージャ）｜100～300人未満｜IT管理者｜契約タイプ：有償利用

HTMLやCSSなど、プログラム知識がなくてもポータルサイトが制作でき、ランニングコストがかからない点も管理する上でありがたい。一方で、デザインを細かく調整することができないため、もう少し自由度を高めてもらいたい。

今までは資料の保存先が時間と共に忘れられてしまうケースがあったが、全社で共有が必要な資料や操作手順書などを、サイト別に整理できるようになった。

【口コミ2】小学校・中学校・高校｜その他専門職｜20-50人未満｜ユーザー（利用者）｜契約タイプ：分からない

学習サイトのリンク集や、Googleスライドで自作した教材が、ドラッグ＆ドロップでサイトの配置したい場所に挿入できる。さらに、編集がスマートフォンでもできるようになればありがたい。

以前は、複数の教材を組み合わせて授業をする際、その都度コンテンツやサイトを切り替える必要があったが、コンテンツを一つのサイトにまとめ自由に配置できるようになった。

【口コミ3】情報通信・インターネット｜ITコンサルタント｜20-50人未満｜ユーザー（利用者）｜契約タイプ：有償利用 

HTMLが書けなくても短時間でWebページを形にできる。共同編集と変更履歴・レスポンシブ表示にも対応しているが、細かなデザイン調整や自由なレイアウトはやや苦手。

社内ポータルやマニュアルを短期間で立ち上げ、担当者のスキルに依存しない運用体制を整備できた。Driveやカレンダーの埋め込みで情報を一元化でき、共同編集と履歴管理により、更新の属人化や手戻りを削減できた点も評価したい。

Googleサイトの特徴を理解して使いこなそう

Googleサイトは、専門知識がなくても簡単にWebサイトを制作でき、社内情報の共有やプロジェクト管理など、幅広い用途に活用できます。他のGoogleサービスとの連携により、既存の業務フローに組み込みやすく、低コストで運用できる点も魅力です。

一方で、デザインのカスタマイズ性や実装できる機能には制限があるため、用途に応じて適切に活用することが重要です。

特徴をよく理解した上で、自社の環境に合わせて活用しましょう。まずは部門内のマニュアルサイトやプロジェクト管理ページなど小規模な用途から始めて、効果を検証しながら全社展開を検討するのがおすすめです。