全国医療情報プラットフォームは、「医療DX令和ビジョン2030」の3本柱の1つです。電子処方箋が既に運用されており、電子カルテ情報共有サービスも2025年度中に本稼働となる予定です。医療DXや全国医療情報プラットフォームの基本的な知識について解説します。
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▼事例一覧▼
理念浸透から申し送りまで。「医院のインフラ」として活用
医療法人社団鈴木内科医院
院内コミュニケーションの質を高める
株式会社仙台消化器・内視鏡内科
ペーパーレス・情報共有の効率化を実現
株式会社サフィール
現場との距離を縮めたコミュニケーション
株式会社Eグループ
経営理念を浸透させるための取り組み
株式会社寿々
『離職者8割減少』につながった施策
株式会社夢現
そもそも医療DXとはどのようなことを指すのでしょうか。政府が医療DXを推進する理由や医療DX令和ビジョン2030と併せて解説します。
医療DXとは、医療分野においてデジタル技術を活用し、医療に関する情報やデータを医療界全体で共有・活用する取り組みのことです。医療分野のあり方を変え、より質の高い医療を提供することを目的としています。
医療DXにおける主な取り組みは次の通りです。
身近な例では、マイナンバーカードと健康保険証の一体化が医療DXに関する取り組みの1つです。
医療DXは医療機関でIT機器を導入することではありません。医療の世界を根本的に変える取り組みが医療DXであり、医療機関のIT化やデジタル化より大きな考え方です。
出典:医療DXの推進に関する工程表について(報告) P5 | 厚生労働省
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医療DX推進の背景にある大きな問題は、加速する高齢化です。高齢者が増えると医療ニーズが高まるため、より迅速かつ質の高い医療の提供が求められるようになります。
医療DXにより国民自らが医療情報にアクセスできることもポイントです。今までより効率的・効果的な医療の提供を期待できるでしょう。
医療DXが推進されれば平時からデータ収集を迅速に行えるため、感染症拡大時にも必要な医療体制を構築しやすくなります。
「医療DX令和ビジョン2030」は、自由民主党政務調査会が2022年に公表した方針です。日本の医療分野における情報のあり方を根本から解決するための取り組みを示しています。
医療DX令和ビジョン2030で総合的に進めていく3つの取り組みは以下の通りです。
これらの取り組みを進めることの具体的な目的は、次のようにまとめられます。
出典:「医療DX令和ビジョン2030」の提言 | 自由民主党政務調査会
自由民主党政務調査会の提言では、3つの取り組みを総合的に進めていく医療DX令和ビジョン2030を、極めて重要な国家事業として重要視されています。どのような取り組みを進めていくのか、日本の医療DXを支える3本の柱の具体的な内容を見ていきましょう。
全国医療情報プラットフォームは、さまざまな医療・介護情報を広範囲で共有・交換できるプラットフォームです。医療機関・介護施設・自治体などがデータを共有し、全国的な医療・介護情報基盤となります。
全国医療情報プラットフォームが構築されることで、以下のような効果を期待できます。
出典:第4回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料について 資料2-2 全国医療情報プラットフォームの概要 | 厚生労働省
全国医療情報プラットフォームでは、電子カルテ情報の共有を目指しています。ただし、電子カルテはメーカーがそれぞれ独自に開発してきたため、導入している医療機関ごとに規格が異なっているのが実情です。
電子カルテ情報をスムーズに共有するためには、規格をそろえる必要があります。医療機関により異なる電子カルテ情報の規格をそろえるための施策が、電子カルテ情報の標準化です。
現在は標準型電子カルテの開発が進められており、2026年度以降に利用が広まる見通しです。2030年までに電子カルテの普及率が100%になることを目指しています。
出典:「医療DX令和ビジョン2030」の提言 P5 | 自由民主党政務調査会
診療報酬改定DXとは、診療報酬改定における医療機関やベンダーの負担軽減を図る取り組みです。診療報酬改定がある年は大きな業務負担が生じやすいため、医療機関やベンダーの作業を国で一本化する施策が進められています。
診療報酬改定DXで実施される具体的な取り組みは次の4つです。
医療DX工程表に基づき、上記の施策を2024年から段階的に進めるとしています。
出典:第4回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料について 資料3 診療報酬改定DX報告資料 | 厚生労働省
全国医療情報プラットフォームの構築に向けた重要な2つの取り組みが、電子処方箋と電子カルテ情報共有サービスです。まずは、電子処方箋の仕組みや流れ、導入メリットについて解説します。
電子処方箋とは、従来型の紙の処方箋をデジタルデータに変え、通信ネットワークを利用して情報連携する仕組みのことです。2023年1月から既に運用が開始されています。
電子処方箋のサービスでは、病院・診療所・薬局が電子処方箋管理サービスに登録した情報を、医療関係者や患者がオンラインで取得できます。
電子処方箋ではオンライン資格確認の仕組みを活用するため、利用の際はオンライン資格確認等システムの導入が必要です。
病院や診療所で電子処方箋を導入することで、患者の直近の処方・調剤情報を容易に確認できます。電子処方箋管理サービスの重複投薬等チェックを実施すれば、実効性の高い重複投薬防止が可能です。
薬局ともリアルタイムに情報連携できるため、より質の高い診察・処方を期待できます。処方箋の印刷にかかっていた費用も大幅に削減できるでしょう。
全国医療情報プラットフォームを支えるもう1つの重要なサービスが、電子カルテ情報共有サービスです。概要や補助金について解説します。
電子カルテ情報共有サービスでは、主に次の4つのサービスが提供されます。
全体的には、医療機関で登録された各種情報を文書情報管理データベースに保存し、医療機関・医療保険者・患者などが情報を取得・閲覧できるという仕組みになっています。
電子カルテ情報共有サービスの導入にあたっては、補助金の利用が可能です。20床以上の病院において、健診実施の有無や病院の規模により、補助率や上限額が異なります。
補助金を申請するために満たすべき条件は次の通りです。
補助金を利用する場合は、補助金申請後に電子カルテ情報共有サービスの利用を申請できます。
出典:電子カルテ情報共有サービス - 電子カルテ情報共有サービスの導入に係る補助金
国が推進する医療DXでは、「医療DX令和ビジョン2030」が示されています。この方針の柱の1つになっているのが、全国医療情報プラットフォームです。
全国医療情報プラットフォームが整備されれば、電子化された医療情報を広範囲で共有できるようになります。概要や利用方法について理解を深め、今のうちから準備を進めておきましょう。