会社名 |
自治労茅ヶ崎市職員労働組合 |
従業員規模 |
1,000名以上 |
事業内容 |
労働組合(自治体) |
POINT
- 課題:組合についての情報共有がうまくいっていなかった
- 課題:紙ベースのやり取りを非効率に感じていた
- 運用:情報共有と組合員の利便性を目指す
- 運用:地域と連携し利益を還元できる仕組みを作りたい
- 運用:組合執行部と組合員の意思疎通を図る
1956年(昭和31年)創設の自治労茅ヶ崎市職員労働組合様(以下、茅ヶ崎市職労。敬称略)。現在約1,600名の組合員を抱える茅ヶ崎市職労様では、市民によりよいサービスを届けるために、組合員が働く職場環境や労働条件の維持・改善に取り組んでいます。
そんな茅ヶ崎市職労様では、組合活動に関する情報発信について課題を感じていたと言います。「TUNAG(ツナグ)」を活用して組合員とどう向き合っていこうと考えているか、中央執行委員長 松尾翔太朗様、副中央執行委員長 小野文彰様、書記次長 佐藤慈大様にお話を伺いました。
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導入前の課題
組合活動の浸透を図るため、情報発信ツールを探していた
〜自治労茅ヶ崎市職員労働組合様では、組合活動においてどんな課題を感じていましたか?〜
茅ヶ崎市職労:数年前から、組合の活動を組合員のあいだにどう浸透させていくかが課題になっていました。
もともと情報発信やアンケートはビラなど紙媒体で実施していましたが、組合員さんも職場に機関誌を配布されても勤務中に見る時間がなかったでしょうし、あまり読んでもらえていませんでした。
また、当組合では市役所庁舎だけでなく市立病院や学校にも支部や評議会があり、紙媒体での情報発信ではどうしても庁舎に比べて出先機関への伝達速度に差が出てしまうのも悩みでした。
茅ヶ崎市職労:近年はSNSで組合のページを作成してオンタイムに情報発信もしていましたが、組合員さんにとってはプライベートでも使っている個人アカウントでアクセスしなければならず、自分から情報を取りにいくことに壁があったんです。
普段組合がどんな活動をしているのか知ってもらいたい、組合員さんにもっと組合を利用してもらいたいと思っていましたが、適切な方法が分からず難しさを感じていました。
TUNAG導入のきっかけ
TUNAGはやりたいことが実現できる「ちょうどいい」ツールだった
〜TUNAGの導入を検討された背景にはどのようなことがあったのでしょうか〜
茅ヶ崎市職労:組合活動の浸透に課題を感じる中で、通勤中や自宅など、勤務時間外のスキマ時間にスマートフォンで組合の情報に触れられるようにすれば良いのではないかと考えました。手元に情報が届くというのが、今の時代にも合っていると思ったんです。さらにコロナ禍の影響も出始めて、デジタル化の必要性をより感じるようになりました。
そこで、最初は組合専用のスマホアプリの開発を検討したのですが、iOSとandroidの2種類のシステム開発が必要なこともあってやりたいことを全部やろうとすると初期費用だけで約700万円、保守・運営費用として年間100万円弱もかかることが分かったんです。当時の予算規模では実現困難でした。
次に、アプリに比べて多少費用が抑えられるということでWebシステムの開発も検討しました。しかしアプリのプッシュ通知のように組合から能動的な通知ができないという問題点が浮上し、それだと結局組合員さんに情報を取りに来てもらわなければならず、費用対効果が得られないのでこの方法も断念したんです。
〜そういった中で、最終的にTUNAGを選定されたのはなぜですか?〜
茅ヶ崎市職労:アプリやWebシステムの開発を断念してから、無料のものをはじめさまざまな情報共有ツールを探しました。ちょっとした感謝を伝える「サンクスカード」の機能に特化したサービス、人事評価機能が搭載された人事管理系のシステムなどはたくさん見つかったのですが、どれも求めているものとは少し違っていて導入には至りませんでした。
そんな中、「労働組合 アプリ」といったキーワードで検索してみたところ、
ジェーシービー従業員組合さんがTUNAGを導入した事例を見つけてTUNAGを知りました。調べてみて、まずインターフェースが使いやすそうだと思いました。そして、「勤務時間外のスキマ時間に組合の情報に触れてもらう」「組合員さんが自分で取りに行かなくても、組合の情報が手元に届く」という自分たちがやりたいことを実現できそうだと感じたんです。いい意味で、「ちょうどいい」ツールだと感じましたね。
組織の構成員は若手が中心「新しいものを受け入れる土壌ができている」
〜地方自治体の労働組合ではデジタルツールを導入した事例は少ないのではないかと推察しています。そんな中、茅ヶ崎市職員労働組合様がTUNAGを導入する意思決定ができたのはどういった要因があったのでしょうか〜
茅ヶ崎市職労:組織を構成する職員の年齢が比較的若いことはあると思っています。ほかの自治体の労組役員さんだと、代表者である委員長や副委員長は40〜50代の方が務めることが多いようですが、我々の組織では委員長が30代半ば、組合の四役も20〜30代の職員で構成されています。役員のあいだで新しいデジタルツールを導入することに抵抗感が少なかったというのはありますね。
〜デジタルツールなど先進的なものを積極的に受け入れる文化が醸成されているのでしょうか〜
茅ヶ崎市職労:茅ヶ崎市の職員採用では、約15年前から一般的な公務員試験ではなく、民間企業と同じようにエントリーシートを書いて面接をする形式をとっています。そういった採用方法で入ってきている方が多いので、既存のものにこだわらず新しいものを受け入れようとする文化はできているのかもしれません。
TUNAG運用について
組合員に向けた情報発信と利便性の向上にTUNAGを活用
〜組織内のTUNAG担当者は何名で、どのような役割分担をされていますか? また、組合の中でTUNAGを利用する方はどの程度いらっしゃるのでしょうか?〜
茅ヶ崎市職労:日常的にTUNAGの管理をするメインの担当者は1名です。ほかに統括が1名、書記局業務管理として1名、コンテンツの作成を担当する者が2名で、合計5名で運用しています。
利用対象となるのは、約1,600名の組合員さん全員です。正規職員、任期付職員、会計年度任用職員などを含めて、組合員なら誰でもTUNAGを利用可能です。みなさんには個人所有のスマートフォンからTUNAGにアクセスしていただく想定でいます。
〜TUNAGへの登録はどのように進める予定ですか?〜
茅ヶ崎市職労:まずは事前にTUNAGの機能や組合での活用方法をビラでしっかりと周知する予定です。
その上で、QRコードでの登録機能を使って登録を進めていきます。組合員さん自身でQRコードを読み取ってTUNAGへの登録をしていただき、分からないことがあれば組合役員や各職場の中央委員を中心に登録をサポートします。
〜組合活動の中ではTUNAGをどのように活用される予定でしょうか〜
茅ヶ崎市職労:まずは情報発信ですね。情報を組合員さんの手元にしっかり届けて、組合員さんがいつでも組合に関する情報を見られる状態を目指したいと思います。
次に、各種申請手続きを一元管理して組合員さんの利便性の向上を目指します。組合員さんの中には小学校の用務員の方やゴミ収集をおこなう清掃員の方、公民館や市立病院など、出先の方も含まれますが、これまでは出産や結婚など慶弔費の申請も完全に紙ベースでおこなっていたため、市役所内にある組合事務所まで足を運ばなければいけませんでした。
こういった申請手続きをTUNAGで一元管理できれば、出先にいながら申請ができるので、便利になると思います。
〜議案審議等、組合活動の推進においては、TUNAGをどのように活用される予定ですか?〜
茅ヶ崎市職労:各機関会議の開催通知や会議結果の報告はTUNAG上で実施できると考えています。タイムリーな情報発信が実現することで、組合員との意思疎通や活動の見える化に寄与できると期待しています。
また、毎年1回開催している定期大会については、その議案書等の電子データをTUNAG上に公開する予定です。
TUNAGで「組合と組合員がつながる」状態を作り出したい
〜TUNAGの運用にあたって、どういった点から効果測定をしていかれる予定ですか?〜
茅ヶ崎市職労:組合員さんにはまず登録していただいて、見て、触れていただく必要があります。具体的な指標としては、登録者数や記事の閲覧数、新規採用者の登録者数100%をKPIとすることを考えています。
定性的には、まずは組合と組合員さんが常につながっている状態を作り出したいですね。たとえば、組合員さんから見て組合役員の顔と名前が一致したり、組合執行部と組合員の意思疎通が取れているといった状態になることが理想です。組合員がTUNAGの投稿を楽しみに感じられるようになるとより良いですね。
最終的には、職場の課題などを気軽に相談できる、相互コミュニケーションが図れる場になればよいと考えています。
今後TUNAGで実現したいこと
TUNAGの活用が市民サービスの向上につながる取り組みを検討
〜今後TUNAGを活用してどのように組合活動を発展させていこうとお考えですか?〜
茅ヶ崎市職労:一つは、TUNAGを活用して労働金庫や自治労共済等の利活用を推進したいと考えています。組合に加入すると労働金庫や自治労共済を有利な条件で利用することができますが、当組合では労働金庫の口座を開設している人は全体の5割、自治労共済は2割程度にとどまっています。TUNAGを活用して労働金庫や自治労共済にアクセスできれば、ローンや生命保険の試算をしてもらいやすくなるでしょう。
もう一つ、ほかの自治体で地域の住民の方と自治労組合が一緒になって地域の活性化に取り組む事例を見て、TUNAGを地域に利益を還元するような取り組みにつなげられないかと考えました。具体的には、TUNAGのリワード機能を活用して、地域と連携したポイント活用施策に取り組みたいと思っています。たとえば、地域の飲食店と連携してクーポンを発行し、TUNAG上で貯まったポイントと交換するといった使い方ですね。
自治労組合の最終的な目的は住民サービスの向上です。そのためには住民の方々について知る必要があるし、住民の方にも我々のことを知っていただきたいと思っています。そういった相互のコミュニケーションを図ることでより良い街づくりができるのではないか、その架け橋にTUNAGを活用できるのではないかと考えています。
自治労のIT導入について
コロナ禍で注目を集めるDX。組織として社会の変化に対応
〜ITツールを導入することで、何を実現したいと考えていますか?〜
茅ヶ崎市職労:組合員さんの心の中には「仕事に割く時間」「家庭に割く時間」「趣味に割く時間」がありますが、昔はその中に「組合活動に割く時間」があったはずです。それが今では、業務が多忙になり、家庭を大切にする人が増え、だんだんと組合活動に割く余裕がなくなってきています。そんな中、組合がどこまで心のスキマに入っていけるかがこれからの課題です。
これまで紙でしか出せなかった情報も、TUNAGを使うことによって組合員さんの手元に一斉に届けることができる。組合員さんの時間に余裕がない中で情報発信するにはベストな判断だったと思っています。組合と組合員さんを「つなぐ」ツールとして、スマホの画面から組合を覗いてほしいですね。
〜最後に、ほかの自治労の方にメッセージをお願いします〜
茅ヶ崎市職労:全国の自治労の組合員は、現在約77万人。この数は年々減少しています。「このままでいいのだろうか」と感じているのは私たちだけでなく、全国の自治労組合の方も同じでしょう。
今回私たちがTUNAGを導入した背景には、DX推進を始めとする社会の変革が挙げられます。コロナ禍でデジタル化が注目されるようになりましたが、そうした社会の変化に我々組織も対応していかなければなりません。
このままでは自治労は小さくなるばかりですが、違うアプローチから変革をすることで見えてくるものがあるかもしれません。その「違うアプローチ」の一例として、当組合ではTUNAGを導入しました。
社会の変革にどう対応したら良いか分からずもがいている方々に、TUNAGを活用して「こういう視点もありますよ」ということを発信していきたいと思っています。そういった意味では、自治労組合で初めてTUNAGを導入した責務を負っていると思いますし、しっかりとその使命を果たしていきたいですね。
〜松尾様、小野様、佐藤様、お話いただきありがとうございました!〜