重要事項を漏らさない業務マニュアルの作り方。よくある失敗例も

企業の担当者の中には、業務マニュアルの作り方で悩んでいる人もいるのではないでしょうか?分かりやすいマニュアルを作るためには、成功例や失敗例を知ることが大切です。基本の作り方を中心に、作成の流れや注意点、おすすめのツールを紹介します。

業務マニュアル作成は何から着手すべきか

業務マニュアルとは、作業の手順や注意点などをまとめたものです。品質の標準化や作業の効率化、属人化の解消などを目的に、多くの場面で活用されています。業務マニュアルを一から作成する場合、何から始めればよいのでしょうか?

目的の明確化

内容を考える前に、マニュアルを作る目的を明確化しましょう。5W1Hを明らかにすることで、分かりやすくブレのないマニュアルが完成します。

新入社員の教育に使用するのであれば、難しい専門用語を避けつつ、業務の全体像が把握しやすいように工夫する必要があります。業務の属人化を防ぐためのマニュアルなら、具体的な手順や注意点をしっかり盛り込むことが重要です。

目的が明確化されていない場合、読み手に大事な意図が伝わりません。理解するのに時間がかかったり、現場で役立たなかったりして、すぐに形骸化する恐れがあります。

担当者の選定とスケジューリング

業務マニュアル作成をスムーズに進めるには、担当者の選定とスケジューリングが欠かせません。行き当たりばったりで着手すると、本業の忙しさにかまけてなかなか完成しない可能性があります。

マニュアル作成の担当者は、新人に近い従業員でも構いませんが、業務に精通した人が必ずチェックする必要があります。

スケジューリングをする際は、最初に完成期日を決め、実現するためのステップを逆算するのがポイントです。作業工程表を作成して、具体的な期日を設定しましょう。

マニュアル作成ツールの選択

普段の仕事と並行して、作業を効率良く進めていくためにも、自分たちに合ったマニュアル作成ツールを選択することが重要です。

マニュアル作成ツールとは、マニュアルや手順書を作成するためのデジタルツールです。テンプレート機能やキャプチャ機能、検索機能などが搭載されており、見栄えの良いマニュアルをスピーディーに作れます。


WordやExcelなどのOfficeソフトを使用してもよいですが、関数などの複雑な処理が組み込まれると、作成や改修が属人化しやすくなる点に注意が必要です。

業務マニュアルの基本の作り方

業務マニュアルの作成には一連の流れがあります。「情報収集」「骨組みの決定」「内容の肉付け」「仮運用」の順番で着実に作業を進めていくと、抜け漏れのないマニュアルが完成します。

【step1】情報収集と作業の洗い出しをする

対象の業務に精通していても、事前の情報収集は不可欠です。現場の従業員や責任者にヒアリングし、マニュアルに必要な事項を漏れなく集めましょう。現場で使用するチェックシートや取り扱い説明書、各種ガイドラインなども必要です。

情報収集と並行して、業務マニュアルに記載する作業の洗い出しを行います。膨大な量になるため、まずはざっくりとメモに書き出して整理することをおすすめします。


全体が整理できたら、内容を具体化・細分化するステップに進みましょう。情報収集と作業の洗い出しは最も骨の折れるプロセスですが、丁寧に行えば行うほど、マニュアルの完成度が上がります。

【step2】骨組みを決定する

作業を洗い出した後は、本文をいきなり書き始めるのではなく、全体の骨組みとなる構成案を決めます。構成案は、マニュアルの目次や見出しにも使われるため、検索のしやすさを意識する必要があります。

分かりやすいマニュアルは、構成が階層構造になっているのが特徴です。階層構造とは、1本の幹から枝が分かれるように複数の情報が配置される構造を指します。


上位から下位へと順序立てて組み立てることで、複雑な情報もすっきりと分かりやすく整理されます。章・節・項を適切に使いましょう。

【step3】内容を肉付けする

骨組みが完成した段階で、具体的な内容を肉付けしていきます。構成案に沿って、具体的な内容を記入していくだけなので、情報収集と作業の洗い出しがきちんと行われていれば、この工程は比較的スムーズに進むでしょう。

本文作成のポイントは、読み手の立場を意識した分かりやすい表現を選ぶことです。表やグラフなどを盛り込むと、短時間でもグッと理解が深まります。


マニュアルに全ての情報を盛り込むのは不可能ですが、「知りたいことが書かれていない」という事態は避けたいものです。検索性を担保しつつ、関連情報はできる限り網羅するようにしましょう。

【step4】仮運用でフィードバックをもらう

マニュアルがひと通り完成したら、仮運用を行いましょう。実際に現場の従業員に使ってもらうことで、情報の抜け漏れや改善点などが見つかります。

業務マニュアルを作成する目的の一つは、業務の標準化や属人化の解消です。該当業務に携わったことがない人にも目を通してもらい、マニュアルのみでどれだけ作業ができるかを試してもらうのも良い方法です。


仮運用の後は、各人のフィードバックをマニュアルに反映させる作業を行います。運用と改善を繰り返していくうちに、内容がブラッシュアップされていくでしょう。

優れた業務マニュアルの条件とは?

業務マニュアルの作成者は、常に読み手の立場を考える必要があります。分かりにくい・使いにくいマニュアルは、時間をかけて作ってもすぐに形骸化するでしょう。多くの人に活用される良いマニュアルは、どのような要素を備えているのでしょうか?

視覚的な要素が盛り込まれている

一つ目は、視覚的な要素が盛り込まれていることです。文字だけのマニュアルは直感的に理解しにくく、読み進めるのに時間と労力を要します。途中で読む気が失せてしまい、マニュアルを確認せずに作業をする人が出てくるかもしれません。

読み手の理解を促すには、写真やイラスト、動画などを適度に挿入する工夫が必要です。業務の流れや全体像を説明する箇所には、フローチャートを入れると分かりやすいでしょう。


一見、理解が難しそうな情報でも、視覚化によって飛躍的に理解度が上がります。記憶に残りやすく、作業の円滑化にもつながります。

必要な情報がすぐに探せる

二つ目は、必要なときに必要な情報がすぐに探せることです。いくら内容が充実していても、検索するのに時間がかかれば、現場におけるマニュアルの使用頻度が大きく低下します。

「人に聞いた方が早い」という状況を避けるためにも、検索性をしっかりと確保することが肝要です。例えば、作業内容を「目的別」「担当者別」「作業別」などのカテゴリーごとに記載すれば、必要な情報をすぐに取り出せます。


目次や見出しを付けるときは、内容が一目で分かるような表現を使いましょう。「作業1」「作業2」では内容が全く分かりませんが、「システムの初期設定」「アクセス方法」とすれば一目瞭然です。

業務マニュアルにありがちな失敗例

業務マニュアルの作成は根気のいる作業です。時間をかけて作り上げても、「使いにくい」「役に立たない」という声が上がることも珍しくありません。これから業務マニュアルを作成する人は、よくある失敗例と注意点をチェックしておきましょう。

イレギュラーな事態に対応できない

当たり前のことしか書かれていない業務マニュアルは、イレギュラーな事態に対応できず、すぐに使いものにならなくなる可能性があります。

業務マニュアルに記載できる情報には限りがありますが、想定できる範囲でイレギュラー時の対応を盛り込みましょう。過去の失敗事例や起きやすいミス、顧客から寄せられたクレームなどが記載されていると、いざというときでも慌てずに済みます。


素早く検索できるように、目次や見出しは「緊急時の対応」「過去のトラブル例」「よくある質問」などの分かりやすい文言にするのがポイントです。

内容の更新が滞る

業務マニュアルは、内容を更新し続けるのが前提です。更新を怠ると、生産性が低下したり、トラブルが多発したりするほか、従業員間で情報格差が生まれる可能性があります。

更新が滞る理由の一つは、作成後の内容の変更や修正が難しいことです。特に、マニュアル作成ツール以外で作った場合、以下のような問題点が懸念されるでしょう。

  • 更新するとレイアウトが崩れる
  • 複雑な関数が使われていて、特定の人しか更新ができない
  • 更新後、マニュアル共有に時間がかかる

定期的なマニュアル更新を見込んで、変更や修正がしやすいツールを活用することをおすすめします。

作業現場で使いにくい

業務マニュアルは、必ずしもパソコンで閲覧するわけではありません。とりわけ、物流業・介護業・飲食業・製造業などで働く人々の場合、パソコンよりも「モバイル端末」でマニュアルを確認する機会が多いでしょう。

パソコンでの閲覧を前提にレイアウトを考えると、デスクレスワーカーからは、見にくい・使いにくいという苦情が上がります。

紙のマニュアルの場合、部数が限られていたり、保管場所が統一されていなかったりして、必要なときに閲覧できないことがあります。レイアウトや共有方法を考えるときは、誰が・どこでマニュアルを使うのかをよくイメージしなければなりません。

「TUNAG」でマニュアルの作成・運用を円滑に!

マニュアルの作成時は、管理や共有を含めた運用面も考慮する必要があります。「デスクレスワーカーへの共有が漏れてしまう」「マニュアルのペーパーレス化を検討したい」という企業は、「TUNAG(ツナグ)」の導入を検討しましょう。

サービス概要と機能の特徴

TUNAGは、従業員エンゲージメントの向上を目的に開発されたオールインワンツールです。社内交流や業務効率化、人材育成などを円滑化する機能が搭載されており、社内のつながりを強化しながら、業務DXの推進や組織課題の解決が図れます。

TUNAGの強みは、さまざまな職場環境や働き方に対応している点です。スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末での利用が想定されているため、社用メールアドレスを持たないデスクレスワーカーでも使いやすさを実感できるでしょう。


TUNAGには、文字・動画・画像を使ったマニュアルを作成・共有できる機能があり、従業員は自分の端末からいつでも内容を閲覧できます。マニュアルの理解度や定着度をチェックしたいときは「社内テスト」の機能が有効です。

TUNAG(ツナグ) | スマホひとつで組織まるごとDX

【活用例1】株式会社木曽路

株式会社木曽路様は、しゃぶしゃぶ・日本料理を中心とした飲食店を全国展開する企業です。1店舗につき50~60人の登録メンバーがおり、アルバイト・パートを含む全従業員への情報共有に課題を抱えていました。

マニュアルを共有する際は、個人のSNSを使用していましたが、プライベートなやりとりをするツールは、業務連絡に必ずしも適しているとはいえません。


TUNAGの導入後は、情報共有ツールの一元化が実現し、強化してほしいことや注意事項をタイムリーに伝えられるようになりました。人材育成においては、動画・写真付きのマニュアル配信により、教育のスピードアップを実感したといいます。

出典:「不規則なシフトでも情報が行き渡る」木曽路が実践する、パート・アルバイトを含めた情報共有 | TUNAG(ツナグ)

【活用例2】株式会社フォレストファーム

株式会社フォレストファーム様は、農産物直売所「旬の駅」を運営する企業で、正社員・パート・アルバイト含む約200人の従業員を抱えています。

当初は、情報共有や各種申請をペーパーベースで行っており、手続きの不備やトラブルが多く発生していました。会社ルールのマニュアル化を望む声もあり、コンテンツ設計の自由度が高いTUNAGの導入を決めたといいます。


導入後、申請書類やレシピをペーパーレス化し、店舗間の連携や情報の共有もTUNAGに一本化します。さらに、代行サービスの「TUNAGアシスタント」を活用し、マニュアルの整備を効率的に行いました。

出典:農産物直売所「旬の駅」、4年連続で売上アップ。各店舗の知識をアプリで共有し、ペーパーレス化も実現 | TUNAG(ツナグ)

業務マニュアルの作り方をマスターしよう

業務マニュアルの作り方には、一連の流れがあります。情報収集やスケジューリングなどの準備を万全にし、構成案をしっかりと練り上げてこそ、重要事項を漏らさない良いマニュアルが作れます。利用目的や利用対象者を明確にした上で、シンプルで分かりやすいレイアウトを心掛けましょう。

Officeツールを活用してもよいですが、マニュアル作成ツールを使うと、見栄えのよいマニュアルが効率的に作成できます。運用面で課題を抱えている企業は、モバイル端末で使えるオールインワンアプリ「TUNAG」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

TUNAGは、従業員エンゲージメントを飛躍的に向上させるオールインワンツールです。社内SNSやトップブログ、サンクスカードシステムなど、充実したコミュニケーション機能を通じて、組織の絆を深めます。また、効率的な社内報配信や使いやすい社内ポータルで、情報共有を促進。さらに業務DX機能も搭載し、日々の業務効率化もサポートします。


中小企業の皆様、社内コミュニケーションの不足や従業員の帰属意識の低下でお悩みではありませんか?TUNAGはこれらの課題を解決し、生産性向上と活気ある職場づくりを実現します。

ご利用人数や活用方法に合わせて最適なプランをご提案いたしますので、まずはお見積もりフォームよりお問い合わせください。

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