チームワークを高めるために必要な4つのこと
ここまでは、チームワークの重要性やその効果について記述しました。では、チームワークを高めるためにどのようなことをすれば良いのでしょうか。いくつかの手法を紹介します。
1. ビジョンの共有
まずはチームのビジョンを共有しましょう。ビジョンを共有する上で重要なのは、チームメンバー全員が体感できるストーリーを共有することです。チームメンバーや顧客を主人公にした短い小説のように、分かりやすく魅力的なストーリーを作成し、伝えてみましょう。ワクワクするもの、世の中をよくできそうなこと、明るいビジョンが良いですね。
共有だけでなく、その後、メンバーがそのビジョンに共感できているのか、正確に伝わっているのか、継続的なコミュニケーションが必要です。
2. 明確な目標の設定
ビジョンが共有されているだけでは、チームメンバーはどのように行動すればいいのか分かりません。チームメンバー一人ひとりの行動を明確にするために、SMARTな目標の設定が必要です。SMARTとは、以下のことを指します。
- Specific(具体的に)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Related(経営目標に関連した)
- Time-bound(時間制約がある)
3.情報のオープン化
チームの動きを共有することも重要です。数字や意思決定などの結果だけでなく、プロセスも共有するようにしましょう。
何が起こるか分からない不確実性が高いようなチームの場合、現状の動きが分からなかったり、何かの決定の背景が不明瞭のままだったりすると、メンバーの不満につながります。
その結果、モチベーションや思考力が低下することにもつながる可能性があります。
4.適切なフィードバック
チームの成果に対して、適切なフィードバックの機会を設けましょう。フィードバックの機会は、チームの学習力を大きく向上させる効果があります。
変化の激しいビジネス環境においてはチーム自体が学習し続け、成長することが求められます。そのためには学びながら実行できる組織をつくることが重要です。
チームワークを高めるためのリーダーの役割とは
メンバーに期待すること
リーダーの役割として一番重要なのは、目標に対してチームメンバーの一人ひとりに期待をすることです。期待をする際は、具体的で、わかりやすい「期待」をよせることが大事です。「来週末までに、○○を完成させてね、そうすればXXもうまくいくよ」などと、具体的に声をかけましょう。
期待をかけられると、メンバーには適切な緊張感が生まれます。そして、期待を越えようとより一層成果に向けて行動する効果があります。
成果を称賛する
目標を達成したメンバーをしっかりと称賛することも重要です。「即時」かつ「オープン」に称賛を行う事で効果を最大化させることができるのがポイントです。この2つの要素について詳しく説明します。
1.「即時」
目標を達成したメンバーがいたら、時間を開けずに称賛の言葉をかけましょう。1週間以上後になって「あの時はよくやったね」と言っても、達成感を十分に味わうことができません。むしろ、「今更かよ」と、かえってモチベーションを下げてしまうこともあります。
2.「オープン」
称賛をする際はチームメンバー全員が見える状況で行うことも非常に大事です。称賛されたチームメンバーが喜びを感じ、達成感を得られるだけでなく、他のチームメンバーへの刺激にもつながり、チーム全体のモチベーションが向上します。
チームメンバーのケア
個人のモチベーションの低下はチームの生産性を下げてしまいます。リーダーはメンバーの微妙な変化を察知し、事前にケアをする必要があります。
チームメンバーとのコミュニケーションの手法として有名なのは、1on1ミーティングです。1on1ミーティングについては、
こちらの記事を参考にしてください。
チームワークとは
目標を達成するためにメンバーで協働すること、またはその力
まず、チームとは、ある目標に向かって集まった組織のことです。チームワークとは、チームで掲げられている目標を達成するために、チームメンバーで協働することを指します。
また、チームワークは長い時間と労力をかけて高めるものだと思われがちですが、適切な仕組みを構築することで短期間で効率的に高めることが可能です。この記事では、チームワークを高めるための手法について紹介します。
チームワークが企業に重要な理由
一人の力では目指せない高い目標を達成できる
チームワークを発揮することで得られる一番のポイントは、個人では達成できないことを達成できる力が集まるということです。
チームワークは、業務を効果的かつ効率に遂行するためだけでなく、チームメンバーの仕事への満足度を高めたり、スキルを向上させたりするためにも大切です。
昨今のビジネス環境に適応するため
急速に進むグローバル化や情報技術の発展により、ビジネス環境は複雑に変化をしています。そのため、企業は規模に関わらず激しい競争やイノベーションの必要性に迫られています。
ビジネス環境が複雑に変化する前までは、個人のスキルや考え方に関係なくチームを作って目標をクリアしていくことが容易でした。しかし、昨今の変化がめまぐるしいビジネス環境では、その都度必要な能力を見極め採用することに限界があります。今のチームの力で目標達成していくことが必要であり、だからこそチームワークが重要なのです。
チームワーク力の高い企業の強み
では、チームワークが取れている企業ではどのようなメリットがあるのでしょうか。
生産性の向上
チームワークが機能している企業・チームでは、互いの能力を補完し合うため、生産性が高くなります。それぞれの能力を把握し、強みを活かすことができるチームをつくることがポイントです。
離職率の低下
チームワークがとれているチームは、メンバーのエンゲージメントも高く、充実した毎日をおくっています。そのような充実感があると、離職する理由も少なくなり、優秀な人材の流出を防ぐことができます。
メンバーの自主的な成長
チームワークが機能することで、チームメンバー同士の競争意識が醸成されます。競争意識は学習意欲を刺激し、チームメンバー個々の能力を向上させることにつながります。
エンゲージメントを高めることによるチームワークへの効果
信頼関係がメンバーの力を引き出す
エンゲージメントが高いチームと、低いチームでは、前者の方が高いパフォーマンスを上げるということは明確です。効果としてさらにいえることは、お互いが信頼関係で結ばれていることにより、自分の力を100%発揮できるという点です。
チームワークは、必要以上に協調性を重んじること、馴れ合うこととは違います。目標達成のためにメンバー全員が1+1=2以上のパワーを出し切れる関係であることが大切です。
その関係を築くために、エンゲージメントの向上は非常に重要だと考えています。
TUNAG(ツナグ)を活用したチームワーク向上施策
TUNAG(ツナグ)は、エンゲージメントを高め、生産性を向上するためのITツールです。コンサルタントが導入支援と定期的なサポートを行い、継続的にチームの力を高めていくための支援を行います。
チームワークを高めるには様々な手法がありますが、TUNAG(ツナグ)を活用してチームワークが自然と高まる仕組みの例をご紹介します。
称賛の文化を醸成する「サンクスカード」や「MVP表彰制度」
効果的に称賛するには、即時とオープンが重要なことは先述の通りです。TUNAG(ツナグ)で「サンクスメッセージ」を運用することで、自然とその二つの要素を取り入れることができます。
サンクスメッセージは、感謝の気持ちをメッセージにして相手に伝える制度。TUNAG(ツナグ)でメッセージを送り合っている様子をタイムライン上で見ることができますので、チームのコミュニケーション活性化にもつながります。
また、MVP表彰制度をTUNAG(ツナグ)に取り入れることで、優れた人を認め、みんなで称賛する文化も創ることができます。プロフィールにMVP表彰歴を掲載することもでき、本人のモチベーションUPにもつながります。
リーダーのビジョンや考えを情報発信できる
ビジョンの浸透やチームへのフィードバックを行う際、リーダーがどのように発信するかが非常に重要です。しかし、メンバー全員に対して平等に話す機会を設けることが難しいこともあります。
TUNAG(ツナグ)を使うことで、気軽にリーダーのメッセージや情報発信を閲覧することができ、ビジョン浸透やフィードバックの効果を最大化することができます。
まとめ
個人ではなし得ないことを、チームの力で達成していくために
チームワークを高めるといっても、様々な手法が存在します。チームにあった手法を取り入れ、上手く活用することでチームワークは大幅に向上します。
是非、チームワークを高めるための取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
【参考】マルティーヌ・ハース、マーク・モーテンセン(2017)『チームワークは4つの要素で決まる DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文』』(ダイヤモンド社)
【参考】エイミー・C・エドモンドソン(2014)『 チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(英治出版)
【参考】ポール・J・ザック(2017)『トラスト・ファクター 最強の組織をつくる新しいマネジメント』(キノブックス)
エンゲージメント向上のための“社内制度のプラットフォーム”『TUNAG(ツナグ)』について
TUNAG(ツナグ)では、会社と従業員、従業員同士のエンゲージメント向上のために、課題に合わせた社内制度のPDCAをまわすことができるプラットフォームです。
会社の課題を診断し、課題に合った社内施策をご提案、その後の設計や運用のサポートまで一貫して行っています。
TUNAG(ツナグ)では、社内で取り組まれているあらゆる社内制度の活用状況をデータで可視化することができます。会社の課題にあわせ、どのような施策を行うと効果的か、500を超える社内制度運用事例をもとにご提案し、TUNAG(ツナグ)を通して実行していきます。
縦と横のつながりがあまり無い、縦のつながりが弱い……などの課題に対して、1on1MTGや情報共有の運用をTUNAG(ツナグ)上で実施したり、会社全体で称賛文化をつくる「サンクスカード」の運用などが可能です。