「褒める文化」で人材定着率が30%向上!ポイントは「みんなの前で褒める」こと
褒められることは、人のモチベーションを高める最もシンプルで効果的な方法の一つです。人は誰しも「誰かから認められたい」という承認欲求を持っています。では、褒める文化はどのように作るのでしょうか。作り方や実際に企業で称賛文化を取り入れた場合の効果について、データをもとに見ていきましょう。
【時間がない方のためのポイントまとめ!】
- 褒めることで人材定着率が30%も向上する
- 従業員は上司や経営陣から認められたい!
- サンクスカードや社内ポイントで褒める習慣を取り入れる
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サンクスカードの活用方法と導入の効果
人は褒めると成長する!
褒められることは、従業員の成長に大きく貢献します。褒められることで業務へのモチベーションや企業への帰属意識が高まり、自己成長意欲が引き出されます。
褒める文化の形成には根気強さが必要ですが、従業員の定着率向上をはじめ、組織にとって大きなメリットがある取り組みです。
定着率だけじゃない!データで見る称賛文化の効果
アンパサンド株式会社が経営者・役員100名を対象に実施した企業の「承認・称賛」文化に関する実態調査では、称賛文化が社員の定着率向上だけでなく、多方面でポジティブな効果をもたらすことが明らかになりました。
調査対象の約6割の企業が「チームミーティングなどで良い事例を共有し、承認・称賛する時間を設ける」取り組みを行っており、8割以上の企業が称賛文化の導入により社員の定着率が改善されたと感じています。
また、「社員の定着率以外に、「承認・称賛」文化の組織づくりを行うことで改善されたことがあれば教えてください」という質問では、「業績の向上」(51.9%)、「組織内の信頼関係の強化」(45.7%)、「残業時間の減少」(42.0%)といった改善が挙げられました。
さらに、自由回答では「社員のモチベーションが上がった」や「チームワークが良くなった」といった効果も報告されています。これらの結果から、称賛文化の導入は企業全体のパフォーマンス向上に寄与し、より良い組織づくりに有効であることが確認されました。
褒めないと組織は衰退する?
褒める文化が欠如すると、組織は徐々に衰退していきます。以下でその理由を具体的に見ていきましょう。
優秀な人材が育たない
褒める文化がない組織では、社員の努力や成果が適切に評価されず、モチベーションが低下します。
とくに優秀な人材は自らの努力が認められないと感じ、成長意欲を失います。その結果、組織内でのスキルや能力の向上が停滞し、全体の生産性が低下します。
帰属意識が失われ優秀な人材が流出する
褒められない環境では、社員の帰属意識が薄れます。自分の貢献が認められないと感じると、他の企業に目を向けるようになり、転職を考えるようになります。
とくに優秀な人材は、自らを正当に評価してくれる環境を求めて流出しやすくなります。これにより、組織は貴重な人材を失い、知識やスキルの継承が困難になるでしょう。
人材=事業の力、競争力が低下する
人材は組織の重要な資産であり、彼らの力が事業の競争力に直結します。褒める文化がないと、人材の能力が十分に発揮されません。新しいアイデアや改善提案も出にくくなり、市場での競争に負ける可能性も高まるでしょう。結果として、組織全体の業績が悪化し、長期的な成長が妨げられます。
以上のように、褒める文化を欠いた組織は優秀な人材を育てられず、流出を防げず、競争力が低下することで、衰退の一途をたどります。したがって、社員を適切に評価し、称賛する文化を積極的に取り入れることが不可欠と言えます。
褒める文化を根付かせる方法
組織に対して突然「良いことをしたら褒めていきましょう!」と伝えても、褒める文化が根付くとは考えづらいでしょう。
文化を醸成するためには、次のように一つずつステップを踏まなければなりません。
- 経営陣や部長・マネージャーから始める
- 褒める基準を明確にして用意する
- 褒める時は「すぐに」「全社員に見える形」で褒める
- サンクスカードなどのシステムを導入する
従業員は経営層や上司から認められたい!
従業員は経営層や上司からの認知を強く求めています。リーダーが率先して褒めることが、組織全体の称賛文化を育む第一歩です。
経営層や上司が日常的に部下の成果を評価し、感謝の言葉をかけることで、従業員のモチベーションが大幅に向上します。これにより、社員は自分の努力が認められていると実感し、さらに高い成果を目指すようになります。
褒める基準は低く設定する
次に必要なのは、褒める基準を設けることです。「小さな成果だけど褒めていいのかな?」「売上に関わる成果しかだめかな?」など、悩んで褒める機会が減ってしまうのはもったいないです。
「チームの人に手伝ってもらった」「目標達成会を企画・実施してくれた」など、チームや組織のためにしてくれたことは全て褒めるといったように基準を低く設定しましょう。
褒める時は“すぐ”に“みんなの前”で褒める
褒める時はすぐに、そしてぜひ全社員に見える形で発信できるようにしてください。あとで褒めようと思っていると「ちょっと時間経っちゃったしな……。」と機会を失ってしまうこともあります。
また、褒められる行いは全社にとってポジティブな情報であり、浸透してほしい取り組みや新しい気づき、発見にもつながりますので、積極的に共有しましょう。そのための機会を設けるのも一つの手です。
例えば、社内表彰は従業員を”みんなの前”で褒める絶好の機会です。月間MVPや優秀社員賞などを設け、定期的に全社員の前で表彰することで、称賛の効果が一層高まります。このような公の場での称賛は、受賞者だけでなく、他の社員にも良い影響を与え、全体の士気を高めます。
サンクスカードは日常的に褒めるきっかけ作り
サンクスカード制度は、日常的に感謝や称賛の気持ちを伝えるための効果的なツールです。社員が気軽にカードを書いて渡せるようにすることで、日常の小さな成功や努力も見逃さずに称賛する文化が醸成されます。
サンクスカードは形式張らず、気軽に使えるため、社員同士のコミュニケーションを活性化し、ポジティブな職場環境を作り出します。
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サンクスカードの活用方法と導入の効果
社内ポイント制度で褒める側にもメリットを
社内ポイント制度は、褒める行為自体にメリットを与える仕組みです。社員が他の社員を称賛するたびにポイントを獲得し、そのポイントを利用して報奨を受け取れるようにします。これにより、称賛が一方向ではなく、相互に行われるようになり、褒める文化が自然に根付くようになります。
また、ポイント制度を導入することで、褒める行為が一層奨励され、組織全体のエンゲージメント向上にもつながるでしょう。
▼貢献度を可視化させる社内ポイント・通貨の運用方法▼
社内ポイント施策の運用事例と解決できる三つの課題
称賛文化を取り入れたことで社内が活性化した事例
称賛文化の導入により、社内活性化に成功した企業事例を2社紹介します。
株式会社BP
株式会社BPでは、従業員の努力や成果が適切に評価されず、社員間の連帯感が不足し、退職者が増加していました。
この課題を解決するため、同社はTUNAGを導入し、サンクスカードや日報の運用を開始しました。アルバイトスタッフにはインフルエンサーを選任し、TUNAGの利用を促進しました。サンクスカード制度では、感謝のメッセージを送り合い、3カ月に一度の表彰式で優秀なスタッフを表彰しました。
TUNAG導入後、アルバイトの定着率は63%から93%に向上し、3カ月で300名のアルバイト採用を実現しました。採用コストも1人当たり1万円以下に抑えられ、社内の称賛が増え、組織全体のエンゲージメントが高まりました。
▶︎ アルバイト定着率が30%改善、3ヶ月で300名採用:BPが「友達に紹介したくなるバイト先」を作るまで
トランコムDS株式会社
トランコムDS株式会社は、運送業界特有の人手不足と高い離職率に悩んでいました。従来の減点方式の評価システムでは従業員の良い部分が見えづらく、モチベーションが低下していました。この課題を解決するために、TUNAGを導入し、従業員の頑張りを見える化する制度を導入しました。
TUNAG導入後、離職率は1割を下回り、従業員の感謝の言葉が増加し、モチベーションが向上しました。さらに、コロナ禍においても社長からのメッセージが直接従業員に届き、安心感を提供しました。結果として、職場全体の雰囲気が改善し、業務効率も向上しました。