日報が部門や店舗間のコミュニケーションを活性化する!正しい取り組み方と活用事例
日報は「面倒で従業員から嫌がられる業務報告」と思われていませんか?日報は適切に活用すれば、部門間や店舗間のコミュニケーションを活性化させ、組織全体の生産性向上につながる強力な武器となります。
本記事では、日報を通じてコミュニケーションを活性化させる方法や、その効果的な運用事例を紹介します。
働き方改革が進む今、改めて日報の可能性を探ってみましょう!
【時間がない方のためのポイントまとめ!】
- 情報共有だけでなく、価値観や問題の解決策も共有できる
- 日報の内容はシンプルにし、従業員の負担にならない頻度で習慣化
- プライバシーやセキュリティへの配慮に注意
日報を正しく運用するとコミュニケーションが活性化する!
日々の業務報告をするだけが日報の役割ではありません。ルールと運用方法次第で日報はコミュニケーションの活性化につながります。ここでは、改めて日報の持つ可能性について考えてみましょう。
情報共有と透明性の向上は「信頼の構築」につながる
日本企業の課題として「縦割り組織」がたびたび指摘されます。縦割り組織は、各部門間の強度を高める利点がある反面、横のつながりが薄れ、時に情報が閉鎖的になってしまうこともあります。
他の部署が何をしているのか分からない状態は、組織として危険です。「あの部署はちゃんと仕事しているのか?「この件、共有受けてないです!」といった、軋轢を生んでしまうかもしれません。
日報は、この縦割り組織の壁を取り払う効果があるのです。
日々取り組んでいる業務内容や目標数値に対しての達成度の共有、問題が発生した時にどのように対処したかなど、他部門の状況が見えるようになります。
状況が可視化されることで「あの部署はこんなことを頑張っているのか」と見えないことによる信頼性の低下を防ぎ、「ここはうちの部署と連携したほうが良いな」など、課題解決のスピードや生産性の向上につながっていきます。
ここで大事なのは「ただ日報を書くだけでは意味はなく、部門間で読まれる状態を作ること」です。
他部署の業務や考えていることを共有できる
弊社、スタメンでも日報を運用しており、その目的は業務報告はもちろん組織全体のコミュニケーション活性化と従業員のエンゲージメントを高めるためです。
スタメンの日報は「読んでワクワクする日報」をコンセプトとしており、画一的なものではなく各チームの目標や課題に合わせて柔軟な設計にしています。
【スタメンで運用している日報の内容】
- 各部署や個人の目標進捗状況
- グラフや表などのキャプチャ
- 注力している施策の共有
- チャレンジしている取り組み
- 日報担当者の一言(ポエム)
上記の内容は決められた項目ではなく、各部で調整できるようになっています。また、毎日同じ担当者が日報を書くのではなく、チーム内のリレー形式で日報を書くようにしています。
これは運用負荷を下げることや部署・従業員同士の相互理解を深めるための工夫です。
そして日報はすべてオープンにし、コメントなどのリアクションができるようにすることで、より多部署の理解や交流が深まるような工夫もしています。
企業や組織体制によって最適な運用方法は異なりますが、せっかく取り組むのであれば「事業や従業員にとって意味のある運用」を考えましょう。
問題発見や解決策の共有は生産性を向上させる
日報のメリットは、情報共有による信頼の構築や相互理解だけではありません。日報を通じて、各現場で発生している問題の早期発見と迅速な解決にもつながります。
部門を超えて情報共有されることによって、さまざまな視点から解決の糸口が見つかることもありますし、起きてしまった問題と解決方法を共有することで、全社を通して再発防止にもなります。
社会に出た方達は何度も聞いたであろう「報連相(報告・連絡・相談)」を、より効果的に行うのが日報の役割でもあるのです。
コミュニケーションを活性化させる日報運用ルール
日報を効果的に活用し、コミュニケーションを活性化させるためには、いくつかのルールを設定することが重要です。主に、コミュニケーションを活性化させることを目的とした日報の運用ルールを紹介しましょう。
日報の目的を伝え、まずは習慣化を意識する
日報を始める際には、目的と実施するメリットを伝えましょう。先述した信頼の構築・情報共有と問題解決など、従業員が取り組む意義を伝えなければ、意欲的に取り組んではくれません。
そして、日報の効果を最大限に引き出すためには、まず習慣化することが重要です。
日報は情報の蓄積です。「継続は力なり」という言葉がある通り、続けること自体が最大の効果を生み出す方法となります。
しかし、日報の効果が出るまでは習慣化させるのは難しいものです。まずは毎日決まった時間に日報を書くように時間をとってみてはいかがでしょうか。
たとえば、「朝会」や「夕会」の文化がある企業であれば、それらの直後に日報を書く時間を設けるのも良いでしょう。最初は5分程度の簡単な内容から始め、徐々に充実させていくのがコツです。
内容はシンプルでわかりやすく
日報の内容は、誰が読んでもすぐに理解できるよう、シンプルにすることが大切です。
「本日の成果」「明日の目標」「気づいた点」などの項目を設け、それぞれ「結論・理由・具体的なアクション」と3行程度で簡潔に記載しましょう。自由に書いてもらうよりも、決まった項目と書き方がある方が、書く側・読む側両者にとってわかりやすい日報となります。具体的な目標や進捗数値を入れるのも、ポイントです。
また、日報を書くときは、日本語特有の婉曲的な表現は避けて、直接的かつ明確な言葉を使うようにしましょう。
ポジティブなコメントで交流を深める
日報へのリアクションやコメントは、ポジティブな内容を心がけましょう。
例えば、「ナイスアクション!」「そのアイデアは面白いね!」といった称賛や励ましの言葉、「〇〇さんの経験が参考になりそうです」といった具体的なアドバイスを送ることで、コミュニケーションが活性化します。
根拠のない批判や他者を貶めるような内容は絶対にNGです。日報を書く側にとってはもちろん、読む側にとっても建設的な取り組みになるようなルールにしましょう。
さらに効果的な日報作成三つのポイント
日報を単なる業務報告で終わらせず、コミュニケーションツールとして最大限に活用するためには、より効果的な作成方法を知る必要があります。「読み手に伝わる日報作成のポイント」を三つ紹介しましょう!
目的と読み手を意識した構成
日報を書く際は、その目的と読み手を明確に意識することが大切です。上司や同僚、さらには他部署の人々が日報を読む可能性がありますので、それぞれの立場で必要な情報は何か、を考えて構成を組み立てましょう。
例えば、上司向けには進捗状況や課題を中心に、同僚向けには協力が必要な点や共有したい気づきを、他部署向けには自部署の状況が全体にどう影響するかを記述するなど、読み手に応じて重点を置く部分を変えるのも良いでしょう。
数値データと具体例の活用
抽象的な表現だけでなく、具体的な数値データや事例を盛り込むことで、日報の説得力と有用性が高まります。
重要なのは「事実に基づいた報告」です。
例えば具体的には「今日は忙しかった」ではなく、「来客数が前日比120%で、特に14時から16時の間は常に満席だった」というように、具体的な数字や状況を示すことで、読み手の理解が深まります。
曖昧な報告で済ませず、数値で示す習慣をつけましょう。その上で、お客様の声や同僚との会話など、印象に残った具体例を記述することで、より臨場感のある報告になります。
アクションプランの明確化
日報の最後には、次のアクションプランを明確に記述することもおすすめです。結果や数値の共有だけではなく、そこから何をするのか明確にしましょう。
「来客数が前日比120%」「14時〜16時は常に満席だった」のなら、何が原因だったのか、次はどうすれば良いのかを書きます。
毎週土曜日にその傾向があるのなら、「次の土曜日はスタッフの数を増やして対応する」「席の時間を決めて入れ替え性を検討したい」などです。
書き手は自身の業務改善や行動指針が明確になりますし、読み手は適切なサポートや助言を行いやすくなります。
日報のテンプレートを紹介
効果的日報作成するため、テンプレートをご紹介します。ぜひ各職種や企業の特性に合わせて、カスタマイズしてお使いください。
事務職のテンプレート
事務職向けの日報テンプレートでは、業務の進捗状況や課題、そして社内コミュニケーションの状況を効果的に共有することを目指します。
1.本日の主な業務内容(3点程度)
- 例:経費精算書類の処理→50件完了
- 例:部門会議の議事録作成と配布
2.達成できたこと
- 例:新しい文書管理システムの使用方法を3名の同僚に指導
3.明日の予定と目標
- 例:四半期報告書の下書き作成→15時までに完了予定
4.気づいた点・改善案
- 例:会議室の予約システムが使いにくいので、直感的なインターフェースに変更してはどうか
5.他部署や同僚とのコミュニケーション
- 例:営業部の田中さんと新規プロジェクトについて15分ほど情報交換
6.質問・相談事項
- 例:来週の部門会議の議題について、追加すべき項目はありますか?
このテンプレートを活用することで、日々の業務の可視化と、部署を超えたコミュニケーションの促進が期待できます。
また、改善案や質問事項を明記することで、上司や同僚からのフィードバックも得やすくなるでしょう。
営業職のテンプレート
営業職向けの日報テンプレートでは、顧客とのやり取りや成果、そして市場動向などの情報を効果的に共有することを目指します。
1.本日の活動概要
- 商談件数:5件
- 訪問件数:2件
- 移動時間:3時間
2.主な商談内容
- A社 営業部長面談
- 提案内容:新製品Xの導入について
- 反応:前向きだが、価格面で懸念あり
- 次のアクション:来週中に見積書を提出予定
- B社 初回商談
- 提案内容:課題のヒアリングとニーズの確認
- 反応:課題が明確であり取り組むべき方向性を固めた
- 次のアクション:再商談で弊社サービスの有用性を伝える
3. 売上実績
- 本日の新規売上:30万円
- 月累計:780万円(目標達成率78%)
4.市場動向・競合情報
- 競合B社が新サービスをリリース
- 差別化の資料が必要
5.明日の計画
- 訪問予定:3社(C社、D社、E社)
- 主な目標:C社との契約合意
6.気づき・提案
- 顧客からの問い合わせが多い機能について、説明資料の作成が必要
7.サポート要請
- E社との商談に技術担当者の同行を希望
営業活動の可視化と、顧客情報の共有が促進されます。また、市場動向や競合情報を共有することで、組織全体の戦略立案にも貢献できるでしょう。
日報をルール化するときの注意点
日報の導入は、組織のコミュニケーション活性化に大きな効果をもたらす一方で、適切なルール設定がなければ逆効果になる可能性もあります。ここでは、日報をルール化する際の注意点をご紹介しましょう。
負担にならない適切な頻度設定
日報の頻度設定は、業務の特性や組織の規模によって適切に判断する必要があります。毎日の日報が負担になり、本来の業務に支障をきたすようでは本末転倒です。
例えば、営業職では毎日の日報が有効かもしれませんが、長期プロジェクトに従事するエンジニアの場合、週報や隔日報の方が適している可能性があります。
また、日本企業では残業時間の削減が課題となっているので、日報作成が残業の原因とならないよう、業務時間内に記入できる簡潔な形式を心がけましょう。
「まずは部署内で持ち回りで担当する」1ヶ月間、毎日5分程度で書ける簡単な日報から始めてみませんか?」というように、段階的に導入することで、従業員の負担を軽減しつつ、習慣化を図ることがポイントです。
プライバシーとセキュリティへの配慮
日報には個人情報や機密情報が含まれる可能性があるため、適切な情報管理が不可欠です。日本では個人情報保護法が厳格に運用されていますので、特に注意が必要です。
例えば、顧客の個人名や具体的な金額などの機密情報は日報に記載しない、あるいは特定の権限を持つ人のみがアクセスできるようにするなどの対策が考えられます。
また、クラウドサービスを利用する場合は、データの保管場所や暗号化の状況などを確認し、社内の情報セキュリティポリシーに準拠しているか確認しましょう。
「お客様の個人情報や、社外秘の情報は日報に記載しないようにしましょう。不明な点があれば、上司に確認してくださいね。」というように、具体的なガイドラインを示すことが重要です。
フィードバックと改善のサイクル作り
日報の効果を最大化するためには、単に書くだけでなく、適切なフィードバックと継続的な改善が必要です。
内容や形式について、定期的に会社全体で振り返る機会を設けるのも良いでしょう。「今月の日報で特に参考になった点は何か」「日報を書くことで業務にどんな変化があったか」などを話し合うことで、日報の質を高めていくことができます。
また、上司や同僚からのコメントや質問を奨励し、日報を通じたコミュニケーションを双方向のものにすることも大切です。
「明日は〇〇さんの日報にコメントしてみましょう。きっと新しい気づきがあるはずです。」というように、相互フィードバックを促すことで、組織全体のコミュニケーション活性化につながります。
日報でコミュニケーションが活性化!TUNAGの事例を紹介
さまざまな組織課題を解決するオールインワンプラットフォームの「TUNAG(ツナグ)」上で、日報を活用して店舗間のコミュニケーションを活性化させている企業の事例を紹介します。日報がどのようにコミュニケーション改善に貢献しているのか、ぜひ参考にしてください。
株式会社山梅
株式会社山梅様は、樹木生産、造園工事、緑地のメンテナンスなどの総合造園業を営んでいます。同社では、社内コミュニケーションのタイムラグや、重要情報がストックできないことを課題に感じてTUNAGを導入したという経緯があります。
業務日報を運用する中で、リアルタイムに閲覧やコメントできないことに課題を感じていましたが、TUNAGを導入後、スマホで見られてコメントもすぐでき、リアルタイムでやり取りが可能になりました。
日報を通じて社員同士のコミュニケーションが取りやすくなったことや、優れた取り組みが全社で共有されることで、店舗間の横のつながりが強化され、企業全体の一体感が醸成されています。
▼株式会社山梅様の事例記事はこちら▼
リアルタイムのコミュニケーションをアプリで実現。業務日誌や部署間交流で「社員の喜び」をつくる
株式会社ピーアンドエム
レディースファッションのアパレル事業部(40店舗)、インポート寝具のリビング事業部(7店舗)を展開する株式会社ピーアンドエム様では、TUNAGの日報機能を活用して数値に対する意識や店舗状況への意識を高めています。
日報で前日の営業内容を共有することで、翌日の朝礼の時間を短くでき、1店舗あたり月に150分ほど業務時間が短縮できたことも取りあげられています。
日報を通じて情報共有が素早く的確になったことで、コミュニケーションが円滑になったことや、業務効率化が進みました。
▼株式会社ピーアンドエム様の事例記事はこちら▼
情報共有から帰属意識の醸成まで、TUNAGに一本化:ピーアンドエムが挑むコミュニケーション改革
日報で組織のコミュニケーションを活性化させよう
日報は単なる業務報告のツールではなく、組織全体の情報共有と相互理解を促進する強力な手段となり得ます。
ただし、日報を組織に習慣づけるには、従業員の負担にならない頻度設定をし、自社の状況に合わせた効果的な日報運用をしなければなりません。また先述した通り、日報は書くだけでは意味がなく、読んでもらえなければその効果を発揮しないものです。
運用が手軽であり、紙ではなくオンラインで共有できる日報ツールの選定も大切なポイントです。
「TUNAG」は、パソコンからだけでなく、スマホからでもお手軽に日報を作成でき、コメントやリアクションを送ることができます。
日報を生かしたコミュニケーションやDXの推進を検討している場合、「TUNAG」を活用してみてはいかがでしょうか?