プロパー社員の強みや課題を解説。中途社員も納得できる職場づくりはどうする?

プロパー社員が長年支えてきた組織では、新しく入った社員が「なじめない」「意見が通らない」と感じ、早期に離職してしまうという課題を抱える企業もあるのではないでしょうか。プロパー社員の特徴やメリット・デメリット、中途社員も納得して働ける職場のつくり方を解説します。

プロパー社員の定義

「プロパー社員」という言葉の定義は、企業によって異なります。定義の一例は次の通りです。

  • 新卒で入社した生え抜きの正社員(中途入社と区別)
  • 正社員(アルバイトやパート・派遣などの非正規雇用と区別)
  • 自社で雇用した従業員(アルバイトやパートも含む、派遣や他社からの出向社員と区別)

このように複数ある定義のうち、この記事では「中途入社ではなく、新卒から育成された生え抜きの正社員」を「プロパー社員」として解説していきます。中途入社の従業員と生え抜きの正社員の間に壁を感じている、衝突に悩んでいるという企業は参考にしてみてください。

企業から見たプロパー社員のメリット・デメリット

プロパー社員は、企業にとって良い影響をもたらす要素も多々ある一方、悪影響を与えるケースもあります。企業から見たプロパー社員のメリット・デメリットを理解し、自社の課題解決に役立てましょう。

プロパー社員のメリット

プロパー社員は、新卒で入社して以降ずっと同じ企業(組織)で働いている従業員です。同じ会社で働いていることによって、企業にもたらすメリットは何でしょうか。

組織の一体感に貢献しやすい

プロパー社員は新卒から一貫して同じ企業で働いているため、企業理念や文化を深く理解し、共有する傾向があります。また、同期や先輩後輩との強固な人間関係を築きやすく、部署を超えた連携や調整がスムーズという点も強みです。

プロパー社員は退職せず働いていることから、エンゲージメントも高いと考えられます。長期的な視点での安定した業務遂行が可能であり、組織全体の一体感に貢献するでしょう。

蓄積されたスキルや信頼を持つ

プロパー社員(特に勤続年数が長い従業員)は長年の勤務を通じて、業務に必要なスキルやノウハウを蓄積しています。企業にとっては、安定したパフォーマンスを期待できる貴重な人材です。

プロパー社員は社内に強固な人脈や信頼関係を築いており、重要なプロジェクトやポジションに任命しやすいというメリットもあります。過去の情報に明るいため、それまでの取り組みや企業の歩みを踏まえて、適正な判断ができる可能性が高いと考えられます。

プロパー社員のデメリット

一つの組織で働いてきたことで、プロパー社員が企業にもたらすメリットは多くあります。半面、一つの組織での経験しかないが故の弱みがあるのも事実です。企業から見たプロパー社員のデメリットも把握しておくことで、人事課題が解決しやすくなります。

組織の新陳代謝を妨げる場合がある

プロパー社員は、同じ企業の文化ややり方に満足している場合が多いでしょう。そのため、新しい価値観・チャレンジといった変化に抵抗感を持つことがあります。

プロパー社員の反対により、外部からの新しい視点やアイデアを受け入れにくくなると、組織の柔軟性や革新性を損なう事態に陥りかねません。結果として組織全体の新陳代謝が停滞し、競争力の低下を招く可能性があります。

中途社員の活躍や定着を阻む可能性も

中途入社の従業員とプロパー社員が共に働く現場は多いでしょう。このような環境では、プロパー社員が築いた社内の人脈や文化が中途社員にとって壁となり、孤立感を与えることがあります。

また、評価や昇進の基準が曖昧な場合、中途入社の従業員から「プロパー社員が優遇されているのではないか」という疑念を持たれがちです。中には実際にプロパー社員というだけで優遇されているケースもあり、中途社員のモチベーション低下や離職につながることも少なくありません。

プロパー社員が築いた人脈や文化は、確かに企業が尊重すべき財産です。一方、それによって多様な人材の活躍や定着が難しくなり、組織の多様性や柔軟性が損なわれるリスクも考えましょう。

プロパー社員と中途社員の分断が起こる理由

プロパー社員と中途社員の分断により、中途社員が離れてしまうという課題を抱える企業もあるのではないでしょうか。その根本原因は「プロパー社員の存在」ではありません。企業としての労働環境や働き方、制度に問題がある可能性もあります。

評価や昇進ルールが不透明

評価や昇進の基準が明確でない場合、従業員間で不公平感が生まれ、特に中途社員の不満が高まります。実際にプロパー社員が優遇される傾向があると、中途社員のモチベーション低下や離職につながるでしょう。

企業には、透明性のある評価制度を導入し、従業員全員に明確に周知する取り組みが求められます。プロパー社員も中途入社の従業員も、評価制度が公平で明確なものであれば、待遇に納得しやすいはずです。

暗黙知・既存人脈の壁がある

プロパー社員が持つ業務の進め方や社内ルールなどの暗黙知は、中途社員には共有されにくい傾向にあります。既存の人脈やネットワークが広い情報共有を阻み、中途社員の参画を妨げるケースも少なくありません。

結果として中途入社の従業員が孤立してしまうケースが見られます。暗黙知や既存人脈の壁を取り払う仕組みがなければ、せっかく採用した中途採用の従業員が実力を発揮できず、組織に定着しなくなってしまうでしょう。

組織内の固定観念が強い

特にプロパー社員が多数を占める組織では、従来のやり方や価値観が強く根付いています。新しいアイデアや変革が受け入れられにくいため、中途入社の従業員が有益な提案や意見を発信しても軽視されがちです。

他社で得た経験から有益だと思って発信したことが受け入れられなければ、中途入社の従業員のモチベーションは下がるでしょう。せっかく大きな利益をもたらす提案が出たにもかかわらず、プロパー社員の反対でその案が却下されてしまうのは、企業にとって大きな痛手です。

多様性を尊重し柔軟な組織文化を醸成することが、変化に対応しながら利益を生み出せる組織づくりにつながります。

TUNAGで解消するプロパー社員と中途社員の分断

プロパー社員と中途入社の従業員の間に分断が起こっていると感じる場合、TUNAGのように情報共有やコミュニケーションの活性化を促すツールを活用するのも選択肢です。一例として、TUNAGを導入すると、どのように分断の解消につながるのかをご紹介します。

社内マニュアルで評価基準をいつでも見られるよう明示

TUNAGには、マニュアル作成機能があり、評価制度や昇進基準などの重要情報をマニュアル化することで、従業員がいつでも確認できる状態をつくることが可能です。

また、社内ポイントによる表彰や、経営者のメッセージを社内SNSで発信することで、どのような社員の言動が評価されるのかが明確化されます。

評価基準の透明性を高めることで、プロパー社員と中途入社の従業員間の不公平感を解消し、納得感のある評価が実現します。特に中途入社の従業員にとって、評価基準の明確化はモチベーション向上や定着率の改善につながるでしょう。

ナレッジ共有の機能でプロパー社員の暗黙知を共有

TUNAGは、ナレッジ共有が可能な機能(日報や制度一覧など)も備えたツールです。ナレッジ共有を促進する機能を活用すれば、プロパー社員が持つ業務ノウハウや社内ルールなどの暗黙知を可視化・共有できます。

暗黙知となっていたノウハウやルールが可視化されれば、中途入社の従業員も「聞ける雰囲気がない」という問題を気にせず、迅速に業務に適応できるようになります。ナレッジの共有が組織として定着すれば、自然と聞きにくい雰囲気も軽減していくはずです。

社内チャットやリアクション機能で固定概念を減らしていく

TUNAGの「社内チャット」や「リアクション機能」を使えば、日々のコミュニケーションを可視化・蓄積できます。形式的な会議だけでは見えにくい関係性の質を高めやすいのがメリットです。

プロパー社員も中途入社の従業員も、社内チャットを通じて日常的に多様な立場のメンバーと対話する中で、無意識のバイアスや思い込みに気づくきっかけを得られます。言葉で伝えるのが苦手でも、リアクション機能なら非言語的なフィードバックが可能です。

共感や賛同を可視化することで、意見発信への心理的ハードルが下がり、誰もが声を上げやすい環境につながります。多様な意見や視点がやりとりされる状態ができれば、メンバー1人ひとりが組織の中で「自分らしさ」を出せる風土が育ち、固定観念にとらわれない柔軟な組織文化が実現するでしょう。

プロパー社員以外も納得して働ける環境へ

ほかにも定義はありますが、プロパー社員は新卒で入社した生え抜きの正社員です。同じ組織で長く働いているため、組織の一体感に貢献したり蓄積した自社でのノウハウを生かせたりと多くの強みがあります。

一方、新たなアイデアを受け入れにくかったり暗黙知が多くなって中途入社の従業員の定着を妨げたりと、企業にとって見逃せないマイナス面もあります。ただ、これはプロパー社員に問題があるというより、仕組みの問題であるケースが大半です。

組織全体で情報共有やコミュニケーションの活性化に取り組めるツールの活用も検討しながら、プロパー社員以外のメンバーも納得できる環境を目指しましょう。

TUNAGについてもっと知りたい方はこちら

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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