OKRとは?その効果と運用方法、有名企業が取り入れるツール8選
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OKRとは
従業員が同じ方向を目指し管理するオペレーション手法
OKRとは[Object and Key Results]の略称で、目標設定や管理手法の一つです。 今までの計画方法よりも多い頻度で設定や追跡、再評価をするところに特徴があります。OKRの最終的な目的は、全従業員が同じ方向を目指し、的確な優先順位をつけ、一定のペースで計画を遂行することです。 従来のMBOなどの管理手法では目標と報酬が結びついているケースが多いため、管理職を含む社員の目標設定が達成しやすい目標を設定するなど、うまく機能しないことがあります。結果、企業の業績が低迷してしまうことも。 その点OKRでは、報酬制度とは結びつかず、企業が業績を伸ばすための大きな目標を達成することに重きを置いています。KPIとの違い
OKRと似た手法でKPIがありますが、KPIは[Key Performance Indicater]の略称で、「業績管理指標」を意味します。 KPIは、日本でもこれまで多くの企業で実施されてきた手法で、会社を経営していく上での目標値を、各部門が「目標達成のためのプロセスが適切に管理・遂行できているか」を判断する指標です。指標管理という点では、OKRとKPIは似ているようで、実は正反対の性質を持っています。 KPIは各部門ごとで判断していた指標にすぎませんが、一方でOKRは全社レベルでの判断指標となります。KPIはトップダウンで実行され、与えられたミッションを、メンバーが実直に遂行し、期末までに完結します。よって「上司の指示に従う」という意識が強いです。 一方でOKRは、上司とのコミュニケーションが密に取られ、全社が掲げるミッション、経営理念、今期のOKRに対して「あなたならどうしますか?」と問いかけに対して部下はどのようにミッションに貢献できるかを上司と話し合い、決めていきます。MBO(目標管理)との違い
もう一つの管理手法として、現在でも多くの企業で採用されているのがMBOです。MBOは、個別または所属するグループごとに目標を設定し、それに対する達成度合いを評価する仕組みです。 本来は上司が部下をマネージメントする仕組みのことを指しますが、一般的に評価手法として捉えられることが多くあります。MBOは個人で目標を設定し、それが評価や報酬にも直結するため上司とメンバー間にクローズで扱われています。 一方、OKRでは会社・チーム・個人と直結しているためオープンに扱われます。 なおGoogleの場合、経営トップを含む全従業員が四半期ごとにOKRを更新し、イントラで共有する運用をしています。経営陣や各事業責任者が全社ミーティングで会社として設定したOKRに基づいた議論しています。 そうすることで、全社員が全社の方向性を再確認し、優先事項を認識する事ができているそうです。結果的に全社員を同じ方向で舵を切る事ができる点に大きなメリットがあります。注目される背景
GoogleやFacebookなどグローバル企業が導入
OKRはアメリカのインテル社で誕生し、google、Uber、Twitter、Oracleなどのシリコンバレーの先端企業でも取り入れられ、近年注目を浴びている管理手法です。 また、日本でも急成長を遂げたメルカリやsansanなどでも既に導入されており、一定の成果をあげているとも言われています。OKRを取り入れるメリットや効果
自分の目標と会社の目標がリンクし、立ち位置が明確になる
OKRのメリットとして、具体的には・全社目標を達成するために、今自分がすべき事を把握できる ・目標をオープン化することで、全社的な横の繋がりも増え、社員間でのコミュニケーションや協力体制が促される ・やるべき事が明確になるため、優先順位を間違わないで今すべき事が明示的になる ・定期的に振り返りをするため、経済動向などの外的要因にも柔軟に対応しやすいなどが挙げられます。 OKRの目標設定サイクルは1ヶ月〜四半期程度とされているため、フレキシブルに調整・変更が可能となります。そのため全社視点で考えてもリスクやムダが軽減されます。 また企業への貢献度も明示的になるため従業員一人一人が効果を実感しやすく、より高いレベルの目標を達成する事にも繋がります。 googleがOKR導入で成功した要因の一つに、部下がミーティングのアジェンダを用意するという点があげられています。KPIはトップダウンで上司が進行をリードしますが、OKRでは、ミーティングは部下が行動するために設けられる時間ですので、議題づくりは部下が行うのが通常です。 このように、OKRを通じて主体的に行動できる人材へと成長を促す機会にも繋がっているのです。
OKRの設定・運用手法
OKRはObjective[目標]とKey Results[成果指標]に分けられます。1.[目標]を設定する
目標を立てる際は、以下の項目に注意します。・「野心的」な目標を設定する事 ・期限が明確である事 ・定量的である必要性はなく、定性的な設定でも可能 ・会社の目標や他チームとの整合性がとれているまた設定数の目安としては3〜5個程度が良いでしょう。 またOKRには企業OKR、部門OKR、個人OKRなどがあり、トップダウンで決める前に、各マネージャーやメンバーからのボトムアップで決めていく事が望ましいともいわれています。 企業OKRに関してはトップダウンで遂行している企業もあるようです。
2.[成果指標]を設定する
成果指標は以下のように設定すると良いでしょう。・成果指標は定量的かつ測定可能な指標(納期や売上額、パーセンテージなど)でなければならない ・やや達成困難なもの(普通にできれば70%達成になる程度の難易度) ・自分でコントロール可能なもの ・1つのOに対し、3〜4のKR「少し難しいが手を抜かずの努力すれば達成できる」などの水準がストレッチがかかった望ましい目標とされています。 また簡単に達成できてしまうKRではスキルアップには繋がらないため、スキルを客観視して程よいレベル感のものにしましょう。