働きやすい職場づくりに必須の取り組みとは?成功事例も紹介
現代のビジネス環境において、働きやすい職場をつくることは、従業員の満足度向上や生産性の向上に直結する重要な課題です。多様化する働き方や価値観に対応するためには、企業としての柔軟な姿勢が求められます。本記事では、働きやすい職場を実現するために欠かせない取り組みについて解説するとともに、働きやすい職場づくりに成功した企業事例も紹介します。
「働きがい」と「働きやすさ」が従業員の意欲・定着、会社の業績に与える影響
「働きがい」や「働きやすさ」を従業員が感じられる職場環境は、その企業全体のパフォーマンスに大きな影響を与えることが明らかになっています。以下では、厚生労働省が公表した調査結果をもとに、それらが従業員の意欲や定着、さらに会社の業績にどのように結びついているかを具体的に説明します。
参考:働きやすい・働きがいのある 職場づくりに関する調査 報告書|厚生労働省
従業員の意欲への影響
「働きがい」や「働きやすさ」があると回答した従業員の仕事に対する意欲は、ないと感じる従業員と比べて明らかに高い傾向があります。調査によると、「働きがいがある」と回答した群では、意欲が「高い」または「どちらかといえば高い」と感じている割合が84.2%に達しています。一方、「働きがいがない」と感じる群では27.5%に留まり、その差は非常に大きいことがわかります。
また、「働きやすさ」についても同様の傾向が見られます。「働きやすい」と回答した群では72.2%が意欲が高いと答えたのに対し、「働きやすくない」と感じる群では31.3%に留まりました。このことから、職場環境の整備が従業員のモチベーション向上に直接つながることが示されています。
従業員の定着への影響
「働きがい」や「働きやすさ」を感じる従業員は、現在の職場に長く留まりたいと考える割合が高いことが調査結果から明らかになっています。「今の会社でずっと働き続けたい」と回答した割合は、「働きがいがある」と答えた群では50.7%、「働きやすい」と答えた群では44.4%となっています。一方で、「働きがいがない」群や「働きやすくない」群では、それぞれ11.4%と10.4%に留まり、定着意識の違いが顕著です。
さらに、職場で同僚の離転職が少ないと感じている割合も、「働きがいがある」「働きやすい」群では約50%を超えており、従業員間の安定した環境が企業全体の人材維持に寄与していることがうかがえます。
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会社の業績への影響
従業員が「働きがい」や「働きやすさ」を感じられる職場では、会社の業績が向上していると感じている割合も高い傾向にあります。「働きがいがある」群では48.0%、「働きやすい」群では44.8%が会社の業績が上がっていると回答しました。一方で、「働きがいがない」群や「働きやすくない」群では、それぞれ30.3%と30.6%に留まり、職場環境と業績の関係性が浮き彫りとなっています。
働きやすい職場づくりで必要な取り組み
働きやすい職場をつくるために必要な取り組みを把握し、可能な範囲で自社に合った施策を講じていきましょう。
快適なオフィス環境に整備する
オフィス環境を物理的に整備すれば、機能面が改善され働きやすい職場になります。古い設備を新調したり、汚れたままの場所をきれいに掃除したりすることが重要です。
また、照明や壁紙を明るい雰囲気のものに変えると、ポジティブな気持ちで働けるようになるでしょう。騒音が気になる従業員が多い場合は、遮音対策を施すのもおすすめです。
固定席を設けないフリーアドレスも、働きやすい職場につながる可能性があります。ただし、フリーアドレスが向かないケースもあるため、導入を検討するなら従業員の意見を聞く必要があるでしょう。
ワークライフバランスを推進する
ワークライフバランスとは、仕事とプライベートのバランスが取れている状態のことです。近年は労働条件以上にワークライフバランスを重視する人が増えています。
ワークライフバランスを推進するための主なポイントは、多様な働き方を認めることと、残業や休日出勤の削減に努めることです。働き方改革を推進すれば、これらの改善にもつながりやすくなります。
テレワークやフレックスタイム制を導入したり、有給休暇の取得を促進したりすることで、ワークライフバランスの実現を図れます。具体的な取り組みを社外にアピールすれば、多様な人材の採用にもつながるでしょう。
関連記事:ワークライフバランスを向上させるには?企業が抱える課題と解決策を紹介
福利厚生を充実させる
福利厚生の充実は即効性が高い上、継続的な効果も期待できる施策です。従業員の経済的な負担が軽減され、安心して働ける職場環境が整備されます。
福利厚生の具体例は以下の通りです。
- 通勤手当
- 食事補助
- 健康診断
- 住宅に関する補助
- 慶弔や災害に関する補助
- 自己啓発に関する補助
- 子育てに関する補助
- レクリエーション
- 社員旅行
自社での導入が難しい場合は、代行サービスの利用を検討してみましょう。
評価制度や教育制度を見直す
従業員の納得感が低い評価制度は、モチベーションの低下を招きかねません。「成果に見合った報酬を得られていない」「上司の主観が反映されている」といった評価になっているなら、適切な評価制度に見直す必要があります。
また、教育制度を整備することも重要です。人材育成や社員教育を重視している企業では、従業員が「自分たちのことを大切に思っている」と感じやすくなり、従業員エンゲージメントの向上につながります。
教育制度を充実させれば従業員のスキルアップも図れるため、結果的に企業の売り上げアップも期待できるでしょう。
社内コミュニケーションを活性化させる
コミュニケーションを取りにくい職場は、自分の意見を発言しにくい雰囲気になるため、働きにくさを感じやすくなります。周囲との会話が少ないと人間関係も悪化しやすくなるでしょう。
働きやすい職場づくりでは、社内コミュニケーションを活性化させる施策が不可欠です。チャットツールの導入やWeb会議システムの活用により、スムーズなコミュニケーションが実現しやすくなります。
また、社内イベントを開催したりカフェエリアを設置したりして、従業員同士が気軽に交流できる機会を増やすのもおすすめです。部署を超えた交流にもつながるでしょう。
DXを推進する
DXとは、デジタル技術を用いて変革を起こし、自社の競争力を高めることです。DX推進の過程で導入するデジタルツールにより、業務効率の大幅な改善を図れます。
例えば、今までワークフローを紙の書類で行っていた場合、デジタルツールを使えばワークフローを電子化することが可能です。申請・承認業務の停滞が解消されるため、ストレスの大きな軽減につながるでしょう。
DXでさまざまな業務を自動化・効率化すれば、働きやすい職場の実現に近づきます。業務負担が減ることで人手不足の解消を期待できる点もポイントです。
TUNAGによる働きやすい職場づくりの成功事例
DXの推進で働きやすい職場づくりを図るなら、エンゲージメント向上プラットフォーム「TUNAG」の導入がおすすめです。TUNAGで働きやすい職場づくりに成功した事例を見ていきましょう。
円滑なコミュニケーションを実現「三井ホーム株式会社」
三井ホーム株式会社は、不動産関連事業を展開する企業です。効率的な情報伝達を行えないことに課題を抱えていたため、課題解消のためにTUNAGを導入しました。
社内チャット・社内掲示板・日報など、TUNAGにはコミュニケーションの活性化につながるさまざまな機能が搭載されています。三井ホーム株式会社ではTUNAGの導入後に社内コミュニケーションが促進され、部門全体における情報の可視化に成功しています。
また、褒め合う文化が醸成されるサンクスカード機能を活用している点もポイントです。サンクスメッセージのやりとりが多い拠点ほど、営業成績も向上しているそうです。
出典:三井ホームの現場組織DX。お客様対応の品質向上を目指し、社員同士の連携やコミュニケーションを強化 | TUNAG(ツナグ)
独自システムで福利厚生を充実「スーパーサンシ株式会社」
複数のスーパーを運営しているスーパーサンシ株式会社は、情報共有が徹底されない問題を解決するシステムとして、TUNAGを導入しています。TUNAGの一斉送信機能を活用し始めたところ、2,000人超の従業員一人ひとりに、情報を直接届けられるようになりました。
また、独自の福利厚生システムとTUNAGを結びつけ、システムをより使いやすい形に改善しています。既に福利厚生制度を設けている企業は、スーパーサンシ株式会社の活用方法が参考になるでしょう。
出典:従業員ファーストを実現するため、TUNAGを運用しながら社内制度をブラッシュアップ | TUNAG(ツナグ)
働きやすい職場づくりに取り組もう
働きやすい職場では従業員エンゲージメントの向上を期待できます。業務へのモチベーションが上がりやすくなり、生産性の向上につながるでしょう。離職率の改善を図れることもメリットです。
働きやすさを実現するための取り組みには、ワークライフバランスの推進や福利厚生の充実、社内コミュニケーションの活性化などがあります。自社に足りないと感じる部分から取り組みに着手し、働きやすい職場づくりを進めていきましょう。