今更聞けないアジェンダの基本。レジュメとの違いや書き方のポイントなどを解説

「アジェンダ」はビジネスシーンで頻繁に使われますが、「レジュメ」や「議事録」と混同したり、使い方に戸惑ったりする方も多いでしょう。この機会に正しい意味や、効果的な作成方法などを理解しておきましょう。アジェンダを作成する際の注意点とともに解説します。

アジェンダとは何か?

アジェンダとは一般的に、会議における議題・目的・時間配分などを、事前に共有したものです。元々はラテン語で「実行すべき事柄」を意味し、ビジネスシーンでよく使われるようになり、日本にも浸透しました。

まずは、アジェンダの意味を正しく理解するとともに、レジュメや議事録との違いについて、確認しておきましょう。

アジェンダの意味や使い方

アジェンダは「実施計画」や「協議事項」などと訳されますが、ビジネスシーンでは主に、会議のタイムテーブルの意味で使われています。開催日時や場所・参加者に加えて、各議題の所要時間なども明記したものです。

例えば「来週の会議のアジェンダを共有します」のように、事前の配布・共有を前提とした使い方が一般的で、参加者の準備を促す役割を持っています。特に、複数の部門・部署が関わる会議では、互いの認識のズレを防ぐ重要な役割を持っています。

アジェンダとレジュメ・議事録との違い

アジェンダと混同されやすい言葉に、レジュメや議事録があります。アジェンダが「これから何を話し合うか」を示す会議の予定表であるのに対し、レジュメは発表者が話す内容を簡潔にまとめた資料であり、主に聴衆の理解を助ける目的で使用されます。

つまり、アジェンダが「これから何を話し合うか」を示す会議の予定表であるのに対し、レジュメは、発表者が話す内容の要約です。発表者が自分の発表内容を要約した資料であり、聴衆の理解を助けるために用いられます。

また、議事録は会議の内容をまとめた資料です。会議終了後に作成され、決定した事項や重要な発言、次回への課題などを記載します。会議の種類や目的に応じて、それぞれの役割を正しく理解し、適切に使い分ける必要があります。

アジェンダが必要とされる理由

アジェンダは主に、会議の生産性を高めるために必要とされています。議題が事前に明示されていなければ、話が脱線しやすくなり、限られた時間内で結論を出すのが難しくなるためです。アジェンダを用意しておけば、参加者が準備すべき内容を把握でき、会議中の発言や判断がスムーズになります。

また、それぞれの議題にかける時間があらかじめ示されていれば、進行役もタイムマネジメントがしやすくなるでしょう。特に、複数の部門・部署や関係者が関わる場合、ある程度の共通認識を持って会議に臨むためにも、アジェンダは欠かせない資料です。

アジェンダに盛り込むべき項目は?

アジェンダは、ただ議題を並べただけの表ではありません。議論の順序や時間配分、必要な資料や担当者の明示などにより、会議の進行がスムーズになります。アジェンダに盛り込むべき項目として、具体的な記載事項を確認しておきましょう。

一般的なアジェンダの記載事項

効果的なアジェンダには会議を円滑に進めるために、以下の項目を含めるのが一般的です。

  • 会議名・日時・場所(参加者がスムーズに集合できるよう明確にする)
  • 会議の目的・背景(開催の理由や課題を簡潔に伝える)
  • 議題一覧(話し合うテーマとその順番を明記する)
  • 各議題の所要時間(効率的に進行するための時間配分)
  • 担当者・報告者(発表や議論を主導する人物を記載)

こうした項目を押さえることで、参加者は会議の準備がしやすくなり、スムーズに進行できるようになります。内容がシンプルでも構わないため、伝えるべき要素を過不足なく盛り込むようにしましょう。

アジェンダを効果的に作成するためのポイント

会議の目的を達成し、参加者全員の時間を有効に使うためには、きちんとポイントを押さえたアジェンダが必要です。以下の点を意識しながら、実際の会議で活用しやすいアジェンダを作成しましょう。

会議の目的を明確にする

アジェンダを作成する際にまず必要なのは、その会議を何のために開催するのか、明確にすることです。目的が曖昧なままでは、議題も散漫になる傾向があるため、結論の出ない話し合いに終始する可能性があるので注意しましょう。

例えば、新規プロジェクトの進捗確認や課題の共有、意思決定のための議論など、目的によって必要な議題の種類や進め方が変わってきます。目的が共有されていれば、参加者も必要な情報や意見を事前に整理しやすくなります。

アジェンダの冒頭に簡単に会議の目的を明示し、それに沿って議題が並んでいることを、参加者が確認できるようにしておきましょう。

会議ごとに時間配分を工夫する

限られた時間で多くの議題を扱う会議の場合、各議題の所要時間をあらかじめ設定することが重要です。アジェンダに目安の時間を記載すれば、進行役はタイムマネジメントがしやすくなり、議論が脇道にそれたり、特定の議題に時間を取られ過ぎたりする事態を防げます。

議題によっては5分で済むものもあれば、複数の部署が関与するために、30分を要するものもあるでしょう。全てを一律に並べるのではなく、議題の重要度や難易度、発言者の人数などを加味して柔軟に時間配分を考えることが大事です。

また、余白の時間を少し設けておけば、質疑応答や緊急の話題にも対応しやすくなります。

参加者から意見を募り内容を共有しておく

アジェンダは作成者だけのものではなく、会議の参加者全員で共有すべき資料です。作成段階から参加者の意見を募り、議題に関する案を柔軟に調整する姿勢が求められます。

特に、現場の抱える問題・課題に詳しいメンバーや、意思決定に関わる立場の人が含まれる場合、その意見を反映することで、会議の意義が高まるでしょう。

またアジェンダは早めに配布し、参加者が事前に内容を確認できるようにしておくと、準備不足による議論の停滞を避けられます。共有されたアジェンダにより、参加者は自分の役割や発言のタイミングを決めやすくなり、会議を円滑に進められるようになります。

テンプレートを活用する

毎回ゼロからアジェンダを作るのは非効率的であり、内容にも抜け・漏れが生じがちです。あらかじめ基本構成が整っているテンプレートを活用すれば、必要な情報を効率良く整理でき、記載漏れも防げるでしょう。

また、組織やチームでアジェンダのフォーマットを統一しておけば、別の会議でも参照しやすくなり、参加者の認識の統一も図れます。定例会議用、プロジェクト会議用、緊急会議用など、頻繁に行われる会議ごとにテンプレートは複数のパターンを用意しておくと、形式に合わせた柔軟な運用が可能になります。

アジェンダを作成する際の注意点

アジェンダは会議の進行を支える土台ですが、内容に不備があると、逆に混乱を招いてしまいます。以下のように、スケジュールの詰め込み過ぎに注意し、内容の変更・修正の際には、速やかに参加者に周知するようにしましょう。

スケジュールを詰め込み過ぎない

アジェンダに多くの議題を詰め込もうとすると、一つ一つの議論が浅くなり、結論の出ないまま次に進むことになりがちです。参加者にとっても負担が大きくなり、集中力の低下や発言の質の低下につながる可能性があります。

特に、重要な議題が後半にある場合、時間切れで十分に話し合えない事態も起こり得ます。全ての議題を一度に扱おうとせずに、本当に必要なものに絞ることも重要です。議題の優先順位を明確にして、場合によっては次回以降に持ち越すようにしましょう。

内容の変更がある場合はすぐに周知する

アジェンダは会議前に共有するのが一般的ですが、直前になって議題が追加されたり、順序が変わったりすることもあるでしょう。内容に変更がある場合、速やかに関係者に周知し、必要に応じて資料の再準備を進めることが大事です。

特に、議題に関わる参加者にとっては、発言内容の整理や根回しの準備が間に合わなくなる可能性があります。メールやチャットツールなどを活用して変更点を簡潔に伝え、最新版のアジェンダを添付するなど、情報の取り違えが起きないように配慮しましょう。

実際の会議で生かせるアジェンダを作成しよう

アジェンダは単なる会議の予定表ではなく、効果的な会議の運営を支える重要な資料です。適切なアジェンダを作成するためには、まず会議の目的を明確にして、必要な議題を厳選する必要があります。複数の議題を話し合う場合には、きちんと時間配分もしておきましょう。

また参加者からの意見も取り入れ、事前に共有しておくことで、当日の議論が一方通行にならず、活発な意見交換が期待できます。初めて作成する場合は、テンプレートも参考にしながら、実際に会議を重ねる中で改善を図るとよいでしょう。

著者情報

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