経営理念の変更を成功に導く4つのステップとは?注意すべきポイントも徹底解説!

  • 経営陣が変わり、新しい経営理念を打ち出したい
  • 企業が成長して新しいフェーズに入るため、経営理念を見直したい
  • 経営理念の古さや実務との不一致が原因で、従業員の士気やモチベーションが低下している

そんなお悩みを抱えている経営者様も多いのではないでしょうか。

経営理念の変更は、企業の未来を左右する大切なプロセスです。そのため、これには慎重な計画と実行が必要です。

本記事では、経営理念の変更を成功させるための具体的なステップをわかりやすく解説し、注意すべきポイントについても詳しくお伝えします。これを読めば、経営理念の見直しを効果的に進めるための方法がわかります。

経営理念の変更が必要な理由

経営理念は、経営における基本的な考え方を明確にしたもので、経営の方向性を決める際の判断基準です。そのため、経営者の思いや社会環境の変化を受けて、経営理念をアップデートし続ける必要があります。

自社の状況や社会の変化に即した経営理念に変更すると、従業員は働く意義が明確となり仕事に対するモチベーションが向上します。

また、近年は経営理念が購買行動に影響を与える場合があるため、自社の売り上げ向上も期待できます。

実際に「中小企業白書」(2022年版)の分析では、経営理念が浸透している企業ほど労働生産性の上昇幅が大きいというデータをもとに、経営理念は企業業績にポジティブな効果を生む可能性があるとされています。

経営理念の変更を検討すべきタイミング

経営理念が頻繁に変わると、顧客や従業員からの信頼を失う可能性があるため注意が必要です。以下では、経営理念の変更に適したタイミングを4つに分けて紹介します。

企業が変革していく時

企業が成長して新しいフェーズに入る際、経営理念の見直しが必要になるケースが少なくありません。

例えば、自社の柱となる事業内容が大幅に変わった時や、成長に伴い中長期の目標を新たに掲げたい時が挙げられます。

市場環境が変化している時

自社の業界や市場の動向が大きく変わった時も、経営理念の変更に適したタイミングです。

新型コロナウイルスなど、ビジネス環境を一変させる事象が生じた場合が挙げられます。

また、多様性やジェンダー平等などの社会的な価値観を顧客が重視するようになる中、顧客中心主義に加えて社会課題への貢献を新たに掲げる企業もあります。

経営体制を変更する時

経営者の交代を含め経営陣の編成に変化があった時も、経営理念の変更を検討しましょう。

経営理念は経営陣の考え方を明確にしたものであり、自らのビジョンやミッションに沿った新しい理念を打ち出す必要があります。

経営者の思いが反映された理念であれば、従業員の共感が得られて浸透しやすくなるのがポイントです。

従業員の士気やモチベーションが低下している時

自社に活気がないと感じた時に、経営理念の変更が効果を発揮する可能性があります。

従業員による不満の声や離職の増加などが、従業員の士気低下を示す代表的なサインです。全従業員の指針となるような経営理念を策定して、社内の結束力を高める必要があります。

経営理念の変更を成功に導く4つのステップ

経営理念の変更は企業にとって大きな変革であり、戦略的に進めることが大切です。

以下では、経営理念の変更を成功に導く4つのステップを紹介します。

現在の経営理念を分析する

まずは従業員やステークホルダーからの意見を集めて、現状として経営理念がどのように機能しているのかを把握する必要があります。

もし経営理念が現場に浸透していない場合、アンケート調査やヒアリングをもとに、その原因を分析することが重要です。

分析結果を踏まえて、経営理念を変更する意義や目的を明確にした上で、見直し内容を検討しましょう。

経営理念を策定する

自社の将来像やミッションを再確認し、それに基づいて新しい経営理念を策定することが重要です。

その際、経営者の思いだけで経営理念を策定しては、関係者に広く受け入れられるものにはなりません。

役員やマネージャー、現場の従業員、顧客など主要なステークホルダーの意見を聞きながら、丁寧に合意形成を図るのがポイントです。

関係者に新たな経営理念を周知する

経営理念の策定後は、社内外に向けて新しい経営理念を周知する必要があります。その際、以下のように社内・社外に分けて適した手段を用いることが重要です。

社内

社外

  • 全社員ミーティング   
  • 部門別の説明会    
  • 社内SNSやポータルサイト   
  • 社内ニュースレター
  • プレスリリース
  • 公式ウェブサイト
  • ソーシャルメディア
  • ニュースレター

新たな経営理念の発表後には、従業員から定期的に意見や要望を募り、必要に応じて経営理念のアップデートを検討しましょう。

経営理念を浸透させるための仕組みを作る

経営理念を変更した後、従業員に理念を浸透させなければ成功とはいえません。そのため、単に周知するだけではなく、経営理念が形骸化しない仕組みを作る必要があります。

例えば、経営層から従業員に対して、どのような行動が望ましいかをメッセージで継続的に発信する方法が挙げられます。その際、経営者自身が率先して新たな経営理念を体現した行動をとることも重要です。

また、人事評価の評価基準として経営理念に基づく行動を追加すれば、全従業員への定着が期待できます。

経営理念を変更する際に注意するべきポイント

よりよい経営理念の策定にはノウハウが必要です。以下では、経営理念の変更時に注意すべきポイントを3つ紹介します。

社員の理解と納得を得た経営理念を策定する

経営理念は企業の全従業員が共有して、日々の行動指針にするものです。そのため、経営理念を変更する際には、従業員の理解と納得を得る必要があります。

経営理念を変更する必要性や、変更後の理念の意味・意義などを従業員に対して丁寧に説明しましょう。一方的な通知だけではなく、説明会などを通じた双方向のコミュニケーションがおすすめです。

新しい経営理念を浸透させるための取り組みを行う

経営理念は策定するだけでは意味がなく、従業員への浸透によって初めて価値が生まれます。経営者から従業員に向けてメッセージを発信し、内容を暗記させるだけでは、経営理念の変更による効果は持続しません。

現場の従業員が経営理念に基づく行動を継続できるよう、理念浸透に向けた取り組みや仕組みづくりを進めましょう。

変更前の経営理念を尊重する

社長の代替わりなどを理由に経営理念を変更する場合には、変更内容を慎重に検討する必要があります。経営理念の大幅な変更は、これまでの経営理念に深い愛着をもつ幹部や従業員からの反発を招く可能性があるためです。

受け継がれてきた企業の価値観や伝統を継承し、それをさらに発展させる方向で検討しましょう。

時代の変化に合わせて経営理念を変更した企業の事例

経営理念を変更する際、成功事例を参考にするのがおすすめです。2020年、新型コロナウイルスや経営環境の変化をきっかけに、経営理念を変更した企業を3つ紹介します。

伊藤忠商事

総合商社の伊藤忠商事は、グループの経営理念を「豊かさを担う責任」から「三方よし」に変更しました。

創業以来大切にしてきた商いの原点である「三方よし」の考えに立ち返ることで、売り手と買い手、さらには経済活動への貢献につながる決意を明らかにしました。

技術革新による経営環境の変化に対応するために、従業員が共感しやすい新しい価値観を打ち出し、グループ全体の結束力を高めることがねらいです。

三井住友フィナンシャルシャルグループ

大手金融機関の三井住友フィナンシャルグループは、経営理念に「社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する」の文言を追加しました。

世界全体で環境・社会問題が深刻化し、社会課題への取り組みがいっそう重視される時代の変化を踏まえた変更です。

経営理念の変更を通じて、顧客・株主・従業員だけではなく、社会全体へ貢献する姿勢を社内外へ発信しました。

株式会社グローバル・リンク・マネジメント

不動産事業を手がける株式会社グローバル・リンク・マネジメントは、経営理念を「不動産を通じてお客様の真の豊かさに貢献する」から「不動産を通じて豊かな社会を実現する」に変更しました。

不動産の取り扱い数の増加など事業の規模拡大に伴い、顧客だけではなく、社会課題の解決にも影響しうる自社の存在意義を打ち出すための変更です。

理念経営を実現させるならTUNAG!

TUNAGは、理念浸透などの人事課題だけでなく、情報共有や生産性向上といった業務課題も、一つのアプリで解決できるオールインワンツールです。

記事でも挙げたように経営理念は変更後、浸透させることが非常に重要です。

TUNAGではオンラインとオフラインを掛け合わせて、理念浸透の取り組みを一過性にしない施策を実施することができます。 

例えば、経営理念を変更した後「経営理念が新しくなりました!」と発表して終わりだったのが、TUNAGで社長メッセージを継続的に発信したり、スマホで全従業員に情報を届けられるため理念浸透の取り組みが形骸化しません。     

利用中企業数は800社以上。10名ほどの企業様から数万名様の企業様まで様々な企業様にご活用いただいております。

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TUNAGで理念経営を実現した寿々グループ様の事例

寿々グループ様は、訪問介護や有料老人ホームの事業を展開する企業です。グループの拡大に伴い、経営理念が現場のスタッフまで浸透しにくくなったことが課題でした。

TUNAGを導入して、スタッフが各施設での経営理念に基づく取り組みを社内に向けて積極的に発信できるようにしました。

経営理念や取り組みに関する社内コミュニケーションが活性化し、結果として理念浸透につながっています。

導入事例記事はこちら>>>「グループ内の想いをひとつにつなぐ」経営理念を浸透させるための寿々グループ様の取り組み

まとめ

経営理念は経営を進める上で大切な判断基準であり、経営者の思いや環境の変化を受けて変更する必要があります。

経営理念を変更するステップとして、現状分析から理念の策定、周知、浸透の仕組みづくりまで戦略的に進めることが大切です。

本記事を参考に、経営理念を適切に変更し、従業員の士気向上や自社のさらなる発展につなげましょう。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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