従業員や消費者などに対して、企業理念や企業が目指す目標を示すなどの役割を担う会社のスローガン。スローガンを策定し社内外へ浸透させることで、ブランドイメージの向上や従業員のエンゲージメント向上などの効果が期待できます。
それでは、会社のスローガンや企業として大切にしたいことなどの経営の想いは、どのように策定し、浸透させていけば良いのでしょうか。
この記事では、スローガンの作り方のポイントや作成の目的から、社内に浸透させるための施策などを解説していきます。
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本資料では、理念浸透を実現するための4つのステップと、理念を浸透させるための20の取り組みを解説しています。
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・経営理念を社内に浸透していきたい方
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・理念浸透の取り組みや成功事例を知りたい方

上図のように、スローガンは企業理念やキャッチコピー、クレドと役割や使われ方が異なるため、ここからはそれぞれの違いを詳しく解説します。
スローガンは、主に社外向けに企業のメッセージや目標を簡潔に表現した短いフレーズで、顧客の関心を引くための広告的な役割を持っています。一方、企業理念は、企業が大切にする信条や価値観を示したもので、社内外に向けて経営の基本方針を伝えるものです。
スローガンが短くキャッチーな表現で、広く世間に認知されやすいのに対し、企業理念はより深い意味を持ち、企業全体の指針として長文で表現されることが多いです。また、スローガンが外部に対するイメージ作りに重点を置いているのに対し、企業理念は主に社員の行動や判断の基準として機能します。
キャッチコピーは、社外向けの短い宣伝文で、特定の商品やサービスに焦点を当てて顧客の関心を引くことを目的としています。たとえば、「業界最安値に挑戦」や「全国どこでも無料配送」といったメッセージがその一例です。
一方で、企業スローガンは、理念や目標を簡潔に表現するものであり、キャッチコピーに比べると広告的な要素は少ないです。一般的には、キャッチコピーよりもスローガンの方が広く認知されやすいと言えるでしょう。
クレドは、経営理念の浸透を目的とした社内向けの行動指針です。ラテン語で「信条」を意味し、企業が大切にする価値観や約束を示しています。社員がクレドを意識することで、業務へのモチベーション向上や自主的な行動が促進されるといった効果も期待されます。
企業スローガンが短いフレーズで表現されるのに対して、クレドは比較的長めの文章である点が大きな違いです。また、クレドが主に社内向けであるのに対し、スローガンは社外にも向けられ、認知度が高い傾向があります。

スローガンを策定すると、具体的には次のようなメリットがあります。
企業ロゴも認知度が高まれば一瞬でどの企業なのかを判別がつくようになります。自動車のエンブレムなどが良い例ですが、エンブレムを見ただけでどこのメーカーなのかが分かります。
スローガンも同様で、テレビCMなどを介してよく耳にするフレーズは、それを聞いただけでどの企業なのかを判別する事ができます。また、フレーズの中身も企業イメージを連想させる事ができます。
例えば、「おねだん以上 ニトリ」と言われれば家具メーカーのニトリを思い出すのと同時に、そのキャッチコピーから「価格以上に価値がある」、「安くて良い品物がある」という事を連想させる事が可能です。
スローガンは、企業認知度やブランドイメージに影響するだけではなく、経営理念やサービス理念、事業理念を社内に浸透させるという働きもします。
スローガンは、会社やサービスが目指している方向性やビジョンを端的に表現しているものであり、一体感のある組織運営を進めるためにも効果的です。従業員にとっても普段の仕事をする上での考え方の基礎にもなります。
従業員の企業理解やサービス理解が進むことで、仕事をする目的や業務で意識すべきことが明確になり、モチベーションや生産性の向上が期待できます。
有名企業のスローガンを見ると、短い言葉の中に、その企業が大切にする考えや事業の特徴が表現されています。
自社でスローガンを考える際は、言葉のインパクトだけでなく、「何を伝えているのか」「企業らしさがどこに表れているのか」という視点で見ると参考になります。
企業 | スローガン | 特徴 |
タワーレコード | NO MUSIC, NO LIFE. | 音楽とともにある生活を表現 |
ロッテ | お口の恋人 | 長く愛される存在を表現 |
ファミリーマート | あなたと、コンビに、ファミリーマート | 顧客との身近な関係を表現 |
サントリー | 水と生きる | 事業と自然との関係を表現 |
日立グループ | Inspire the Next | 次の時代をつくる姿勢を表現 |
ゼンリン | Maps to the future | 地図事業と未来を結びつける |
コスモ石油 | ココロも満タンに | 顧客の気持ちまで満たす姿勢を表現 |
永谷園 | 味ひとすじ | 商品づくりへの姿勢を表現 |
外資系大型CDショップのタワーレコードのスローガンです。「音楽がなければ生きられない」という直球のフレーズが消費者の心に響き、浸透しました。
1996年に作られたこのスローガンですが、お客様が音楽に触れてもらうきっかけ作りにと、これまで複数のアーティストとポスターを作成しました。
出典:NO MUSIC NO LIFE. - TOWER RECORDS ONLINE
大手菓子メーカーのロッテが掲げるスローガンです。
このコーポレートメッセージである「お口の恋人」には、「永遠の恋人」と言われるシャルロッテのように、いつまでも皆様から愛される存在でありたいという想いが込められています。
大手コンビニエンスストアのファミリーマートのスローガンです。
このスローガンは「便利で安心できるサービスを通じ、お客さまの気持ちにいちばん近い存在を目指します」というコーポレートメッセージが込められています。
大手飲料メーカーのサントリーホールディングスのスローガンで、このフレーズは地球環境や社会的責任に配慮を意識しています。
サントリーのコーポレートメッセージからも「お客様に水と自然の恵みをお届けする企業として、地球にとって貴重な水を守り、水を育む環境を守っていくこと」として掲げており、地域社会や自然環境と交わす約束としています。
日立グループがビジョン実現への想いを宣言したスローガンです。
「次世代にひらめきを与える」という意味で、活気あふれる世界をめざし、次なる時代に息吹を与え続けるコーポレートメッセージが込められています。
地図情報の調査・制作・販売を行う日本の企業のゼンリンのスローガンで「地図情報で未来を創る」を意味します。
地図を扱う会社という事が一目でわかり、また未来に向けての前向きなフレーズは企業のブランディングとして確立しています。
コスモ石油のスローガンですが、「ココロの満タン」を実現させるために、心地よさ、安心感、信頼感の3つをブランドプロミスとして掲げています。
またコスモ石油グループの決意を宣言する事でグループ全体としての取り組みとして、ブランドイメージの向上を具現化させています。
出典:ココロも満タンに"宣言「新」3つの約束診断実施の件|コスモエネルギーホールディングス
永谷園のスローガンで、「1.今までにない 2.お客さまに「なるほどおいしい」と感じてもらえる 3.他社にマネが出来ない」という決意の元、掲げられています。
消費者はこのフレーズからも「美味しい商品を提供」してくれるイメージは湧くと思いますが、短いワードのため簡潔で覚えやすいのも特徴です。
会社のスローガンを作る際は、印象に残る言葉を考えることから始めるのではなく、「誰に、何を伝えるのか」を整理したうえで、企業の理念や目指す姿と結びつけて考えることが大切です。
作り方では、次の5つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント | 確認すること |
1. メッセージ性がこめられた、シンプルなものにする | 伝えたい内容を短い言葉に絞れているか |
2. 誰にでも分かりやすい表現にする | 読んだ人によって意味が大きく変わらないか |
3. 誰に何を伝えたいかを明確にする | 顧客・取引先・従業員など、対象が明確か |
4. 意識して取り入れたいワードを取り入れる | 企業らしさや目指す未来が伝わるか |
5.MVVと関連付ける | 企業の存在意義や目指す未来とずれていないか |
スローガンの役割は理解して頂けたと思いますが、実際に考えてみると難しく感じてしまう事も多いでしょう。
大手企業ではコピーライターなどに依頼する事が多いですが、自分達で適切な言葉を考え、設定するのも企業の方向性を考える上で役に立ちます。
また、従業員が自ら考える事で、企業としての取り組みを把握したり売上貢献など意識を高める事にも繋がります。
しかし、せっかく考えたスローガンも選ぶ言葉によって意味がボヤけてしまったり、何を伝えたいのかメッセージ性の低いスローガンとなってしまいます。
そうならないためにも、以下の点に留意しながらブレストレベルで良いフレーズの候補をいくつか列挙し、その中から適切なものをピックアップすると良いでしょう。
企業が今進めたい方向性やメッセージ性を持たせるスローガンを、誰にでも分かりやすい表現で作成すると心にも響き、浸透しやすくなります。
スローガンはロゴと同じで会社の顔として使う事ができ、また企業のブランディングにも繋がります。まずは、企業としてどういう方向性に導くかを検討する必要があります。
従業員向けのスローガンの事例として国内外13万人が働くセブン&アイホールディングスをご紹介します。セブン&アイグループでは、国籍や雇用形態なども多岐に渡っており「多様性を明日の力に」というフレーズの元、ダイバーシティ推進活動をしています。
このフレーズからも想像できるように、育児や介護、国籍、ハンディキャップなど様々なバックグランドを持った従業員が共存し、企業成長の源になっているというメッセージが伝わります。
スローガンはお客様、取引先、従業員に向けたメッセージ性の高いものになります。従って誰に向けて発信したいのかでフレーズも変わってきます。
お客様や取引先に向けたフレーズであれば「いつも寄り添い、良い商品を提案します」などのメッセージ性を含めたり、従業員向けであれば「従業員がいるから会社が成り立っています」というメッセージを込めたりして、誰に対して発信をしたいのかを明確にしましょう。そうする事で、本当に伝えたい事がブレずに、心に響きます。
例えば、大手化粧品メーカーの資生堂は「一瞬も一生も美しく」というスローガンを掲げています。今現在もそして未来も美しく生きたいという顧客心理を上手くついた表現です。
前述の分かりやすく、誰に対してのメッセージなのかというのに加え、覚えやすく前向きでポジティブな姿勢が伝わるワードを選定すると、心にも響きやすく、印象にも残ります。
上でご紹介したセブン&アイグループや資生堂でのスローガンは両者ともポジティブな印象を与えています。
またそのメッセージ性から企業の好感度も上がり、従業員であれば帰属意識、顧客であればリピートにも繋がります。
そのためにも、ポジティブでワクワクする未来が想像できるフレーズを創ると良いでしょう。
MVVは、「Mission(ミッション)」「Vision(ビジョン)」「Value(バリュー)」をまとめて略したもので、企業の存在意義や目指す未来、それを叶える手段を定めたものになります。そのため、スローガンをMVVに関連付けることで、従業員はより帰属意識を、顧客であれば信頼感を獲得することにつながるでしょう。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の意味や違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
スローガンを社内に浸透させるには、一度発表して終わりにせず、その言葉に込められた考えを繰り返し伝え、具体的な行動と結びつけていく必要があります。
主な取り組みは次の5つです。
取り組み | 目的 |
社内報でスローガンについて発信する | 意味や背景に触れる機会を継続してつくる |
スローガンに沿った行動をサンクスカードなどで称賛する | どのような行動がスローガンに沿っているか示す |
スローガンに紐づいたワークショップやイベントを開催する | 従業員自身が意味について考える |
スローガンを策定する経緯や理由を伝える | 「なぜこの言葉なのか」への理解を深める |
経営者がスローガンに基づいた行動や発信を主導する | 経営とスローガンの内容を一致させる |
スローガンを従業員に浸透させるには、言葉だけでなく、込められた想いや社内での実践例を継続して伝える必要があります。そのための社内コミュニケーション手段の一つが社内報です。
定期的に発行する社内報で、スローガンについてのコーナーを作り発信するのも一つの方法です。
などを発信し、まずは従業員の目に触れる機会を増やしてスローガンを知ってもらいましょう。
社内報の目的や役割、作り方について詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
スローガンを実際の行動につなげるには、「どのような行動がスローガンを体現しているのか」を従業員が具体的にイメージできるようにする必要があります。
スローガンを定めても、「具体的にどんな行動をとればいいのか」「どんな行動がスローガンに沿っているのか」が分からなければ、従業員の行動や組織は変わりません。
そこで、スローガンに沿った行動、スローガンを体現するような行動をサンクスカードで称賛するのも有効です。
従業員も「こういう行動が評価されるんだな」と具体的に理解できるので、より社内に浸透しやすくなります。
サンクスカードは、従業員同士の感謝を伝えるだけでなく、組織が大切にする行動を共有・称賛する仕組みとしても活用できます。導入のメリットや具体的な運用方法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
従業員自身がスローガンについて考えたり、互いに意見を交わしたりする機会をつくると、言葉だけでは伝わりにくい意味や背景への理解を深めやすくなります。
全社でスローガンに対する認識を強めるにあたり、従業員同士がスローガンについて話合うワークショップやイベントを設けることも方法の一つです。
従業員が自主的にスローガンについて考える機会を設けることで、スローガンの意味や背景についての理解をより深めることができます。
その他、スローガンにまつわるクイズを全社総会や社内表彰式などで実施することで、楽しみながら自然とスローガンを浸透させる方法もあります。
スローガンの言葉だけではなく、「なぜこのスローガンを掲げるのか」まで伝えることで、社員や顧客が言葉の意味を理解しやすくなります。
スローガンを作庭する経緯や理由を詳しく伝えることは非常に重要です。これによって、社員や顧客がスローガンに対して親しみを持ちやすくなるためです。また、スローガンはいつでも社員や顧客が簡単に確認できるようにしておくことが大切です。具体的には、紙媒体や自社のホームページを通じて発信する方法が考えられます。
さらに、スローガンに基づく企業の未来像を示すことで、社員や顧客も企業と共に成長していくビジョンを共有できるようになるでしょう。
経営者自身がスローガンに沿った発言や行動を続けることで、従業員も「会社が本当に大切にしている考え」として受け止めやすくなります。
スローガンを社内外に浸透させるためには、経営者の積極的な関与が欠かせません。経営者がスローガンに基づいた言動を示すことで、企業の方向性に一貫性が生まれ、社員の意識も変わることが期待されます。
経営者が模範を示す具体例として、公の場でスローガンを引用することや、スローガンに沿ったプロジェクトを進めること、経営方針をスローガンに基づいて策定することなどが考えられます。これらの取り組みは、単発ではなく継続的に実施することが重要です。
ただし、スローガンが「顧客第一」を掲げているにもかかわらず、経営者が「利益第一」といった矛盾する発言をしてしまうと、スローガンの信頼性が損なわれ、結果として社員のモチベーションが低下するリスクがあるため注意が必要です。
スローガンが社内に浸透すると、従業員一人ひとりが「会社は何を大切にし、どこを目指しているのか」を理解しやすくなります。共通の考え方を持つことで、部署や立場が違っても判断や行動の方向をそろえやすくなり、企業としての一体感を高めることにつながります。
ただし、スローガンを掲げるだけでは、従業員の行動までは変わりません。策定した背景や込められた想いを伝えたり、スローガンを体現した行動を社内で共有したりしながら、日々の仕事の中で繰り返し触れる機会をつくることが大切です。
スローガンを「知っている言葉」で終わらせず、従業員が仕事の判断や行動に生かせる状態まで浸透させることで、一人ひとりの力を同じ方向へ生かしやすくなります。こうした積み重ねが、組織全体の力を高め、企業のより大きな成長につながっていきます。
従業員数や拠点が増えると、スローガンについて継続して情報を届けたり、実践した行動を全社で共有したりすることが難しくなります。その場合は、社内SNSや組織改善クラウドなどのITツールを活用する方法があります。
ツールを使えば、スローガンに込められた経営層の想いを発信するだけでなく、スローガンに沿った行動を従業員同士で共有・称賛したり、どの程度情報が届いているのかを確認したりできます。単発の周知で終わらず、発信と実践を繰り返せる環境をつくることで、スローガンを日々の仕事と結びつけやすくなります。
こうした社内コミュニケーションと組織づくりを支援するサービスの一つが、組織改善クラウドサービス「TUNAG(ツナグ)」です。
TUNAGでは、たとえば次のような取り組みを一つのプラットフォーム上で設計・運用できます。
さらに、利用状況や従業員の反応を確認しながら、取り組みを見直していくことも可能です。「スローガンを社内に浸透させたい」「スローガンが実際の行動につながっているのか分からない」という企業様は、ぜひ一度公式サイトをご覧ください。