指示待ち人間の特徴や生まれてしまう原因は?改善のポイントも解説

指示待ち人間が多いと、組織に悪影響を及ぼします。自発的な行動を促すためには、上司とのコミュニケーションや環境を改善することが重要です。従業員が指示待ちになる理由や改善するためのポイントを解説します。

指示待ち人間の特徴

指示がなければ行動しない指示待ち人間には、共通の特徴があります。以下で紹介する従業員がいる場合、指示待ち人間になっている可能性が高いでしょう。

周囲に関心を持たない

指示待ち人間が持つ特徴として、周囲に関心を持たないことが挙げられます。他の従業員からの質問や意見に対し、最低限の返事しかしなかったり反応しなかったりする人です。

周囲に関心がなければ、自分の担当外の仕事にも興味を持たないため、上司や同僚に質問することもありません。指示されたこと以外の業務を行う気にならないのです。

また、自分が担当している仕事に対しても、ひとごとの姿勢で臨む傾向があります。仕事への責任を感じにくいため、ミスが多くなるケースもあるでしょう。

判断力や決断力に乏しい

指示待ち人間は指示されて初めて行動を起こすため、自分で判断・決断することに慣れていません。優柔不断な態度を取ったり結論を先延ばしにしたりする傾向があります。

判断力や決断力を発揮できない理由としては、「失敗したときの責任を取りたくない」「自分の出した結論に自信がない」といった心理が働いていることが挙げられます。

適切な意思決定ができない人は、担当業務も停滞しがちです。チームや部署の生産性も下がってしまうでしょう。

臨機応変に対応できない

指示待ち人間は臨機応変な対応が苦手です。イレギュラーな事態が発生しても、自分で対応策を考えて行動するといった対処ができません。

また、自分で考える意思はあっても、いざというときに焦ってしまい適切な対応を取れなくなるケースもあります。

臨機応変に対応できない人は周囲から信用されなくなり、重要な業務を任されにくくなります。周囲の負担も増加するでしょう。

従業員が指示待ちになってしまう理由

命令されなければ動けない人には、何らかの理由があります。従業員が指示待ちになってしまう主な理由を紹介します。

上司とのコミュニケーションに問題がある

部下の仕事であるのにもかかわらず、「自分でやった方が早い」と上司がやってしまうと、部下はその仕事を覚える機会を失います。次に部下が同じ仕事を任されても、また上司がやるものだと思い、指示を待つ状態になってしまうのです。

また、部下の失敗に対して「なぜ指示通りにやらない」と怒る上司がいるケースでも、部下は指示待ち人間になります。自分で考えて行動しても、「また怒られるのではないか」という気持ちになるためです。

本来は自分で考えて行動したい人も、細かい部分まで上司の指示を仰ぐと、自分では何も考えられない人だと思われてしまいます。

必要な情報を得られていない

従業員が指示待ちになってしまう理由の一つに、必要な情報を得られていないことが挙げられます。自分の意思で動きたくても、そのための情報がない状況です。

例えば、業務によっては顧客データや他部署の進捗状況など、さまざまな情報が必要になるケースがあります。これらの情報をすぐに入手できない場合、迅速な意思決定はできません。

また、仕事の目的が分からない場合も、指示待ちになってしまうことがあります。業務の期限や内容をしっかりと把握できていなければ、業務の優先順位も付けにくくなるでしょう。

過去に指示待ちになりやすい環境にいた

過去の経験が従業員を指示待ち人間にしているケースもあります。積極的に行動した結果、失敗したり怒られたりした経験があると、自分から動けなくなりやすいでしょう。

また、何でも指示通りに動くことを良しとする環境にいた場合も、自分で考える癖がついていないことがあります。小さい頃から親や先生の言う通りにしか行動してこなかった人は、社会人になっても指示待ち人間になってしまうでしょう。

指示待ち人間が企業に及ぼす悪影響

自らの意思で行動しない人が多い職場では、さまざまなリスクが生じます。指示待ち人間が企業に及ぼす悪影響を見ていきましょう。

周囲のモチベーションが下がる

指示待ち人間は周囲のモチベーションを下げてしまう恐れがあります。自分から行動しないのにもかかわらず、積極的に行動する従業員と評価が変わらないケースが多いためです。

指示を仰ぐ従業員が多い状況になるのを防ぐためには、指示がなければ動かない人間を放置しないことや、自分で考えて動く従業員を適切に評価することが重要になります。

組織の生産性が低下する

チームや部署に指示待ち人間がいると、周囲はその人に指示を出し続けなければなりません。指示を出す人の業務を止めてしまうことになるため、無駄な時間が発生します。

また、指示待ち人間が指示を待つ時間も無駄な時間です。これらの時間はチームや部署の業務停滞につながり、結果的に組織の生産性が低下します。

指示待ち人間を減らすためのポイント

指示待ち人間は企業側の努力で減らすことが可能です。職場から指示待ち人間を1人でも多く減らすためのポイントを紹介します。

従業員に自分で考えて行動させる

指示待ち人間は自分で考えないため、自分の意思で行動させましょう。上司が重視すべきポイントは、上司自身の考えを折に触れて伝えることです。

上司の考えや希望を伝えた上で、後は自分で行動してもらえば、部下は上司を意識しつつ自分で考え行動します。上司の存在意義を失うことなく自発的に行動する部下が増えるため、双方にとって理想的な関係を築くことが可能です。

部下の行動結果が上司の希望と違うものであったとしても、誰にでもミスはあるものだと割り切り、改めて上司自身の考えを伝えた上で軌道修正してもらいましょう。丁寧なフィードバックは上司と部下の信頼関係を強め、部下のモチベーションアップにも寄与します。

従業員の能力に合った仕事を割り当てる

指示待ち人間を生まない対策としては、適材適所な人員配置も効果的です。従業員が自信を持って取り組める仕事に就かせれば、自分で考えながら積極的に行動するでしょう。

指示待ち人間が職場にいる場合、その従業員の能力に合った仕事を割り当てられているかチェックすることも大切です。配置転換により指示待ちが解消されることもあります。

職場の風通しを良くする

従業員が指示待ち人間になってしまう大きな理由の一つに、失敗を恐れていることがあります。失敗が許されない空気が職場にまん延していると、指示待ち人間が増えていくでしょう。

失敗を許容する文化を醸成し、職場の風通しを良くすることが重要です。適切なフィードバックで失敗を前向きに捉える仕組みを構築すれば、職場の心理的安全性が高まり、誰でも安心してチャレンジできます。

経営層と現場がオープンにコミュニケーションを取ることも、指示待ち人間を減らすための風土改革です。従業員が経営層に対して意見を言える状態になれば、指示待ち状態の解消につながるでしょう。

指示待ち人間を生み出さない組織づくりを

上司とのコミュニケーションに問題があると、自らの意思で行動しない従業員が増えやすくなります。失敗が許されない企業文化も、自分から動かない従業員を増やす原因の一つです。

職場の指示待ち人間を減らすためには、上司と部下のコミュニケーションや職場の環境を改善することが重要です。具体的な取り組みを進め、自分で考えて行動する従業員を増やしていきましょう。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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