社内チャットツールはどれを選ぶ?選定ポイントとおすすめツール10選

社内の業務連絡が非効率で行き違いが多いという課題は、多くの企業が抱える悩みです。その解決策として注目されているのが社内チャットツールです。ただし、チャットツールはさまざまなサービスがあり、どれを選べばよいか判断に迷う企業も少なくないでしょう。この記事では社内チャットの活用メリットと実際の導入事例を交えながら、ツールの選び方とおすすめツール10個を詳しく紹介します。

おすすめの社内チャットツール10選

社内チャットツールの選定には、自社の組織規模や業務特性に適したツールを見極めることが不可欠です。

ここでは主要なツール10種類について、それぞれの機能特性と料金体系を整理しました。各ツールの特徴を把握することで、自社の課題解決に最適な選択が可能になるでしょう。

※2025年9月時点の情報です。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。

Chatwork

Chatworkは、2025年6月末時点で導入社数93万社という、人気の国産チャットツールです。ビジネス向けに作られており、社内チャットとしても社外との連絡ツールとしても活用できます。

自分やチャットのメンバーにタスクを割り当てられる機能があり、完了期限と担当者・内容を設定するとタスクを遂行すべき人に「いつまでに何をすべきか」をチャット上で明確に伝えられるのが魅力です。完了したら「完了」を押すと、タスク設定した人に通知が行きます。

Chatwork Liveという通話機能のほか、ファイル共有機能も備わっています。料金プランは次の3種類です。

  • フリー(1組織当たり100人まで利用可):無料
  • ビジネス:1ユーザー当たり年払いで770円、月払いで924円
  • エンタープライズ:1ユーザー当たり年払いで1,320円、月払いで1,584円

ビジネス、エンタープライズには1カ月間の無料トライアル期間が設けられています。

Chatwork

Slack

Slackは世界中で活用されているビジネスチャットツールです。社内チャットツールにも外部との連絡ツールにも不足なく使えるでしょう。有料プランを利用している企業は20万社以上となっています。

特定の話題を一つのスレッドにまとめてチャットを整理できる点、2,500を超えるアプリとAPI連携できる点が、Slackの大きな魅力です。音声・ビデオ通話機能もあります。料金プランは以下の4種類です。

  • フリー:無料
  • プロ:1ユーザー当たり月払いで1,155円/月、年払いで1,017円/月
  • ビジネスプラス:1ユーザー当たり月払いで2,376円/月、年払いで2,112円/月
  • Enterprise+:要問い合わせ

プロ、ビジネスプラスには30日間の無料トライアル期間があります。

Slack

LINE WORKS

LINE WORKSは、日本で多くの人が個人間のやりとりに使っている「LINE」のビジネス版です。使い慣れたUIをそのまま仕事で使えるという魅力があります。従業員が新しいツールの操作に慣れるか不安な企業でも、直感的な操作が可能なため、スムーズな導入が期待できるでしょう。

SOC2/SOC3をはじめ、各種の認証を取得している高いセキュリティレベルが、LINE WORKSの特徴です。また、トークや音声・ビデオ通話のほかに、掲示板やカレンダー・タスク・アドレス帳など多様な機能を備えています。

プランは以下3種類です。

  • フリー(30人まで利用可):無料
  • スタンダード:1ユーザー当たり月払いで594円/月、年払いで495円/月
  • アドバンスト:1ユーザー当たり月払いで1,056円/月、年払いで880円/月

スタンダード、アドバンストには30日間の無料トライアル期間が設けられています。

LINE WORKS

Microsoft Teams

Microsoft Teamsは、Microsoft 365のライセンスがあれば追加料金なしで使えるビジネス向けのチャット・通話・ビデオ会議ツールです。ライセンスなしでも、プランに応じた料金を支払えば利用できます。

Microsoft Teamsの大きな特徴は、Excel・WordなどのOffice製品とシームレスに連携できることです。日常的にOffice製品を使っているなら、チャットでのやりとりと資料の共有が一つのツールで完結します。

一般法人向けプランは、次に挙げる3種類です。

  • Microsoft Teams Essentials:1ユーザー当たり月払いで790円/月、年払いで658円/月
  • Microsoft 365 Business Basic:1ユーザー当たり月払いで1,186円/月、年払いで988円/月
  • Microsoft 365 Business Standard:1ユーザー当たり月払いで2,473円/月、年払いで2,061円/月

Microsoft 365 Business Basic、Microsoft 365 Business Standardには、1カ月間の無料トライアル期間があります。

Microsoft Teams

elgana

elganaは、NTT西日本が提供する国産のビジネス向けチャットツールです。操作が簡単なので、デジタルツールに慣れない企業でも導入しやすいでしょう。ビデオ通話機能はありませんが、モバイルアプリから1対1の音声通話(ボイスチャット)が可能です。

手軽な価格と手厚いサポートも、elganaの魅力として挙げられます。プランは以下の3種類です。

  • おためしプラン(100人まで利用可能):無料
  • ベースプラン:1ユーザー当たり月払いで330円/月、年払いで275円/月
  • アドバンストプラン:1ユーザー当たり月払いで880円/月、年払いで734円/月

ベースプランとアドバンストプランは月額契約の場合は初月(申し込み月の末日まで)無料なので、トライアルとして利用できます。年額契約だと初月から料金が発生する点に注意しましょう。

elgana

Office Messenger

Office Messengerは、強固なセキュリティを備えながらもコスパが良い法人向けチャットツールです。ファイルのダウンロード制限(登録したIPアドレス以外からダウンロードできない)や、チャット・メッセージの暗号化などのセキュリティ対策が施されています。

チャットとメッセージ(社内メッセンジャー)を場面によって使い分けられるのも、Office Messengerならではの魅力でしょう。迅速なやりとりにはチャット、報告・お知らせはメッセージといったように一つのツール内で使い分けが可能です。

料金は50ユーザーまでは使い放題で月額5,500円、50ユーザーを超える場合は1人当たり1カ月220円が加算される仕組みです。公式サイトに期間の記載はありませんが、無料トライアルが設けられています。

Office Messenger

TAGS

TAGSは、セキュリティに強みのある法人特化の国産ビジネス向けチャットツールです。「DB暗号化」「通信の暗号化」に加え、クライアント端末のキャッシュの暗号化という3段階暗号化でセキュリティを強化しています。

ただ、機能はチャットに特化しているため安価です。また、メール・スケジュールなどほかのシステムとチャットボットで連携して必要情報を取得できるという魅力があります。

料金プランは一つしかなく、1ユーザー当たり180円/月(公式サイトに税込み・税抜きの記載なし。30ユーザー以上で利用可)です。無料トライアルはありません。

TAGS

WowTalk

WowTalkは、ChatGPT搭載で企業オリジナルのAIが作成できる国産ビジネスチャットツールです。社内チャットとしての利用に向いています。

トークや音声通話・プッシュトゥトーク(無線機のような機能)のほか、掲示板や安否確認・匿名相談・サンクス(感謝を伝える電子レター)など、組織のエンゲージメント向上に役立つ機能が豊富です。管理者用機能も充実しているので、運用の手間の軽減が期待できます。

KING OF TIME(API連携)、Google カレンダー・Google ドライブ、GitHubなど10以上の外部システムと連携できる点も魅力です。WowTalkには有料プラン(年額契約のみ)しかなく、いずれも最低1,000IDからの利用となっています。プランは以下の3種類です。

  • シンプル:1ID当たり396円/月
  • スタンダード:1ID当たり550円/月
  • カスタマイズ:要問い合わせ

スタンダードにのみ無料トライアルが設けられており、期間は2週間です。

WowTalk

Google Chat

Google Chatは、Google Workspaceの1機能として設けられているビジネス向けチャットツールです。Google Meetとの連携によりビデオチャットも可能、Google カレンダーなど各種Googleのサービスとの連携も可能であり、総合的な業務効率化に役立ちます。

Google Workspaceの料金プランは、次の4種類です。Google Chat単体での契約はできません。

  • Starter:1ユーザー当たり月払いで1,045円/月、年払いで880円/月
  • Standard:1ユーザー当たり月払いで2,090円/月、年払いで1,760円/月
  • Plus:1ユーザー当たり月払いで3,300円/月、年払いで2,750円/月
  • Enterprise:要問い合わせ

Enterprise以外には、14日間の無料トライアル期間があります。

Google Chat

InCircle

InCircleは簡単な操作が強みの、国産ビジネス向けチャットツールです。音声・ビデオ通話の機能はありませんが、APIを公開しており、あらゆるシステムと連携できる強みがあります。

クラウド版とオンプレミス型を選べるのも、InCircleの特徴です。クラウド版(SaaS版)は30ユーザーから、オンプレミス版は100ユーザーからの利用となっています。最低ユーザー数未満での利用でも、最低ユーザー数分の料金を支払わなければなりません。

クラウド型のプランは「ベーシック(1ユーザー当たり180円/月、公式サイトに税込み・税抜きの表記なし)」のみとなっています。期間の記載はありませんが、20ユーザーの無料トライアルがあります。オンプレミス版の料金は個別見積もりが必要です。

InCircle

社内チャットツールを選ぶポイント

ここまで多様なチャットツールを紹介してきたように、社内チャットツールの種類は豊富です。選定に当たっては「軸」を押さえておかないと、どのツールが自社に合っているのか判断しにくいでしょう。重要な四つの選定ポイントを紹介します。

コストと必要機能のバランスが取れているか

ひと口に社内チャットツールといっても、搭載されている機能は製品ごとに違います。シンプルにチャット機能だけ備えているツールもありますが、ほかの機能とパッケージになっているものも少なくありません。

例えばテキストチャットとファイル共有だけが必要な組織が、ビデオ会議機能やAI機能まで搭載した高額なツールを導入しても、費用対効果は低くなってしまいます。

逆に必要な機能が不足していれば、別のツールを追加導入する必要が生じ、かえってコストが増大する可能性もあります。導入前に現場の要望を詳しくヒアリングし、必要十分な機能を備えたツールを選択することが肝要です。

既存システムと連携できるか

社内チャットツールを導入する前に何らかのシステムを導入している場合、そのシステムと連携できるチャットツールだと利便性が上がります。特に現場で実際にツールを使う従業員にとって、それまで使っていたシステムを引き続き使いながら、チャットツールとも連携させられると効率的です。

連携可能なシステムの種類や連携方法はツールによって大きく異なるため、導入前に詳細な確認が必要です。APIが公開されているツールであれば、自社開発のシステムとも連携できる可能性があり、より柔軟な運用が可能になるでしょう。

企業規模に見合っているか

社内チャットツールは種類によって、料金プランや課金形態などから、大企業向け・中小企業向けなど適した企業規模が変わります。例えば企業規模が500人以上の企業なら、海外拠点を持つケースも多いので多言語対応のツールがおすすめです。

50〜500人規模の企業では、今後事業が発展したときに機能を拡張できると便利でしょう。50人以下と規模の小さい企業なら、初期投資が抑えられて無料プランからスタートできるものが理想です。これらはあくまで一例ですが、企業規模とツールの相性も選定ポイントとして頭に入れておくと、自社に合う製品を見つけやすくなります。

無料トライアルで使い勝手を試せるか

社内チャットツールを有料で本格導入したい場合、無料トライアル期間の体験は貴重な判断材料です。いざ導入してから現場で使いこなせずに終わってしまうと、導入にかかったコストが丸々無駄になりかねません。

無料トライアル期間が設けられていれば、実際にツールを使う従業員に使い勝手を試してもらえます。使いやすいツールが現場視点で把握でき、導入するかどうか判断しやすくなるでしょう。複数のツールで迷っている場合、いずれのトライアルも試して使い勝手の良い一つを選ぶのも選択肢です。

社内チャットツールを活用するメリット

コミュニケーション改善のため、社内チャットができるツールを検討している企業は多いかもしれません。では具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。ツールがもたらす三つの主要なメリットを理解することで、導入後の活用イメージが明確になり、組織全体への浸透もスムーズに進むはずです。

やりとりがリアルタイムでスピーディーになる

社内での情報伝達は、メールや電話だと基本的に1対1でのやりとりになります。一方で社内チャットツール(ビジネスチャットツール)は、複数人でのコミュニケーションが可能です。グループ・チームでリアルタイムのやりとりが実現し、意思決定が早まります。

また、メールと違って「お世話になっております」などの定型文はチャットの場合不要という風潮も迅速化を促す要素です。さらに名乗りを省けるため、よりスピーディーなやりとりが実現するという面もあります。

多機能なツールなら音声やビデオチャットも可能

社内チャットツールの中には、音声チャットやビデオチャットができるものもあります。特にリモートワークで相手の顔が見えない環境の場合、テキストチャットだけだと相手の感情が分からず不安というシーンも少なくありません。

社内チャットツールで声や映像でもコミュニケーションを取れると、安心感が増したり行き違いが減ったりするでしょう。資料を共有しながらのWeb会議もツールによっては可能です。全員が出社するオフィス環境ではテキストチャットで十分な場合もありますが、リモートワークの従業員がいる企業や、より密なコミュニケーションを求める場合には、音声やビデオチャットが使えるツールが効果的です。

ビジネス向けでセキュリティが強固

ビジネス向けの社内チャットツールは、個人向けツールよりもセキュリティ水準が高いのが特徴です。個人向けのチャットツールも手軽に導入できますが、情報漏洩を防ぎ、企業の機密情報を守るという観点ではビジネス向けに作られたものの方がよいでしょう。

ただ、セキュリティレベルはツールによって変わります。自社のセキュリティポリシーを満たせる仕様かどうか、事前にチェックが必要です。

社内チャットを効果的に活用するポイント

社内チャットに使えるビジネス向けチャットツールを導入しても、十分に活用されない場合があります。どのような工夫で、導入効果を高められるのでしょうか。

チャンネルやグループを用途別に整理する

大量のメッセージに重要な情報が埋もれてしまうのを防ぐためにも、チャットのチャンネル(グループチャット)を用途別に分けることは重要です。分け方の例を見てみましょう。

  • 部門を横断するプロジェクトごとに、進捗確認やタスク管理のためのチャンネル用意する
  • 報連相を目的とするチャンネルを、「全従業員向け」「現場マネージャーまで」のように対象者の範囲で分ける
  • 業務連絡のチャンネルとは別に、雑談や気軽な意見交換など、コミュニケーション活性化のためのチャンネルを作る

こうした用途別のチャンネル分けは、やりとりの混乱を防ぐと同時に業務の効率化・エンゲージメントの向上を促します。

社内チャットの活用ルールを明確にする

社内チャットを効果的に活用するには、運用ルールが必要です。ルールが厳格すぎれば自由なコミュニケーションが妨げられますが、一定のルールを設けないと、発信量が多くなりすぎたりチャット名から目的が分からなくなったりしてしまいます。

チャンネルごとに発信すべき内容を決める・グループチャットの命名規則を決めるなどがルールの例です。「確認したことが分かれば問題ないメッセージにはリアクションだけ」という決まりも、テキストメッセージが増えすぎるのを防ぐのに役立ちます。

「TUNAG」は社内チャットも備えたエンゲージメント向上ツール

社内チャットに使えるツールには、総合的なエンゲージメント向上ツールもあります。その一つが組織改善クラウドサービス「TUNAG(ツナグ)」です。社内チャットツールの選択肢として、役立つポイントを紹介します。

コミュニケーションが活性化する社内チャットやタイムライン

TUNAGには社内チャットはもちろん、コメントやリアクションで反応できるタイムラインもあります。気軽にコメントやリアクションができるタイムラインによって、部署・上下の垣根を越えたコミュニケーションが促進するでしょう。

コミュニケーションが活発な環境ができれば、業務上のやりとりが円滑になる上、不安や課題を打ち明けやすくなってエンゲージメントの向上につながります。社内チャット機能は、用途に応じたチャンネルの作成が可能です。

ワークフロー機能も完備

社内チャットに特化したツールは、ワークフロー機能まで完備していないものが大半です。TUNAGはコミュニケーションだけでなく、申請・報告も簡単にできるため、稟議や報連相のフローが効率化します。特に紙での申請・承認や電話での報連相がメインだった場合、大きな効率化につながるはずです。

申請する側も承認する側も負担が減り、仕事のストレス軽減・エンゲージメント向上が期待できます。エンゲージメントが向上すれば、従業員の定着率も上がるでしょう。

スマホから手軽にアクセス可能

TUNAGはインターネット環境とデジタルデバイスさえあれば使える、クラウドサービスです。社外での勤務が中心など、PCを持たない従業員が多い企業でも全社的な導入が実現します。

社内チャットはもちろん、マニュアル類やお知らせなど全ての情報をTUNAGのスマホアプリ内で見られるのが魅力です。重要なルール・告知の見落としも減る可能性が高いでしょう。

社内チャットツールでコミュニケーションを促進

社内チャットは、電話やメールでのコミュニケーションと比べて、リアルタイムのやりとりが実現して意思決定が早まるメリットがあります。とはいえ、社内チャットに使えるツールの種類は膨大で、選定に苦労する企業は少なくありません。

社内チャットの選定ポイントは主に、コストと機能のバランス、既存システムとの連携可否、企業規模に合った料金体系です。紹介した10種類のチャットツールやTUNAGの中から、自社に合うものを探してみましょう。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

コミュニケーション」の他の記事を見る

TUNAG お役立ち資料一覧
TUNAG お役立ち資料一覧