事業多角化で生じたコミュニケーションの「壁」 拠点や事業を超えたノウハウ共有を成功に導いたきっかけとは

三協精器工業株式会社では、中心事業である金属部品の製造・販売に加えて飲食や農業にも事業を広げる中で、「社内に情報が行き渡りづらい」「ノウハウが蓄積しにくい」という課題を感じるようになりました。
そこでTUNAG(ツナグ)を導入してコミュニケーション活性化に取り組んだ結果、業務で接点のない社員同士に交流が生まれ、ナレッジ共有が盛んになり会社全体の知識量が増加しました。総務部次長 赤松様、広報担当 三枝様(以下、敬称略)に、同社のTUNAG活用術についてお話を伺いました。
(取材:2024年12月)
事業の多角化で情報共有・コミュニケーションが課題に
各事業部の情報が混在。ペーパーレス化も課題
〜TUNAG導入前、貴社ではどんな課題がありましたか?〜
三枝:事業の多角化によってグループ全体にさまざまな情報が混在するようになり、次第に情報共有ツールの限界を感じるようになりました。
たとえば2018年に開始した飲食事業。札幌から始まり、2020年には大阪で店舗を展開することになったんですが、当時の情報共有のやり方では「ノウハウがたまりにくい」「情報をさかのぼりにくい」「古い情報が自動で消えるので見られなくなる」といった問題が出てきました。
〜当時、社内の情報共有はどのように行っていたのでしょうか?〜
三枝:創業84年の老舗企業ということもあり、基本的にはメールと電話で、一部にはプライベートチャットでやり取りしている社員もいました。
会社のお知らせを印刷して貼り出したり、申請関係を紙でやり取りすることも多く、ペーパーレス化や業務効率化にも課題を抱えていました。
拠点を超えた交流機会がなかった
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〜情報共有以外にも難しさを感じることはありましたか?〜
三枝:社内コミュニケーションにも課題がありましたね。
年に一度、各拠点で決算発表会や事業計画発表会があり、不定期でバーベキューやハロウィンパーティー、おでんパーティーなどのイベントを開催していましたが、基本的には各拠点で実施するので全社的にお互いの人となりを知る機会がなかったんです。
赤松:事業が変化していく中で、どのように組織運営していくのか模索している段階でしたね。
SNSのように使えて、幅広くDX推進できるTUNAG導入
〜そういった課題がある中で、何がTUNAG導入の決め手となりましたか?〜
赤松:タイムラインがあって、投稿にコメントができて、チャットがある。普段プライベートで使っているSNSに似ているという点がポイントだったと思います(※)。
三枝:そうですね。ほかのツールもいろいろと調べたんですが、TUNAGはシンプルで分かりやすかったです。
また、当社での導入イメージが明確に持てたのもポイントでした。当社では社長の発信、各部からのお知らせ、各種申請などさまざまなコンテンツを1つのツールで運用することを想定していたので、自由にカスタマイズして包括的にDXを推進できるTUNAGに魅力を感じました。

※TUNAGのデモ画面です。タイムライン画面には全カテゴリの最新の投稿が並び、コメントができます。投稿は「会社からのお知らせ」「日報」のようにカテゴリ分けして発信でき、カテゴリごとに過去の投稿をさかのぼることができます。チャット機能もあり、プライベートチャットではなく会社公式のチャットツールで業務連絡ができます。
日々の投稿から営業報告まで情報の受発信にTUNAGを活用
社長のつぶやき、各拠点で活躍する「猫」についての発信も
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※三協精器工業株式会社の実際のTUNAG画面です。社長メッセージから各拠点にいる猫の日々の様子まで、幅広い情報を見れる場所となっています。
〜情報共有について、どのような内容をTUNAGで発信していますか?〜
赤松:もともと本社工場で「月間朝礼」という全社向けの朝礼を行っていました。各拠点の社員もリモートで参加して社長の話を聞いていたんですが、会社の規模拡大や社長の出張の機会が増えたことで、毎月朝礼を開催するのが難しくなったんです。
そこで、TUNAG導入と同時に「けんさんのつぶやき」というコンテンツを作って、会社の動きや社長の想いなどをタイムリーに発信することになりました。
最近では、新たに「一日一語」という新しいコンテンツも始まりました。毎日同じくらいの時間に、その日のテーマに関する社長の考えをパッと読める短い文章で発信しています。
〜そのほかにグループ全体に向けて発信しているコンテンツはありますか?〜
三枝:グループ全体で22匹の猫を飼っており、「三協にゃんズNEWS」として猫たちの情報を発信しています。内容は、各拠点で活躍している猫たちのことや、新しく入社した猫の紹介、猫の誕生日や役職就任など、さまざまです。
TUNAG導入前は社内向けの広報誌に情報を載せていましたが、現在はTUNAGに動画で投稿しています。
本社にいる「猫乳母」の社員や、各拠点で猫のお世話をしている社員が投稿しています。出張に行かない社員にとっては、各拠点にいる猫たちのことを知る機会ですね。
「営業日報」をタイムリーに共有。思い出を共有する「出張日記」も
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※三協精器工業株式会社の実際のTUNAG画面です。出張時のちょっとした出来事の共有、各種申請・承認のワークフローにもTUNAGを活用しています。
〜社員からの情報共有についてはいかがでしょうか?〜
赤松:もともと紙で提出していた「営業日報」をTUNAGで提出するようにしました。以前は出張先から拠点に帰ってきてから書くのが大変で、せっかく提出しても社長が外出したり出張に行っていると情報が届かない状態でした。
TUNAGで電子化したことで、出張の帰りの新幹線などで日報を記入できるようになりました。報告や振り返り、社長への提出など営業活動がタイムリーに行えています。
三枝:一方で「出張日記」では、出張先で食べたものや現地で感じたことを発信しています。TUNAGがあれば本来は出張に行った人しか見られない景色もみんなで共有できます。出張先のちょっとした出来事を投稿する、それこそSNSのようなコンテンツです。
「出張って良いな」と、営業職の人気にもつながると良いなと思っています。
有給申請やアルコールチェックも、PC・アプリで提出
〜ペーパーレス化や業務効率化にもTUNAGを活用していますか?〜
赤松:有給申請やフレックス申請など、勤務に関わる申請をTUNAGで実施しています。直行直帰をする場合や半休の申請、車に乗る前のアルコールチェック、社用車の利用申請などもやっていますね。
〜社員の皆さまは、TUNAGをどのような端末で、どんなタイミングで利用していますか?〜
三枝:圧倒的に多いのは社内PCからの閲覧、その次が個人スマホです。
グループ会社によって働き方や時間が異なるので、利用のタイミングはバラバラです。製造現場の社員は休憩などのタイミングで利用していますが、事務スタッフは一日の好きなタイミングで見ているようです。
ノウハウ共有や社内コミュニケーションに効果を実感
拠点や部署を超えてノウハウや知識を共有できるようになった
〜TUNAGを導入後、どのような効果を感じていますか?〜
三枝:これまで社員一人ひとりの中でクローズドになっていたノウハウをTUNAGで共有するようになり、会社全体の知識量が増えたと感じています。
赤松:拠点や部署を超えて知識が入ってくるようになったので、たとえば関東営業所で働いている人も製造部や品質保証部でどういう取り組みをしているかTUNAGを通して知ることができます。
製品の不具合でお客様からクレームがあった場合にも、「なぜ不具合が出たのか」を全員が把握できますし、それを受けて「今後何に気をつけなければならないか」についても部署の壁を越えて全社に浸透します。
業務上の接点がない社員同士で交流が生まれている
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〜コミュニケーションや社内交流について、効果はありましたか?〜
三枝:TUNAGを通じて社員の新しい一面を発見できたり、それがきっかけで会話につながったりしていますね。他部署や他事業所の人と、気軽なやり取りが生まれています。
〜具体的にどのようなコミュニケーションが生まれているのでしょうか?〜
三枝:TUNAGの「ノウハウBOX」というコンテンツでは「家でこんなことに困ったらこうすると良いよ」「この時期はこんなことに気をつけてね」といった、皆に知ってもらいたい情報も共有しており、他の社員の考え方が知れるようになりました。
また、牧場にいる社員が投稿した「三協にゃんズNEWS」に本社の社員がコメントするなど、普段会わない社員同士の会話が生まれています。業務で話す機会はほぼありませんが、TUNAGを通してコミュニケーションができるんです。
TUNAGでつながって休日に遊びに出かける、という交流も生まれています。
TUNAGは、さまざまな情報が詰まった会社の財産
〜貴社にとってTUNAGはどのようなツールになっていますか?〜
赤松:さまざまな情報が集まっている会社の財産だと感じています。
近年さまざまなコミュニケーションツールが登場していますが、やっぱり「TUNAGでなければできないコミュニケーションの仕方」があると思っています。アプリを開くとまずタイムラインがあって、そこにさまざまな情報が集まってくるので、タイムリーに見やすく情報を共有できる。それがTUNAGならではの良さですね。
三枝:TUNAGはコミュニケーションに特化した使い方、業務から交流まで幅広くカバーする使い方、業務連絡がメインの使い方など、企業によってさまざまな用途で使い分けられると思います。
コミュニケーションを軸に、社員らしさが見えるよう工夫
社員を思い浮かべながら、抵抗感なく使えるコンテンツを考案
〜TUNAG導入時に苦労したこと、工夫したことがあれば教えてください〜
三枝:TUNAGのようなツールを導入したことがなかったので、年代にかかわらずアプリをインストールすることやアプリを開くことに抵抗を感じる人もいました。それまで自己アピールする機会がなかった状況で、自分自身のことを社内で知ってもらうというのも勇気のいることだったからだと思います。
〜そういった抵抗感は、どのように払拭していったのでしょうか?〜
三枝:当社はシャイな社員が多いのですが、話してみると物知りでおもしろい方ばかりなんです。そこで、漠然とした「皆が投稿してくれるコンテンツ」ではなく「個人的に顔が浮かんだあの人が投稿してくれるようなコンテンツ」をテーマに、遊び心あるコンテンツを目指しました。
そうやって趣味や日常に関するコンテンツを作ったことで、うまく運用がハマったんだと思います。
あとは、導入当初に皆さんからどんなコンテンツが欲しいか意見を募集しました。たとえば「家で育てた野菜をもらってほしいので、その投稿ができる場所が欲しい」という声に応えて投稿場所を作りましたし、改善活動や特定の部署だけ見られるものなど業務に関するコンテンツも作成しましたね。
〜具体的に社員の方を思い浮かべながらコンテンツを作ってきたからこそ、少しずつ使ってくれる人が増えて、ここまでTUNAGが社内に定着したのだなと思いました。何より、いまのTUNAGに貴社らしさが溢れているのが素敵ですね!〜
赤松:やっぱり中小企業だとトップが現場を引っ張るみたいな会社も多いでしょうし、こうしたツールも多くの場合、業務利用を念頭に導入されると思います。
けれども、当社ではコミュニケーションの促進が根底にあり、そのうえで業務における活用があると思っています。これまで三枝がスピード感を持ってすごくたくさんのコンテンツを作ってきて、その中で支持されたものが今も残り続けているのだと思いますね。
長期休みにもTUNAGを見るきっかけを
〜その他に、コミュニケーションが活性化するように工夫していることはありますか?〜
三枝:「夏の思い出」「年末年始の過ごし方」「秋の過ごし方」など、季節の変わり目や長期連休に入るタイミングで誰でも投稿できるコンテンツを作っています。
お盆休みや年末年始は、10日間ほど会社が休業になります。その際に、社員がなるべくTUNAGから離れてしまわないように、このコンテンツを設けるようにしました。
コミュニケーションの促進で会社成長の基盤作りを
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〜今後、貴社として実現したい会社の姿や、作っていきたい組織について教えてください〜
赤松:社員が楽しく、自分の仕事にやりがいを感じながら働ける環境を作っていきたいです。
そういう社員が増えることで会社も明るくなって活気にあふれ、その結果、全員会社を成長させていける強い組織になると思います。
〜そのために、どのようにTUNAGを活用していきたいですか?〜
赤松:TUNAGを利用する一番の目的は、社員のコミュニケーションの活性化です。
「コミュニケーションは働くうえで必要だからやる」ということではなく、コミュニケーションが活発になれば働くのが楽しくなり、それだけで明るく前向きな会社になります。そうすれば、何か業務上の課題が発生しても、「みんなで頑張って解決しよう」と取り組めると思うんです。
オンラインでつながれるツールを使うのが当たり前の時代だからこそ、TUNAGを活用して直接の対話に結びつけ、会社を成長させるための基盤作りをみんなでしていきたいと思っています。
三枝:やっぱり自分の投稿にコメントが付くと嬉しいじゃないですか。「明日もまた投稿しようかな」という気持ちになりますよね。
仕事に直接関係ない内容だったとしても、社員が前向きになったり「楽しいな」と思うきっかけがTUNAGだったら良いな、と思っています。
〜赤松様、三枝様、お話しいただきありがとうございました!〜

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