MVVとは、企業の存在意義を示すMission、目指す未来を示すVision、行動の基準となるValueをまとめた考え方です。組織が目指す方向をそろえ、従業員の判断や行動につなげる役割があります。
一方で、MVVは言葉を決めるだけでは十分ではなく、社員が日々の仕事で意識している状態まで浸透させてこそ意味のあるものになります。
そこでこの記事では、MVV作り方や組織に浸透させる方法、またTUNAGを利用して成功した実際の企業事例もあわせて紹介するので読んでみてください。
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本資料では、理念浸透を実現するための4つのステップと、理念を浸透させるための20の取り組みを解説しています。
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・経営理念を社内に浸透していきたい方
・施策の効果が出ずにお悩みの方
・理念浸透の取り組みや成功事例を知りたい方
MVVとは、Mission (ミッション)・Vision (ビジョン)・Value (バリュー) の頭文字を組み合わせた言葉です。
3つを明文化することで「なぜ会社が存在するのか」「どこを目指すのか」「そのためにどう行動するのか」を組織で共有できます。
MVVは、企業の存在意義を示すMission、実現したい未来を示すVision、判断や行動の基準となるValueの3つで構成されます。
それぞれは独立した標語ではなく、Missionを果たすためにVisionを描き、その実現に向けた行動をValueで示すという関係にあります。MVVを策定する際は、3つの言葉を個別に考えるのではなく、1つのストーリーとしてつながっているかを確認するようにしましょう。
MVVが企業において果たす主な役割は以下の通りです。
それぞれの用語の意味を解説していきます。
ミッションは、企業が社会の中で何を果たすために存在しているのかを示すものです。
事業内容そのものではなく、その事業を通じて誰にどのような価値を届けたいのかまで表現すると、企業としての存在意義が明確になります。
経営環境や商品が変化しても判断の起点として使えるように、中長期で大切にできる内容にすることがポイントです。
ビジョンは、ミッションを果たした先で企業が実現したい未来や組織の姿を示すものです。
従業員が「自分たちはどこへ向かっているのか」をイメージできるため、部署ごとの目標や施策を同じ方向へそろえる基準になります。
抽象的な理想だけでは行動につながりにくいため、自社らしさや事業の方向性が伝わる言葉に落とし込むことが必要です。
バリューは、ミッションやビジョンを実現するために従業員が大切にする価値観や行動基準です。
例えば「顧客起点で考える」「まず挑戦する」のように、実際の仕事で判断に迷ったときに使える表現にすると機能しやすくなります。
評価制度や1on1、称賛施策などと結びつければ、掲示されるだけの言葉ではなく、日常業務で繰り返し意識する基準にできます。
ミッション・ビジョン・バリューの違いは、それぞれが「存在意義」「目指す未来」「行動基準」という異なる役割を担っている点にあります。
例えば、新しい事業に参入するか迷った場合はMissionとの整合性を確認し、事業計画ではVisionとの距離を考え、具体的な仕事の進め方ではValueを判断基準にする、といったようです。
3つがつながっていれば、経営層から現場まで異なる立場の従業員が同じ方向を基準に考えやすくなります。MVVを活用する際は、3つの言葉そのものを覚えてもらうだけでなく、実際の意思決定や業務とどう結びつくのかを社内で示すことがポイントです。
MVVを組織運営に取り入れる主なメリットは、意思決定・採用・従業員エンゲージメントの3つです。具体的には、次のような効果が考えられます。
MVVが共通の判断基準として機能すると、経営方針だけでなく、採用やマネジメントなど人に関わる取り組みにも一貫性を持たせやすくなります。
MVVを明確にすると、組織内で判断に迷った際の共通基準を持ちやすくなります。例えば、複数の施策から優先順位を決める場面でも「どちらが自社のMissionやVisionに近づく選択か」を基準に議論できます。
上司の個人的な判断や部署ごとの慣習だけに依存しにくくなり、従業員自身が自律的に意思決定できる組織づくりにも活用できます。
MVVを採用活動で伝えることで、応募者が企業の価値観や目指す方向を理解したうえで入社を判断しやすくなります。給与や仕事内容だけでなく、MissionやValueを採用サイトや面接で具体的に伝えれば、仕事に対する考え方まで確認できます。
企業側もMVVを採用基準の一つとして活用することで、スキルだけでは判断しにくい価値観の違いを入社前に把握しやすくなり、採用後のミスマッチを減らす材料になります。
MVVは、従業員が自分の仕事と会社の目標とのつながりを理解するための手掛かりになります。例えば、日々の業務がMissionの実現にどう貢献しているかを上司が1on1などで伝えることで、単なる作業ではなく仕事の意味を捉えやすくなります。
さらに、Valueに沿った行動を称賛したり評価したりする仕組みがあれば、企業が大切にしている価値観を具体的な行動として理解できるため、組織への納得感や参加したいというエンゲージメント意識を高める土台になります。
MVVを作る際は、現状整理から浸透方法の設計までを4つのステップで進めると整理しやすくなります。
基本的な流れは以下の通りです。
言葉を作ること自体をゴールにせず、従業員が日常で使える状態まで設計することがMVV策定では欠かせません。
MVV策定では、最初に自社が現在どのような会社で、今後どのような組織を目指すのかを整理します。
創業時の思い、顧客に提供してきた価値、従業員から評価されている文化などを棚卸しすると、自社らしさが見えやすくなります。
一方で「部署によって判断基準が異なる」「事業拡大によって価値観を共有しにくくなった」といった現在の組織課題も把握し、MVVによって何をそろえたいのかを明確にしてください。
現状整理ができたら、企業の存在意義・目指す未来・行動基準をMission・Vision・Valueとして言語化します。
Missionでは社会や顧客に提供する価値、Visionではその先で実現したい未来、Valueでは実現に必要な考え方や行動を整理します。
格好のよい言葉を作ることよりも、従業員が意味を理解でき、自分の仕事に置き換えられる表現になっているかを優先することが大切です。
言語化したMVVを、様々な関係者と共有し、フィードバックを得ながら改善していきます。この段階が、MVV浸透の成否を左右する重要なプロセスです。
経営陣、部門責任者、現場リーダー、一般従業員代表、場合によっては顧客や取引先とのすり合わせを行います。
ワークショップ形式での議論やアンケートによる意見収集、少人数グループでの対話セッションなどを通じて、分かりにくい表現の修正や従業員の共感度向上を図るのです。
完璧を求めすぎず、80%の完成度で一度運用を始め、実践の中で改善していく姿勢が重要になります。
最後は策定したMVVを組織に浸透させるために、具体的な制度や仕組みに落とし込みましょう。
この段階で手を抜くと、MVVが「飾り物」になってしまうリスクがあります。
人事評価制度への組み込み、採用基準の明文化、新人研修カリキュラムの整備、社内コミュニケーションツールでの共有、行動指針マニュアルの作成などを実施します。
経営陣が率先してMVVを実践し、具体的な行動事例を積み重ね、定期的な振り返りと改善の機会を設け、MVVに基づいた成功事例を社内で共有することが成功のポイントです。
MVVを組織に浸透させるには、認知させるだけでなく、理解と実践まで段階的につなげることがポイントです。
主な方法として、次の3つがあります。
一度の説明会だけで浸透させようとせず、従業員がさまざまな場面でMVVに触れ、自分の行動に置き換えられる環境を整えます。
MVVの浸透には、従業員がMVVに触れる回数を増やすことが重要です。一度の研修で終わらせるのではなく、継続的に接触する機会を作りましょう。
朝礼や会議でのMVV唱和、社内ポスターや掲示物での告知、名刺やメール署名への記載、社内報やニュースレターでの定期的な紹介、1on1ミーティングでのMVVに関する対話などの方法があります。
形式的な唱和ではなく意味を考える時間を設け、MVVに関連する成功事例を定期的に紹介し、従業員からのMVV体験談を募集・共有し、管理職がMVVについて語る機会を増やすことが効果的な運用のコツです。
MVVを人事制度に組み込むことで、従業員の行動変容を促進できます。評価される内容が変われば、自然と行動も変わってきます。
人事評価では、MVVに基づいた行動評価項目の設定、360度評価でのMVV実践度チェック、昇進・昇格基準へのMVV要素の追加、表彰制度でのMVV実践者の表彰を行います。
業務では、プロジェクト企画時のMVV整合性チェック、商品・サービス開発でのMVV観点での検討、お客様対応マニュアルへのMVV反映、意思決定プロセスでのMVV基準の活用を実施しましょう。
過度に細かい評価は避け、MVV実践の失敗を責めるより挑戦を称賛する姿勢が重要になります。
デジタル化が進む現代において、ITツールを活用したMVV浸透は非常に効果的です。社内SNSや社内ポータル、e-ラーニングなど、従業員が日常的に触れるツールにMVVの考え方を組み込むことで、特別な施策を設けなくても自然な形で浸透を図れます。
従業員にMVVの策定背景も含めて理解してもらい、たとえば日々の業務の中でMVVに沿った行動が見られた際に、その取り組みを社内SNSで共有・称賛したり、人事評価システムや表彰制度と連動させたりすることで、日常の行動や判断とMVVを具体的に結びつけていきます。
特にグループ会社全体にMVVを浸透させるためには、グループ報をWebで配布するなど、ITツールを活用することで、従業員が日頃からMVVを意識できる環境を効率的に整えることができるでしょう。
MVVは掲げるだけでは効果を発揮しません。実際に成果を上げている企業は、明確な方針の共有に加えて、日々の行動や制度とMVVを結びつける工夫を取り入れています。ここでは、MVVの浸透に成功した企業の取り組みをご紹介します。
スターバックスでは、MVVに類似するものとして、OUR MISSION、OUR PROMISE、OUR VALUEの3つを掲げています。
【OUR MISSION】
「最高」のコーヒー体験を届けるかけがえのない存在となり、人々の心を豊かで活力あるものにするために―ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから
【OUR PROMISE】
【OUR VALUE】
これらを軸に、日々の接客や店舗運営を大切にしてきました。全国に店舗が増えるにつれて、従業員ごとに理念の受け取り方に差が出やすくなり、同じ価値観のもとで働き続けることが課題となっていました。
そこで、理念を日常の中で意識できる環境をつくるため、教育プログラムや共有の仕組みの見直しを進めました。具体的には、従業員が理念に紐づいた体験を言葉にして共有する「グリーンエプロンブック」、店舗ミーティングで理念に沿った行動を紹介し合う場の設定、相手の良い行動を認め合うピアレビューなど、取り組みを継続的に行っています。こうした取り組みを通じて、理念に沿ったエピソードが店舗間でも自然と共有されるようになり、従業員同士のつながりが強まっています。新しく入ったメンバーも、Mission・Promise・Valueを理解しやすくなり、店舗の雰囲気やサービス品質にも良い影響が出ている事例です。
Our Mission, Promises and Values|スターバックス コーヒー ジャパン
全国約54万戸のマンション管理を担う大京アステージ社と穴吹コミュニティ社では、2社統合を見据え、2023年に共通のMVVを策定しました。
MVVの浸透にあたって、イントラネットや業務用のコミュニケーションツールの活用も考えたものの、社員同士の双方向のやり取りを活性化させたい点や、理念についての情報が埋もれてしまう懸念を考慮し、最適なツールを模索し始めます。
そこでMVVに関する発信や、従業員同士のやり取りの場として社内コミュニケーションアプリ「TUNAG」を導入しました。Valueに沿った行動を称え合う「Value称賛カード」や、役員のつぶやきなど、MVV身近に感じられたり、経営層との距離感を近づける仕組みを構築しました。
その結果、導入から10ヶ月で「MVVへの意識が高まった」と答えた従業員は7割を超え、1年間でやり取りされたValue称賛カードは3万枚以上にのぼりました。カードの送受信やコメントを通じて部署やエリアを越えたコミュニケーションが生まれ、理念に基づいた称賛文化が定着しつつあります。
MVVの浸透だけでなく、会社や他部署への理解が深まったり、日々の仕事への前向きな気持ちが高まったりと、従業員の働きがいにも良い影響が出ている事例です。
株式会社スタメンが提供する社内コミュニケーションアプリ「TUNAG」では、MVVを浸透させるのに必要な機能や仕組みが整っています。
といった取り組みが可能です。
こうした積極的な情報発信と、日常の何気ない業務の中にMVVを組み込む仕組みによって、従業員がMVVを身近に感じる習慣が育まれていきます。さらに、各施策の利用率や社長メッセージの既読率などをデータとして可視化できるため、感覚ではなく数値に基づいてMVV浸透の取り組みを改善・加速させることもできます。
組織の価値観や方向性に課題を感じている経営者や人事担当者の皆さんは、ぜひMVVの策定と浸透に取り組んでみてください。