フォロワーシップ研修で主体性を育てる方法|効果・内容・選び方を解説

管理職ばかりが忙しく、現場は指示待ちで業務が停滞している。そんな状態に、心当たりはないでしょうか?このような状況を打破し、組織を活性化させるカギとして今、フォロワーシップ研修が注目されています。本記事では、研修の目的や養うべきスキル、さらには自社の課題に寄り添った設計方法までを詳しく解説します。指示待ち体質を脱却し、自律的に動き出す強い組織をつくるためのヒントとして、ぜひお役立てください。

フォロワーシップ研修とは何か

リーダーシップ研修は実施しているのに、現場の動きがいまひとつ変わらないといった課題を抱えてはいないでしょうか?

組織の成果は、リーダー一人の力だけでは生まれません。リーダーの意図をくみ、自ら考えて動くフォロワーがいてこそ、チームは前に進みます。

だからこそ今、フォロワー側の力を引き上げるフォロワーシップ研修が注目されているのです。ここでは、その本質とリーダーシップとの関係を整理していきます。

リーダーを支える役割を学ぶ研修

フォロワーシップ研修とは、メンバーがリーダーを主体的に支援するための考え方や行動を学ぶ研修です。ここでいうフォロワーとは、単に指示に従う部下のことではありません。リーダーの意図を理解し、自ら考えて行動する自律型の支援者を指します。

研修では、上司の判断軸を読み解く力や、現場の課題を建設的に提案する力を養います。加えて、チーム全体の成果に貢献する姿勢も身に付けていきます。

研修の対象は、若手社員や中堅社員が中心です。ただし近年は、管理職を含めて受講させる企業も増えています。なぜなら、管理職自身もより上位の上司に対してはフォロワーの立場だからです。

部下教育の枠を超え、組織全体の協働姿勢を高める研修として位置付けられています。

リーダーシップとの関係

リーダーシップとフォロワーシップは、相反するものではありません。むしろ車の両輪のような関係です。リーダーが方向性を示し、フォロワーがそれを支えることで、組織は前に進んでいきます。

リーダーシップ研修だけを実施している企業は多いですが、フォロワーシップ研修まで組み合わせる企業はまだ少数です。だからこそ、両輪を意識した育成体系を整えることが、変化に強い組織づくりにつながります。

フォロワーシップ研修が必要な理由

近年、なぜ多くの企業がフォロワーシップ研修に注目するのでしょうか。背景には、現場と管理職の双方が抱える組織課題があります。ここでは、研修導入が必要とされる四つの観点を見ていきましょう。

現場メンバーの主体性を育てる

指示待ちのメンバーが多い現場では、一つ動かすたびに上司の判断が必要になり、業務が滞りがちです。フォロワーシップ研修では、メンバーが自ら考えて動けるようになることを目指します。

例えば、上司が「来月の会議で新サービスの方針を固めたい」と話していたとします。指示を待つメンバーは、会議で資料が配られるのを待つだけです。一方、主体性のあるメンバーは、方針を決めるのに必要そうな現場のデータを先回りして集め、論点を整理して持っていきます。

研修では、このように「動く前の一手」を具体的な行動として学びます。意識を変えるだけで終わらせず、現場で再現できる行動まで落とし込む点が特徴です。

管理職の負担を軽減する

管理職の業務量は年々増加しています。プレイングマネージャーとして現場業務を抱えつつ、部下指導や経営からの要求にも応える状況です。

メンバーがフォロワーシップを発揮すれば、細かい指示や確認の手間が減ります。報告の精度が上がり、相談の質も高まるため、管理職が割く時間は大幅に削減されるでしょう。

結果として、管理職は本来注力すべき意思決定や戦略立案に時間を使えます。長時間労働やメンタル不調のリスク低減にもつながり、組織全体のパフォーマンス向上が見込めます。

チームの生産性向上につなげる

リーダー一人の能力には限界があります。チーム全員がリーダーを支え、自律的に動く状態をつくれば、一人ひとりの判断で業務が前に進み、リーダーの確認待ちによる停滞が減ります。結果として、チーム全体の生産性が着実に高まります。

意思決定のスピードが上がれば、市場変化への対応力も高まります。競争優位性を確保する上でも、重要な投資といえます。

従業員同士の信頼関係を築く

フォロワーシップは、上司と部下の関係だけでなく、メンバー同士の関係にも作用します。互いを支え合う行動が増えると、職場の心理的安全性が高まっていきます。

信頼関係のあるチームでは、率直な意見交換が活発になります。意見の対立があっても、目的を共有しているため建設的な議論につながるでしょう。

信頼関係の強い職場ほど心理的安全性が高く、結果として人材が定着しやすくなります。人材の定着という観点からも、フォロワーシップ研修は意義の大きい取り組みです。

研修で身に付けるべきスキル

フォロワーシップ研修では、具体的にどのようなスキルを学ぶのでしょうか。ここでは、研修カリキュラムで重視される四つのスキルを紹介します。自社の課題と照らし合わせながら確認してみてください。

組織に前向きに関わる貢献力

貢献力とは、自分の役割を超えて組織の成果に寄与する姿勢です。チームの目標を自分ごととして捉え、必要な行動を取る力ともいえます。

例えば、自分の担当外の業務でも、困っている同僚がいれば声をかけてみる。会議で発言が少ないテーマでも、自分の視点を共有する。こうした行動の積み重ねが、組織を強くしていきます。

研修では、自分の役割と組織全体の関係を整理するワークを通じて、貢献意識を高めていきます。

上司に建設的に提案する批判力

批判力と聞くと、ネガティブな印象を持つかもしれません。しかしここでの批判力とは、上司の指示を盲目的に受け入れず、改善点を建設的に伝える力を指します。

ただ反対するのではなく、代替案を添えて提案することがポイントです。「この方針には課題があると感じます。代わりにこの方法はいかがでしょうか」という伝え方ができれば、上司も受け入れやすくなります。

研修では、ロールプレイを通じて伝え方の技術を学んでいきます。心理的なハードルを下げる工夫も含まれており、実践しやすい内容になっています。

職場の認識をそろえるコミュニケーション力

コミュニケーション力は、フォロワーシップの土台となるスキルです。上司の意図を正確に理解し、自分の考えを的確に伝える力が求められます。

報告・連絡・相談の基本に加え、相手の立場を考えた伝え方も学びます。例えば、上司が忙しい朝には結論から先に伝える、判断が必要な相談は事前に論点を整理しておく、といった工夫です。

職場内で認識のズレが減れば、手戻りやトラブルも減少していきます。日々の業務効率が大きく改善されるでしょう。

自ら考えて動く主体性

主体性は、フォロワーシップの中核となる要素です。研修では、答えの定まらないケースに対して「自分ならどう動くか」を繰り返し言語化することで、指示を待つ習慣を、自ら課題を見つけて動く習慣へと置き換えていきます。

研修では、過去の事例を題材にしたケーススタディが効果的です。「自分ならどう動くか」を考える機会を繰り返すことで、行動パターンが変わっていきます。

自社に合う研修内容を設計する

フォロワーシップ研修は、自社の課題に合わせて設計することが成功の鍵です。汎用的なカリキュラムをそのまま実施しても、効果は限定的でしょう。ここでは、設計時に押さえるべき観点を解説します。

対象者を選択する

研修の対象者は、組織の課題によって変わります。若手の主体性が課題なら入社2〜5年目を中心に、現場の連携不足が課題なら中堅層を中心に設定するとよいでしょう。

加えて、管理職も対象に含めることをおすすめします。管理職自身がフォロワーシップの重要性を理解していなければ、部下の行動変化を受け止められないからです。

例えば、部下が建設的な提案をしてきたときに、頭ごなしに否定してしまえば研修の効果は台無しです。受け止める側の準備も同時に進めることで、組織全体の変革が実現します。

現状診断で受講者の課題を把握する

研修の効果を高めるには、事前診断が欠かせません。アンケートやテストで、受講者のフォロワーシップ傾向を可視化します。

診断結果に基づき、個別の課題を明確にしていきましょう。傾向ごとにグループ分けして研修を実施すれば、より深い学びにつながります。

上司理解を深めて提案力を高める

上司の立場や考え方を理解することは、フォロワーシップの基本です。研修では、上司の役割や意思決定プロセスを学ぶ機会を設けます。

上司の判断軸を理解できれば、提案の精度も上がります。この提案は上司の関心領域に合うか、決裁が下りやすい形になっているかを考えて動けるようになるでしょう。

管理職経験者を講師に招き、実際の判断軸や苦労を語ってもらう時間を設けるのも有効です。受講者の視野が一気に広がります。

研修後の行動目標を明確にする

研修の効果を持続させるには、終了後の行動目標が欠かせません。受講者自身に、職場で実践する具体的な行動を3点ほど設定してもらいましょう。

行動目標を設定する際のポイントは、以下の通りです。

  • 期限:いつまでに実践するかを明確にする
  • 頻度:どれくらいの回数で行うかを数値化する
  • 観察可能性:第三者が見て確認できる行動にする
  • 難易度:背伸びすれば届く水準に設定する
  • 共有性:上司や同僚に宣言して相互確認できる形にする

加えて、上司からのフィードバック面談を組み込むと効果的です。研修3カ月後に振り返りの場を設けることで、行動の定着率が大きく変わります。

外部研修も効果的

社内のリソースだけで研修を設計するのは負担が大きいものです。外部研修サービスを活用することで、専門知見と質の高いプログラムを得られます。ここでは、外部研修を選ぶ際の3つの視点を紹介します。

外部講師の知見で学習効果を高める

外部講師は、多様な業界や企業の事例を持っています。社内では得られない視点や事例を提供してくれるでしょう。

また、外部の立場だからこそ、社内の慣習にとらわれない指摘も可能です。受講者にとっても、適度な緊張感が生まれて学習意欲が高まります。

実績豊富な講師であれば、受講者の反応に応じて内容を柔軟に調整してくれます。研修の質を底上げする上で、講師選びは特に重要なポイントです。

実践型の演習がある研修を選ぶ

知識のインプットだけでは、行動は変わりません。ロールプレイやグループワークなど、実践型の演習が組み込まれた研修を選びましょう。

特に、上司役と部下役を交代で体験できる演習はおすすめです。立場を変えて経験することで、相手の視点を実感を持って理解できます。

研修プログラムを事前に確認する

研修プログラムの内容は、サービスによって大きく異なります。導入前に、以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 対象者:想定する受講者層に合っているか
  • カリキュラム:自社の課題に対応した内容か
  • 講師の実績:同業他社や類似規模の支援経験
  • 事後フォロー:行動定着のサポート体制
  • 費用対効果:投資に見合う成果が見込めるか

これらを比較検討し、自社に最適なサービスを選びましょう。複数社から提案を受けて比較すると、判断の精度が上がります。

フォロワーシップ研修で自律的に動く組織をつくる

ここまで、フォロワーシップ研修の意義や設計方法を解説してきました。最後に、研修を組織成果につなげる視点について触れていきます。

研修を実施しただけで、組織が変わることはありません。受講者の行動が変わり、その行動がチームや事業の成果に反映されて初めて、投資は実を結びます。しかし、研修の設計から行動定着までを社内のリソースだけで仕組み化するのは、容易なことではないでしょう。

そこで頼りになるのが、「TUNAGコンサルティング」です。研修を単なるイベントで終わらせず、学びを行動変容へつなぐ一気通貫の研修プログラムを提供しています。組織状態の診断から研修実施、その後の定着支援までを徹底的にサポートする点が特徴です。

エンゲージメントを起点とした設計により、受講者の「やらされ感」を払拭し、現場が自律的に動き出す状態を生み出します。フォロワーシップが根付いた自律的な組織を目指す上で、投資対効果の高い組織変革を実現できるサービスといえるでしょう。

指示待ちから自律に向けて組織変革の第一歩を、フォロワーシップ研修とTUNAGコンサルティングで踏み出してみてはいかがでしょうか。

TUNAGコンサルティング

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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