【事例あり】ミッションドリブンな組織作りのための必要なステップとは?

組織が目標達成に向けた課題解決に苦戦している場合、ミッションドリブンを導入することが一つの解決策になり得ます。

ミッションドリブンのアプローチを取り入れることで、目標達成に必要なミッションの共有や従業員のモチベーション向上が促進されます。

本記事では、ミッションドリブンの基本的な概念や、組織へ浸透するために必要なステップ、企業の成功事例を詳しく解説します。

ミッションドリブンとは

ミッションドリブン(Mission Driven)とは、全ての選択と行動が組織のミッション、すなわち使命に基づいて行われることを指します。ドリブンは、英語の「drive」の過去分詞で、「~によって突き動かされた」または「〜を動力として活動する」という意味を持っています。

日常の選択肢の中から何を選ぶか、どのような業務に従事するか、あるいはどのように行動するかという場面で、常にミッションが中心となることが求められます。

企業が新たなビジネスを立ち上げたり、既存のビジネスモデルを再構築する際にも、その根本には「なぜこの会社を創るのか」「このビジネスを通じてどのような価値を提供できるのか」という問いが存在します。これらの問いが、ミッションドリブンなビジネスを推進する力となります。

ミッションドリブンには2種類あり、またそれぞれの取組の仕方や効果も変わってきます。

ミッションドリブンの種類

取り組み

効果

社外的

・社会的、環境的課題への取り組み

・コミュニティへの貢献

・倫理的な取引 など

・社会的、環境的な利益

・持続的な発展

・長期的な競争力を保持

社内的

・社内コミュニケーションの強化

・目標に対する進捗を定期的に評価、共有 など

・企業の一体感が生まれる

・全従業員が同じ方向を向いて努力する文化を築ける

ミッションドリブンな組織の特徴

ミッションドリブンな組織では、共有された目標に焦点を当てることで、生産性が向上し、業務が効率的に進行します。風通しのよいコミュニケーションが促されるため、変化に迅速に対応でき、より働きやすい環境が整います。

さらに、適材適所での人事配置が従業員に自身の強みを生かす機会を提供し、仕事への満足度を高める一方で、離職率の低下にもつながるといった効果も生み出します。

これらを踏まえて、ミッションドリブンな組織には、具体的にどのような特徴があるのでしょうか。3つの特徴をみていきましょう。

経営者と従業員が目標共有をでき、方向性が示されている

ミッションドリブンな組織では、経営者と従業員が共有する明確な目標と方向性が、組織全体の強力な一体感を生み出します。この明確な方向性によって、従業員は自らの業務を「自分事」として捉え、日々の仕事に対する意義とやりがいを感じることができます。

結果として、従業員はより積極的に業務に取り組むようになり、そのモチベーションの向上が組織全体の生産性を高めることにつながります。

従業員のリーダーシップが発揮されている

ミッションドリブンな組織において、従業員が共有されたミッションに深く共感し、その理念に基づいて日々の業務を行うことは、個々の判断基準を明確にします。これにより、従業員は自分自身で意思決定を行い、積極的に問題解決に取り組むことが可能となります。

結果として、各従業員が自身のリーダーシップを発揮し、より効果的に業務を遂行する組織が形成されます。これは従業員が自主的に行動し、主体的に業務に臨む文化を促進し、組織全体の成果にもつながる重要な要素といえるでしょう。

成果に対して定期的なフィードバックがある

ミッションドリブンな組織では、定期的なフィードバックが極めて重要な役割を果たします。

個々の従業員および各部門に対して行われるフィードバックにより、明確な目標が設定され、それぞれの業務における目的が強化されます。

このプロセスを通じて、従業員は自分の業務が組織全体の成果にどのように貢献しているかを理解し、その結果、モチベーションの向上と生産性の増加が見られます。

フィードバックは業務遂行の質を向上させるだけでなく、個人の成長や部門の効率改善に直接的に影響を与え、組織全体の成果の追求に寄与します。この継続的な評価と改善のサイクルが組織を常に前進させる原動力となります。

ミッションドリブンな組織を作るための3つのステップ

ミッションドリブンな組織を構築するためには、どのような手順を踏むといいのでしょうか。ここでは、3つのステップをご紹介します。

1. ミッションを認知・理解してもらう

まずは、従業員がミッションを認知し、理解してもらうための取り組みを行いましょう。

具体的には、全従業員が参加する定例会議や、経営者からのミッションに関する継続的なメッセージ発信などが挙げられます。

定例会議では、ミッションに基づいた戦略や目標が共有され、従業員は組織の方向性を深く理解する機会を得ることができます。

また、経営者による定期的なメッセージ発信は、ミッションの重要性を強調し、従業員の意識を一層高める効果があります。これらの取り組みにより、組織全体でミッションに対する一貫性とコミットメントが促され、戦略的な目標達成に向けた動機づけが強化されるでしょう。

2. ミッションに共感してもらう

つぎに、ミッションに共感してもらうための施策として、組織内での透明性を高める取り組みが重要です。具体的には、メンター制度の導入、定期的な1on1(ワンオンワン)の面談、そして役員との直接面談が挙げられます。

メンター制度では、経験豊富な従業員が新入社員や他の社員を指導し、組織のミッションや価値観を伝える役割を担います。

1on1の面談では、従業員と上司が個別に話し合うことで、個々の業務やキャリアの進展に関連したミッションの理解を深めます。また、役員との面談を通じて、組織の上層部も従業員の声を直接聞く機会を設けることで、双方向のコミュニケーションが実現します。

これらの取り組みは、ミッションへの理解と共感を促進し、組織全体の目標達成に向けた動機づけを強化します。

3. ミッションを自分ごと化する

ミッションを従業員が自身のこととして受け入れ、実践することが組織の目標達成には不可欠です。これを促進するために、日報を通じた業務の共有や評価制度が極めて重要な役割を果たします。

日報では、個々の業務内容や学びを共有することで、組織のミッションに沿った行動が日常的に行われているかどうかをチェックし、意識化を図ります。

さらに、評価制度を通じて、ミッションに基づいた行動や成果の達成度を定期的に評価し、適切なフィードバックを提供します。このように日々の業務報告と評価システムを統合することで、各従業員がミッションを個人的な使命として理解し、その達成に向けて積極的に行動するよう動機づけられます。

これにより、組織全体としてのミッション達成に向けたコミットメントが強化されるでしょう。

ミッションドリブンな組織づくりに成功した事例

ミッションドリブンな組織づくりに取り組んだ企業事例を3社ご紹介します。

会社の情報を定期的に発信し、理念浸透や会社理解を促進した事例(コクー株式会社様)

コクー株式会社は「人財」×「デジタル」領域で事業を展開し、ITインフラ事業やデジタルマーケティングなどの分野で活動しています。

同社は、社員が主に顧客先に常駐するビジネスモデルを採用しており、このスタイルが原因で帰属意識の希薄化やコミュニケーションの課題が発生していました。これを解決するため、社内コミュニケーションプラットフォーム「TUNAG」を導入しました。

TUNAGの導入により、社員はどこからでも会社の情報にアクセスできるようになり、社員同士の交流が促進されました。

具体的な取り組みとしては、社内表彰、トップメッセージの発信、社内ラジオ番組の運営などがあり、これらが社員間の「褒める文化」の浸透や情報の透明性向上に貢献しています。

また、これにより社員のコミュニケーションが活発になり、組織全体の理念浸透や会社への理解が深まりました。

事例記事はこちら>>客先常駐で離れていても、”体温のあるコミュニケーション” で社員が切磋琢磨し合う会社へ - コクー株式会社のTUNAG活用事例

本部と店舗の情報共有・コミュニケーション活性化を実現した事例(株式会社活美登利様)

株式会社活美登利は、東京、神奈川、千葉に10店舗を展開し、ハワイにも店舗を持つ回転寿司チェーンです。

同社では、情報共有の課題がとくに顕著で、本部からの重要な情報が店長レベルで止まり、アルバイトスタッフにまで適切に伝わらない状況でした。また、各店舗間での情報共有も不十分で、セキュリティ問題やすでに退職したスタッフへの情報漏えいリスクも抱えていました。

これらの課題に対処するため、同社は社内コミュニケーションプラットフォーム「TUNAG」を導入し、本部と店舗間の情報共有を劇的に改善。日常業務報告から緊急連絡まで迅速かつ確実に行えるようになりました。

TUNAGを通じて双方向のコミュニケーションが活性化し、「称賛文化」が醸成されることで従業員間のポジティブなフィードバックが増え、従業員の満足感が向上しました。

さらに本部と店舗のコミュニケーションを活性化させる施策を引き続き運用し、今後も、互いに尊重し合い、協力し合い、スタッフ一人ひとりを大切にする組織づくりを目指していきたいとのことです。

事例記事はこちら>>店長で止まっていた情報が、アルバイトまで行き届く。回転寿司店が現場DXを推進し、称賛文化の醸成に取り組む

現場社員に行き届く情報共有で、離職率が1年で約10%改善した事例(株式会社ダイセーセントレックス様)

株式会社ダイセーセントレックスは、食品や日用品の輸配送を行う物流会社で、全国に10拠点を展開しています。単独で働くドライバー職のクルー間の限られたコミュニケーション機会が高い離職率につながっていました。

また、従来の情報共有方法では、重要な経営情報が効果的に現場まで届かず、経営理念の浸透にも課題がありました。

これらの課題を解決するために、社内コミュニケーションプラットフォーム「TUNAG」を導入し、スマートフォンを利用して効果的な情報共有を実現。これによりドライバー間および本部とのコミュニケーションが向上し、1年で離職率が約10%改善しました。

TUNAGを通じて経営層のメッセージや経営理念が現場に直接届けられるようになり、経営理念の浸透と現場からのフィードバックのリアルタイム共有が進み、経営層と現場の間の相互理解が深まりました。

事例記事はこちら>>物流業界ならではのコミュニケーションや離職率の課題を改善 - 株式会社ダイセーセントレックスのTUNAG活用事例

まとめ

ミッションドリブンな組織では、全員が共通の目標達成に向けて協力することでチームの結束力を高めることができます。また、社員がミッションに共感し、それに向かって一丸となって努力することは、仕事への誇りと満足感をもたらします。

ミッションドリブンな組織を築くためには、従業員の視点を反映させた理念を策定し、それを社員にしっかりと共有することが重要です。

また、ミッションの定期的な更新と積極的な発信にも力を入れることが求められます。ミッションドリブンの原則を深く理解し、自社での実践を検討してみてください。

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