社内ポータルのデザインとは?TUNAG事例から学ぶ成功のポイントや構成要素を解説
社内ポータルは社員のマニュアル参照やスケジュール共有、掲示板など様々な用途で活用され、情報共有の促進や生産性向上に寄与します。しかし「何をどう設計すれば効果的な社内ポータルになるのか?」と悩む担当者も多いでしょう。本記事では社内ポータルのデザインに焦点を当て、効果的なデザイン要素や一般的なWebサイトとの違い、さらにTUNAGの事例から学ぶ成功のポイントや構成要素を解説します。
効果的な社内ポータルデザインの要素
社内ポータルの成功には、従業員が日常的に使いたくなる直感的なレイアウトや、ストレスなく目的の情報へたどり着ける情報構造、さらに自社の業務に必要な機能を柔軟に追加できる拡張性など、複数の観点から設計することが重要です。
ここでは、実際に運用されるシーンを想定しながら、効果的なデザインを構成する基本要素について詳しく見ていきましょう。
全体デザインとポートレットの配置
社内ポータルを構築する上で、まず取り組むべきは全体のレイアウト設計です。
社員が日々の業務でどのような情報にアクセスするのかを想定し、必要な情報にすぐたどり着ける導線を組むことが基本となります。
トップページには、「お知らせ」や「掲示板」「業務マニュアル」などの業務に関わる情報を集約し、どの部署の社員が見てもすぐに目的の情報が見つかるような構成が望ましいでしょう。
また、社内ポータルでは「ポートレット」と呼ばれる小さな機能ユニットが重要な役割を担います。ポートレットとは、カレンダーや申請フォーム、アンケート、社内SNSなど、特定の機能を提供するミニアプリのようなもので、ページごとに自由に配置できます。
必要な機能を必要な場所に設置することで、業務効率の向上と社内コミュニケーションの活性化が同時に実現します。
テンプレートとプラグインの活用
1から社内ポータルを設計するのは時間もコストもかかるため、初期構築にはテンプレートとプラグインの活用が有効です。
テンプレートは、あらかじめレイアウトやデザインが整っている雛形のことで、短時間で見栄えのよいポータルを構築することができます。
さらに、プラグインを活用すれば、チャット機能や掲示板、ファイル共有などの拡張機能を後から追加でき、自社独自のニーズに対応したカスタマイズが可能になります。
たとえば、WordPressのようなCMSを使えば、豊富なテンプレートとプラグインを組み合わせて、柔軟かつ効率的に社内ポータルを構築できるでしょう。
導入後は、セキュリティ更新やプラグインの整合性チェックなど、運用保守にも意識を向けておく必要があります。
情報の整理と視認性の向上
いくら多機能な社内ポータルでも、情報が煩雑で使いにくければ社員の利用率は上がりません。
日々の業務で使うものだからこそ、どこに何があるのかが一目で分かるよう、情報構造を丁寧に設計することが求められます。
カテゴリーやタグを活用して情報をグループ分けし、配色やフォントに統一感を持たせることで、視認性を大きく向上させることができます。
また、優先度の高い情報は画面上部や左上に配置するなど、自然と目に入るように工夫するのもポイントです。
アイコンやカラーを活用した視覚的なナビゲーションを設けることで、初めて利用する社員でも迷うことなく目的の情報にたどり着けるでしょう。
こうした工夫は、情報共有の効率化にもつながり、社内全体の業務生産性を高める効果が期待されます。
一般的なWebサイトと社内ポータルサイトは何が違うのか
一般的なWebサイトと社内ポータルサイトはどちらも「情報を提供するウェブサイト」という共通点がありますが、その設計思想や目的、使われ方には決定的な違いがあります。
一般向けのWebサイトは社外の顧客や取引先、求職者に向けて公開されるのに対し、社内ポータルサイトはあくまで従業員だけが利用するための社内限定のプラットフォームです。
そのため、誰のために、何を届けるかという観点から、コンテンツ設計やセキュリティ、運用方針に至るまで根本的に異なるアプローチが必要になります。
ここでは、それぞれの役割や運用上の違いについて詳しく見ていきましょう。
対象は不特定多数か従業員か
社内ポータルサイトと一般的なWebサイトを分ける最も大きなポイントは、対象となるユーザーの範囲にあります。
一般的な企業のWebサイトは、不特定多数の外部ユーザーに向けて情報を発信するのが目的です。顧客や取引先、求職者など多様な立場の人々が閲覧するため、誰が見ても理解できる表現や、広く受け入れられる構成が求められます。
一方、社内ポータルサイトはその企業に所属する社員のみを対象としたクローズドな情報発信基盤です。
社員が日常的にアクセスし、必要な業務情報や社内連絡を効率的に取得できるよう設計されており、社内独自の用語や略語を活用した表現も許容されます。
つまり、外向きの汎用性を求めるWebサイトと、内向きの実用性を追求する社内ポータルでは、伝え方や内容の濃度が大きく異なってくるのです。
公開範囲とセキュリティが異なる
両者の違いは、アクセスの制限やセキュリティ面にも顕著に表れます。一般のWebサイトは誰でも閲覧できる公開サイトであるため、基本的には機密情報を扱うことはありません。
しかし、社内ポータルサイトは社外には公開されず、アクセスには社員専用のIDやパスワードが必要であることが大半です。
このような閉じた環境だからこそ、社内ポータルでは業務連絡、マニュアル、給与明細、会議資料といった社外秘の情報も扱えるのです。
その分、セキュリティにはより高い水準が求められ、二要素認証やシングルサインオンといった認証方式、通信の暗号化、アクセスログの管理など、厳重な情報管理体制を整備する必要があります。
単なるWebページとしてではなく、社内インフラの一部として捉えるべき存在です。
目的は集客ではなく業務支援
一般的な企業サイトの主な目的は、企業の存在を社外に広く知ってもらい、商品やサービスの認知向上、問い合わせ、採用応募などにつなげることです。
いわば「人を集める」ことを前提としたマーケティングツールです。一方、社内ポータルサイトの目的は真逆で、すでに社内にいる従業員に対して「必要な情報を漏れなく効率的に届ける」ことにあります。
情報共有を円滑にし、業務の生産性を高め、社員同士の連携を支援するための道具として機能するのです。
掲示板やFAQ、業務フローの申請機能などを通じて、従業員の日々の業務をサポートする実務的な役割を果たします。
そのため、見栄えやデザインよりも操作性・可読性・検索性といった実用面が最優先されます。言い換えれば、「見せる」ためのWebサイトと、「使う」ためのポータルサイトでは、KPIも、設計思想もまったく違うということです。
社内ポータルデザインの成功事例
社内ポータルの導入は、単なる情報共有の枠を超え、組織文化の醸成や業務効率の向上といった多面的な効果をもたらします。
ここでは、理念の浸透と業務効率化を同時に実現した相互開発株式会社と、ペーパーレス化による業務効率向上を達成した瑞鳳会グループの取り組みを紹介します。
理念浸透と業務効率化を同時に実現した相互開発株式会社の取り組み
相互開発株式会社は、北海道と茨城県を拠点に農業土木事業を展開する企業です。同社では、従業員数の増加に伴い、理念の浸透や情報伝達の効率化に課題を感じていました。
そこで、社内ポータルとしてTUNAGを導入し、理念を定期的に発信する仕組みを整備しました。
また、従業員が月初に個人目標や前月の振り返りを投稿する「振り返りと行動改善」の仕組みを導入し、目標に向かって行動する文化を醸成しています。
さらに、特定の投稿に対してポイントを付与する「SOUGOポイント」制度を導入し、従業員の積極的な情報共有を促進しました。これらの取り組みにより、管理職の意識改革や現場同士の助け合いが生まれ、組織全体の活性化が進んでいます
1,200km離れた北海道と茨城の現場をつなぐ。「同じベクトル」を目指す社内コミュニケーションの秘訣とは | TUNAG(ツナグ)
ペーパーレス化と業務効率向上を実現した瑞鳳会グループ
瑞鳳会グループは、岐阜県を中心に医療・介護・福祉サービスを提供する法人です。同グループでは、紙ベースの情報共有により組織の風通しが悪く、稟議や申請に時間がかかるといった課題を抱えていました。
これを解決するためにTUNAGを導入し、稟議申請や勤怠申請を電子化しました。その結果、決裁期間が3週間から3日程度に短縮され、残業時間も90%以上削減されました。
また、グループ内の行事や勉強会の案内、トップのメッセージなどをTUNAGで発信することで、職員間の距離が縮まり、風通しの良い組織風土が醸成されています。
今後は表彰制度やマニュアル整備などもTUNAG上で進め、さらなる業務効率化を目指しています。
ペーパーレス化で決裁期間75%短縮、残業時間90%削減。風通しの良い組織を目指す瑞鳳会グループの取り組み | TUNAG(ツナグ)
効果的な社内ポータルデザインの実現に向けて
社内ポータルのデザインは、単なる「見た目」や「利便性」だけにとどまらず、企業文化の浸透、業務効率の向上、従業員エンゲージメントの強化といった、組織全体に波及する重要な要素です。
かつての社内サイトは、掲示板やリンク集といった情報の一方通行型が主流でした。しかし今では、社内ポータルは業務に必要な情報やツールを一元化し、部門を超えたコラボレーションを促進する「社内のハブ」として進化しています。
効果的な社内ポータルを実現するには、現場の声を丹念に拾いながら、経営層や人事部門が中長期的な視点で設計に関わることが不可欠です。
社員が「毎日使いたくなる」使いやすさと、組織として「届けたいメッセージ」が自然に伝わる設計。この両輪がそろったとき、社内ポータルは単なる業務ツールを超え、企業成長を支えるインフラへと進化します。
こうした理想をスムーズに実現できるのが、エンゲージメント向上プラットフォームTUNAG(ツナグ)です。TUNAGなら、社内報・掲示板・表彰・福利厚生など、多様なコンテンツをひとつのポータル上に集約でき、スマートフォンからも直感的に操作ができます。
TUNAGは組織の状態を可視化しながら、エンゲージメント施策の実行・改善まで一貫してサポートします。