2024.10.28

ホテル業界の今後は？現状と今後の課題に対する解決策を徹底解説！

この記事では、ホテル業界の現状と今後の課題についての解決策を徹底解説しています。ホテルのオーナー様や管理者の方は是非参考にしてみてください。

ホテル業界の市場傾向

ホテル業界の課題を知る前に、現状の市場傾向を知っておくことが重要です。

コロナ禍以降は回復傾向

日本は観光立国を謳っており、2007年1月に発表された「観光立国推進法」により、外国人観光客を受け入れる体制を整えることで、インバウンド影響を軸にホテル業界は需要が活性化しました。その後、2019年以降の新型コロナウイルスの蔓延により著しく業績を下げましたが、観光庁が令和5年に発表した「宿泊旅行統計調査」から、宿泊者数は日本人は約4億9,000万人、外国人は約1億1,000万人と回復傾向にあることが見て取れるようになりました。外国人の宿泊者数に至っては、前年比と比べ613%も宿泊者数が増加しており、新型コロナウイルスが蔓延する以前を含めても、過去最大で宿泊者数が増えました。コロナ禍以降の宿泊者数は回復傾向にあると考えられます。

参考：国土交通省観光庁観光立国推進基本計画

　　宿泊旅行統計調査延べ宿泊者数・客室稼働率推移表

インバウンドの影響がある

真っ先に考えられるものとして、インバウンドが増加し、ホテル業界に良い面で影響を与えると考えられます。インバウンドとは、海外から観光客の方々をさした言葉で、日本を訪れる方々は、訪日外国人旅行や訪日旅行といったりもします。円安の影響で、外国人観光客にとっては日本での消費は安いため、日本人が東南アジアへ旅行に行くように、今後日本にはこれまで以上に外国人観光客がやってくると考えることができます。

今後も競争は激化していく

ただ、ホテル業界だけではなく宿泊業界全体としては、競争が激化していくことが考えられます。理由としては、近年「変なホテル」といった従業員がおらず、全てロボットが運営しているコンセプトを重視した形態や、特区民泊といった民泊新法を無視して営業日数を繁忙期にずらせる宿泊形態など、幅広く展開されています。グランピングやゲストハウスも近年急激に増えていることから、今後も競合が増えていくと考えられます。

ホテル業界の現状課題

ホテル業界が直面している課題は他にもあります。今回は、ホテル業界がよく直面している4つの課題をあげます。

人手不足

1つ目は、人手不足です。帝国データバンクの調査によると、2024年4月現在、宿泊業界における正社員の人手不足割合は「旅館・ホテル」が 71.1％で日本全体で2位になりました。人手不足の背景として、ポストコロナによる急激な観光需要の回復による、多忙な勤務、拘束時間に耐えきれず離職する正社員が多いことが影響していると考えられます。今後も円安の影響で外国人観光客が増えることが予想されるのでその分異なる価値観に対応する機会が増え、多忙な勤務になると、人手不足が加速すると考えられます。

参考：株式会社帝国データバンク人手不足に対する企業の動向調査（2024年4月）

離職率が高い

2つ目は、離職率です。ホテル業界は長年離職率が高いことが問題になっています。令和4年に厚生労働省が発表した「産業別入職率・離職率」を見ると、ホテル業界が含まれるサービス業の離職率は19.4%と、他の業界の離職率を大きく上回ります。また、有効求人倍率の「接客・給仕の職業」は有効求人倍率は1.78倍であり、人の流入と流出が頻繁に繰り返されていることが伺えます。

参考：厚生労働省令和4年雇用動向調査結果の概況

グローバルな対応が遅れている。

3つ目は、グローバルな対応が遅れていることです。先述した通り、外国人観光客によるインバウンドが急激に増えました。そのため異なる言語を話せることや、誰でも快適にすごることのできる環境を作るための機材導入が求められますが、人手が少ない中で、接客、客室内や共有スペースの清掃、厨房、大浴場含めた点検など、業務が多岐にわたり、時間が限りなく少ないホテル業界ではそういった採用活動や機材導入は遅れている傾向にあると考えられます。

景気に左右されやすい

4つ目は、景気に左右されやすいことです。コロナ禍期間を事例に挙げると、感染状況の悪化や緊急事態宣言の発令、『Go Toトラベル事業』の実施により、宿泊者数が大幅に上下しました。こういった外的要因による環境の変化に素早く対応しなければ、繁忙期と閑散期の移り変わりを見誤り、変動費をメインとした余計な出費を増やし、最悪の場合は、廃業につながってしまいます。常に時事ニュースや社会動向に注目し、業界関係者同士で情報を共有できるような環境を整えることが必要です。

施設の老朽化

5つ目は、施設の老朽化です。当然ですが、ホテルの修繕にはたくさんの費用が必要になります。ただ、2023年以降、資材が高騰化しており、それにともなって設備工事費・建築費などもわせて値上がりし続けています。自身のホテルが古くなっても、資金不足が原因で必要な改修ができない場合もあるでしょう。さらに、修繕できたとしても修繕費用との費用対効果が見込めないと、廃業につながってしまいます。管理者やオーナーとしては難しい判断になるかと思いますが、現代はネットの口コミやSNSの書き込みによるレビューは誰もがアクセスし、事前にどんな実態なのか検討することが可能です。施設が老朽化している書き込み1つで宿泊者数が減少することも考えられます。稼働率を上げるために宿泊単価を下げなければならなくなることもあるでしょう。結果として、さらに収益が減り、修繕が行えなくなるという悪循環に陥りやすくなります。できる限り、早めの対策が必要です。

ホテル業界の経営課題

このような経営問題を解決するためにはどうしたらいいのでしょうか。具体的に解説させていただきます。

従業員に快適な環境を整備する

大前提として、あなたのホテルの従業員は快適な環境で業務ができているでしょうか。従業員が満足して活動ができているならそもそも離職する従業員は少ないはずです。

もしあなたがホテルのオーナーならば、今一度従業員が働く環境を確認してみてください。具体的には下記項目になります。

不規則な勤務形態になっていないか
有給休暇が取りづらくないか
月給は足りているか
繁忙期の忙しさに耐え切れる体制か

対策が必要な場合は、ITツールやIoTのシステムを導入し、スタッフの業務効率化を図ることを検討する必要があります。

DX化を促進させる

負担が減れば離職する従業員は少なくなります。そして、ホテル業界ではフロント業務をはじめとした、あらゆる業務のDX化が可能です。このタイミングでDX化することで従業員の負担を軽減し、人手の流出をおさえましょう。

補助金、助成金を利用する

DXを導入するにあたって、資金が足りないホテルオーナーもいると思います。その際には、「IT導入補助金」「ものづくり・商業・サービス補助金（デジタル枠）」を利用することを検討してください。従業員数などの細かい条件が関わってくるため、外部の専門のコンサルタントを雇うことをおすすめします。また、その他にも施設の修繕やインバウンド対策に利用できる補助金もあるので、一度チェックしてみてください。

DX化をするメリットとして、従業員の負担軽減以外にも、顧客のデータ化によるターゲット選定なども見込むことができ、外的環境の変化にも素早く対応することが可能になります。DX導入の事例をご紹介します。

ホテル業界 DX事例

顧客予約システムにより、自動チェックイン・アウトが可能に

自社サイトからの直接予約、無線経由からの予約、顧客管理システムを連携させれば、業務負担が大きい在庫管理や料金設定はすべて自動化できます。その他にも、正確にシステムが処理してくれるので入力し直す手間や、ダブルブッキングなど、人的ミス防止にも役立ちます。

清掃ロボットによる、清掃で従業員のコスト削減、リソース確保

ホテルにとって、清掃係は毎日必要な業務ですが、どこも深刻な人手不足に悩まされているのが現状です。ただ、ロボットでも清掃が可能な場所がたくさんあります。清掃ロボットを従業員と併用することで、清掃時間は大幅に短縮することができます。

観光のコンシェルジュロボットを設置し、人的コスト削減。

従業員の方は、顧客に観光スポットや穴場のご飯屋さんなどを聞かれることがあります、もちろん接客という大事な業務の一部ではありますが、どんな環境が好きか、前日はどこに行ったのかなどヒアリングした上で案内するのは中々に手間です。共有スペースにタブレット端末や、特設サイトなどを設けることで、顧客が自分で入力した上で、好みの場所を案内するコンシェルジュの役割をしてもらえば、人的コスト削減につながると考えられます。

情報とコミュニケーションの一元化にはTUNAGがおすすめ

TUNAGとは？

DX化について記述してきましたが、情報とコミュニケーションの一元化にはTUNAGがおすすめです。TUNAGとは、組織エンゲージメントを高めながら、各拠点のスタッフと情報共有をし、業務DXを図れるツールになります。従業員への一斉メッセージや、依頼を投げるチャットルームが複数存在していたりしませんか？また大規模なホテルにもなると、従業員の顔と名前が一致しないなんてこともありえます。そういった悩みを全て解決することが可能なツールがTUNAGになります。