働く意義を再定義!従業員の定着率・業績アップにつながる企業の取り組み
近年、多くの企業が「なぜ働くのか?」という問いに向き合い始めています。働く意義を再定義することで、社員のエンゲージメントが向上し、定着率や業績アップにもつながります。本記事では、企業が実践できる具体的な取り組みや成功事例を紹介します。社内制度の見直しや評価体系の改善を通じて、社員がやりがいを持ち、成長できる環境づくりのヒントを解説します。
従業員が働く目的と意義
従業員のモチベーションは会社の成長にとって不可欠な要素です。しかし、給与のために仕事を淡々とこなす従業員が多く、働く目的を聞いてもあやふやな返答しか返ってこない職場では、従業員のモチベーション向上は期待できません
従業員のモチベーションを向上させ、会社だけではなく社会にとっても有益な人材に成長してもらうためには、従業員が自らの働く目的と意義について自覚的であることが求められます。そのため経営者も当然従業員が何のために働くのかを知っておいた方がいいでしょう。
公益財団法人日本生産性本部の調査結果をもとに、従業員が何のために働くのか、その目的と意義について詳しく解説します。
参考:平成31年度新入社員「働くことの意識」調査結果|公益財団法人日本生産性本部
もっとも多い理由は「楽しい生活をしたい」
同調査によれば、新入社員が「働く目的」として最も多い回答は「楽しい生活をしたい」で39.6%
でした。単に収入を得るためだけでなく、プライベートの充実や趣味を楽しむために仕事を選ぶ傾向が強まっていることを示しています。
特に近年は、仕事とプライベートのバランスを重視し、ワークライフバランスが整った職場を求める人が増えています。
「自分の能力をためす」は減少傾向
働く目的として「自分の能力をためす」というのは、過去には働く目的として割合が多かった時期もありましたが、同調査では10.0%となっており、年々減少傾向にあります。
特に若年層では、挑戦よりも安定やプライベートの充実を重視する傾向が強まっています。これは、終身雇用の崩壊や経済の変動が影響し、リスクを取るよりも安全なキャリアを築きたいと考える人が増えているためです。
また、企業側の評価制度や昇進の仕組みも、この傾向に影響を与えています。従来は成果主義が重視されていましたが、現在はチームワークや協調性が求められる場面が増え、「個人の能力を試す」という考え方が薄れてきました。そのため、自己成長を求める人にとっては、会社の評価基準が曖昧に感じられ、モチベーションを維持しにくい状況になっています。
「社会に役立つ」「経済的に豊かになる」
同調査によれば、平成23年頃まで増加していた「社会に役立つ」も減少傾向となっており、現在はほぼ横ばいの数値です。
また、近年増加傾向にあった「経済的に豊かになる」は、昨年度の30.4%から今年度28.2%に減少していますが、依然として働く目的としての割合は多くを占めています。
特に成果報酬型の業界やスタートアップ企業では、高収入を目指す人が集まる傾向があります。しかし、高収入を得るためには長時間労働や厳しい競争を伴うこともあり、企業側としては従業員のモチベーションを適切に維持するための施策が必要です。
従業員の働く意義が会社にとって重要な理由
従業員の働く意義が明確である場合、会社にとって大きなメリットがあります。以下では、どのようなメリットがあるのかを詳しく解説します。
従業員の定着率が向上する
従業員が働く意義を感じられる職場では、定着率が向上します。仕事に対して目的意識を持てると、長期的なキャリアを考えやすくなり、「この会社で成長したい」と思う従業員が増えるためです。逆に、働く意義が見いだせない職場では、「何のために働いているのかわからない」と感じる人が増え、結果として離職率が高くなります。
特に、企業の理念やビジョンが明確で、それが従業員の価値観と一致している場合、より強い結びつきが生まれます。例えば、「社会に貢献する」という意識が強い従業員に対して、企業が社会的責任(CSR)活動やボランティア支援を積極的に行っていれば、働くことに意味を見出しやすくなるでしょう。
従業員の働く意欲が高まる
働く意義を感じられる環境では、従業員のモチベーションが向上します。目的意識を持った従業員は、自発的に業務へ取り組み、スキルアップを目指すようになります。その結果、創造性や主体性の向上にもつながります。
加えて、働く意義を実感できる環境では、従業員同士が同じ目的に向かって業務を遂行できるため仲間意識が高まり、相乗効果でお互いの意欲を高める結果につながるでしょう。
働く意欲が高い従業員が多く存在することは、職場全体が良い雰囲気になるのです。
会社の業績が上がる
働く意義を感じられる環境では、従業員は単に与えられた業務をこなすだけでなく、業務の効率化や新たなアイデアの創出にも積極的に取り組むようになります。これは組織全体の競争力向上につながり、他社との差別化にも寄与します。
また、仕事への満足度が高まることで離職率が低下し、採用や教育にかかるコストも抑えられるため、企業の経営基盤がより強固なものとなります。
従業員が働く意義を見いだせないと会社はどうなる?
働く意義を見いだせない職場では、優秀な人材が離職し、職場環境の悪化を招く可能性があります。企業にとってのリスクを具体的に解説します。
優秀な人材ほど「働く意義」を求める
優秀な人材は、単に労働するだけでなく「なぜこの仕事をするのか」という明確な意義を求めます。自身のスキルや知識を活かし成長し、社会に貢献したいと考える彼らは、仕事に対する目的意識が高いです。
しかし、企業がその意義を提供できなければ、特に若手は早期退職を選びやすくなります。経営者は企業のミッションやビジョンを定期的に共有し、従業員一人ひとりのキャリアプランを尊重することで、離職を防ぐ対策が求められます。
ゆるブラック企業になる可能性も
働く意味を感じられない職場は、「ゆるブラック企業」と呼ばれる環境になりがちです。ゆるブラック企業とは、ブラック企業ほど過酷な労働環境ではなく、むしろ体制だけを見ればホワイトであるものの、従業員が仕事の意義を見出せず、ただ流されるように業務をこなす状況を指します。
一見すると問題ない労働環境であるものの、従業員に働くモチベーションがないため、生産性が大幅に落ち、イノベーションも生まれにくくなります。
経営者の思う方向に舵を切れない
働く意義を見いだせない従業員が増えると、経営者が考える方向に組織を動かすことが難しくなります。従業員が企業のビジョンや目標に共感していなければ、新しい戦略を打ち出しても積極的に取り組んでもらえず、組織全体の足並みが揃わなくなるためです。
例えば、市場環境の変化に対応するために新しい事業に挑戦しようとしても、「現状維持で十分」と考える従業員が多いと、社内で抵抗が生まれ、スムーズな変革が難しくなります。
変化を恐れる文化が定着すると、企業としての成長スピードが鈍化し、競争力を失う可能性もあります。
従業員に働く意義を見つけてもらうためのアプローチ
企業側が従業員の働く意義を高めるためには、経営理念の共有やキャリアサポートが欠かせません。具体的な施策を紹介します。
経営理念やビジョンの明確化と共有
従業員が働く意義を感じるためには、企業の経営理念やビジョンを明確にし、それを社内で共有することが重要です。
企業は経営理念やビジョンを掲げるだけでなく、それを具体的な行動指針として社内に浸透させることが大切になります。
朝礼や全社ミーティングで理念を共有したり、デジタルツールを活用して企業の目標と個人の業務がどのように結びついているのかを説明する機会を設けることで、従業員の理解が深まり、働く意義を実感しやすくなるでしょう。
キャリアパスとスキルアップの機会を提供
働く意義を感じながら業務に取り組むためには、従業員が自身の成長を実感できる環境が欠かせません。
そのためには、明確なキャリアパスを示し、スキルアップの機会を提供することが必要です。キャリアの選択肢が明確に示され、スキルを高める機会が整っている環境では、従業員は具体的な目標を持ちやすくなります。
例えば、「数年後には管理職を目指せる」「特定のスキルを磨くことで専門職としての道が開ける」など、自身の成長イメージが明確になることで、日々の業務に取り組む姿勢も変わります。
単に与えられた業務をこなすのではなく、次のステップに進むために何を学ぶべきか、どのような経験を積むべきかを主体的に考えながら行動するようになるのです。
1on1面談で役割や目標を確認
従業員が働く意義を感じるためには、自分の役割や目標が明確になっていることが重要です。しかし、多くの企業では業務がルーティン化し、従業員が「自分がこの会社で何を求められているのか」を見失いがちです。そのため、定期的な1on1面談を実施し、上司と従業員が対話を通じて目標やキャリアについて話し合うことが効果的です。
1on1面談を導入している企業では、従業員の悩みやキャリアの希望を把握し、それに応じたフィードバックを提供することで、従業員のモチベーション向上につなげています。
その際、1on1面談を単なる業務報告の場にせず、キャリアの方向性やスキルアップの支援を話し合う機会にすることが大切です。また、従業員の意見をしっかりと聞き、フィードバックを適切に行うことで、信頼関係を築きながら働く意義を明確にできるでしょう。
会社への貢献を可視化
従業員が働く意義を実感するためには、自分の仕事が会社や社会にどのように貢献しているのかを理解できる環境が必要です。
業務が細分化されすぎている職場では、「自分の仕事が全体にどんな影響を与えているのか」が見えにくくなり、モチベーション低下の要因となります。そのため、会社の成長や成果に対して、従業員の貢献を可視化する仕組みを作ることが重要です。
具体的には、従業員同士でのちょっとした親切や気配りを「サンクスカード」で伝えたり、社内ポイントとして付与するといった取り組みが挙げられます。これらのポイントを可視化できるツールを使えば、どの従業員が「サンクスカードを多くもらっているのか」などが一目でわかるようになります。
従業員の働く意義を見つけるなら「TUNAG」で
「TUNAG」は、従業員のエンゲージメントを高めるためのツールです。その機能や成功事例を紹介し、導入のメリットを解説します。
TUNAGはエンゲージメントを高める機能が満載
TUNAGは、企業と従業員のエンゲージメントを強化するためのプラットフォームです。
経営理念やビジョンの共有、社内SNS、評価・承認システム、キャリア支援などの機能を活用することで、従業員は自分の仕事が会社にどのように貢献しているのかを理解しやすくなり、組織全体の活性化に寄与します。
また、スマートフォンからのアクセスにも対応しており、職種や雇用形態を問わず、全従業員が利用しやすい設計となっています。
TUNAGを導入することで、社内の情報共有がスムーズになり、従業員同士のコミュニケーションが活性化し、組織全体のエンゲージメント向上が期待できます。
TUNAGで従業員エンゲージメントが高まった事例
TUNAGを導入した企業では、従業員のエンゲージメント向上や定着率の改善といった成果が多数報告されています。
例えば、株式会社VITA様では、社員が客先常駐で働くことが多く、会社への帰属意識の醸成やコミュニケーションの活性化に課題を抱えていました。TUNAGを導入したことで、スマートフォンアプリを通じて日報や週報の提出が容易になり、社員間のコミュニケーションが活発化しました。その結果、離れて働く社員同士のつながりが強化され、帰属意識の向上に成功しています。
また、株式会社山梅様では、業務日誌のリアルタイムな共有や、重要情報の蓄積が課題となっていました。TUNAGの導入により、業務日誌をスマートフォンで閲覧・コメントできるようになり、タイムリーなコミュニケーションが実現しました。さらに、部署を超えた交流や、社員の喜びを共有する取り組みを通じて、組織全体のエンゲージメントが高まりました。
これらの事例からも分かるように、TUNAGの導入は従業員のエンゲージメント向上に大きく貢献します。
上記の事例を詳しく知りたい方はこちらから
SES事業ならではの帰属意識の課題を解消。VITAの「SNS感覚で使える」エンゲージメント基盤|TUNAG(ツナグ)
リアルタイムのコミュニケーションをアプリで実現。業務日誌や部署間交流で「社員の喜び」をつくる山梅の事例|TUNAG(ツナグ)
まずは自社の従業員のエンゲージメントをチェック
自社のエンゲージメント状況を把握することは、組織の課題を明確にし、適切な施策を講じるために欠かせません。TUNAGが提供する「TERAS」は、従業員エンゲージメントを可視化し、組織の健康状態を把握するための診断サービスです。定期的なアンケートやデータ分析を通じて、エンゲージメントスコアを算出し、強みや改善点を明確に示します。
診断結果に基づき、適切な施策を提案することで、企業が実行可能な改善アクションを具体化できます。さらに、匿名性を確保した調査により、従業員が率直な意見を伝えやすい環境を整えることが可能です。
組織の状態を正確に把握し、エンゲージメント向上の第一歩を踏み出したい企業にとって、TERASは強力なサポートツールとなるでしょう。
TERASは基本料金無料です。自社のエンゲージメントをチェックしたい経営者・企業担当者様は、以下ページよりチェックしてみてください。
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働く意義を会社と従業員が共有することが重要
従業員が働く意義を見出せる環境を整えることは、企業の成長に直結します。
仕事に対する目的意識を持つことで、従業員のエンゲージメントが向上し、定着率の改善や生産性の向上につながるでしょう。特に、企業の経営理念やビジョンを明確にし、それを従業員と共有することが重要です。
さらに働く意義を明確化することはキャリアパスの明確化やスキルアップの機会を提供することで、個々の成長を促し、モチベーションの維持にも寄与します。
1on1面談を活用した目標設定や、貢献を可視化する取り組みも有効です。企業が従業員と共に働く意義を再定義し、それを日常業務に落とし込むことで、より強固な組織づくりが実現可能です。
まずはエンゲージメントの現状を把握し、適切な施策を講じることが、持続的な企業成長のカギとなるでしょう。