働く意義とは、仕事をする目的や、自分の仕事にどのような意味や価値を感じているかを表すものです。
働く意義は人によって異なりますが、自分の仕事と会社や社会への貢献がつながることで、やりがいや働く意欲を感じやすくなります。企業にとっても、従業員が「なぜここで働くのか」を考えられる環境をつくることは、定着やエンゲージメントを高めるうえで重要です。この記事では、従業員が働く理由の実態と、働く意義を見つける具体的な方法、企業にもたらすメリットを解説します。
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従業員が感じる働く意義は、生活の充実や収入、自己成長、社会貢献など一つではありません。
日本生産性本部が2019年度の新入社員1,792人を対象に実施した調査では、働く目的について以下のような結果が出ています。
働く意義とは、必ずしも仕事そのものを人生の最優先事項にすることではありません。仕事を通じて何を得たいのかという価値観も含めて捉える必要があります。
参考:平成31年度新入社員「働くことの意識」調査結果|公益財団法人日本生産性本部
働く意義を考えるうえで、調査でもっとも多かった回答は「楽しい生活をしたい」です。
日本生産性本部の2019年度調査では39.6%を占め、前年の41.1%から減少したものの最も高い割合でした。この結果からは、仕事そのものだけでなく、仕事によって充実した生活を実現することも働く意義になり得ると分かります。例えば、安定した収入を得ることや家族との時間を確保することも、働く理由として十分に成立します。企業側は「仕事に情熱を持つべき」と価値観を限定せず、多様な働く意義を尊重する姿勢が重要です。
働く意義として「自分の能力をためす」を選ぶ割合は、長期的な低下を経て低い水準となっています。2018年度には10.0%と当時の過去最低を記録し、2019年度は10.5%へわずかに増加しました。ただし、この結果だけで従業員が成長を求めなくなったと判断するのは適切ではありません。自分の能力を伸ばすことだけではなく、生活との両立や収入など、働く意義が多様化している可能性があります。会社は研修を用意するだけでなく、習得した能力が仕事やキャリアにどうつながるのかまで示すことが大切です。
働く意義には、社会への貢献と経済的な豊かさという異なる価値観があります。2019年度の調査では「経済的に豊かな生活を送りたい」が28.2%、「社会に役立つ」が9.3%でした。社会貢献だけを強調しても、すべての従業員が働く意義を感じられるとは限りません。給与や評価を通じて自分の生活が豊かになることも、仕事を続ける重要な理由です。会社の理念と従業員自身の価値観がどこで重なるのかを見つけることが、働く意味を深めるポイントになります。
働く意義を見つけてもらうには、会社の目的と個人の仕事をつなぎ、成長や貢献を実感できる環境を整えることが重要です。
具体的には、以下の4つの方法があります。
従業員に働く意義を一方的に教えるのではなく、自分自身で見つけられる材料を会社が提供することが大切です。
働く意義とは何かを考えるうえで、会社が目指す方向を明確にすることは重要です。
経営理念やビジョンが伝われば、自分の仕事が会社のどの目的につながっているのかを理解しやすくなります。一方で、理念を社内に掲示しただけでは、日常業務とのつながりまで理解してもらうことは難しいでしょう。経営層から背景や具体的なエピソードを発信し、各部署の業務と結び付けて説明する必要があります。「経営理念→部署の役割→個人の仕事」というつながりを見えるようにすることで、働く意義を自分ごととして捉えやすくなります。
将来の成長が見えることも、従業員が働く意義を感じるきっかけになります。
今の仕事を続けた先にどのような経験や能力が得られるのか分からなければ、目の前の業務を単なる作業と感じる場合があります。管理職だけをゴールにせず、専門職や職種転換など複数のキャリアパスを用意するとよいでしょう。研修や資格取得支援を設ける場合も、その学びを実際の仕事で使える機会まで設計することが大切です。自分の成長と会社で働くことがつながれば、働く意義を長期的に感じやすくなります。
1on1面談は、従業員自身の働く意義と現在の役割を結び付ける機会になります。
会社から設定された目標だけを確認するのではなく、本人が仕事で大切にしていることを聞くことが重要です。例えば「どの仕事にやりがいを感じたか」「今後どんな経験を積みたいか」といった対話が役立ちます。そのうえで、現在任せている仕事がチームや会社にどのような価値を生んでいるのかを上司から伝えます。評価面談とは別に継続的な対話を行うことで、役割への納得感や働く意義を確認しやすくなるでしょう。
自分の仕事が誰かの役に立っていると分かることは、働く意義を実感する大きなきっかけになります。
売上など成果が数字に表れやすい職種だけでなく、バックオフィスなどの貢献も見える状態をつくることが重要です。顧客から届いた感謝の声や他部署からの評価を社内で共有すると、仕事の影響を具体的に理解できます。サンクスカードや表彰制度を活用し、日常の小さな貢献を伝え合う方法もあります。成果だけではなく「誰の役に立ったのか」まで可視化することで、日々の業務と働く意味がつながりやすくなります。
働く意義を感じられる環境づくりは、従業員だけでなく会社にとっても重要です。
特に期待できる効果として、以下の3つがあります。
働く意義とエンゲージメントは同じ概念ではありません。ただし、自分の仕事に意味を感じられる環境はエンゲージメントを支える重要な要素と考えられます。
働く意義を感じられる職場では、従業員がその会社で働き続ける理由を持ちやすくなります。
WorldatWorkの2026年調査では、長期的に勤務する理由として「意味のある仕事」を上位3項目に選んだ従業員は36%でした。ただし、働く意義があれば給与や労働環境を軽視してよいわけではありません。適切な待遇を土台として、成長や貢献を実感できる環境をつくることが定着につながります。「ここで働く理由」を複数持てる状態にすることが、人材定着を考えるうえで重要です。
仕事の目的や価値を理解できると、働く意義が生まれ、主体的に行動しやすくなります。
指示された作業をこなすだけの場合と比べて、目的が分かれば自分で判断できる範囲も広がります。McKinseyの調査でも、仕事を通じて自分の目的を実現できている従業員ほど、仕事や生活に関する良好な結果を報告する傾向が示されています。会社としては「頑張ってほしい」と伝えるだけではなく、なぜその仕事が必要なのかを共有することが重要です。働く意義が理解できれば、目標が会社から与えられたものではなく、自分自身の目標として捉えやすくなります。
働く意義を感じる従業員が増え、エンゲージメントが高まることは、業績にも良い影響を与える可能性があります。
Gallupの2024年のメタ分析では、183,806の事業・チームを対象にエンゲージメントと業績との関係を分析しています。エンゲージメント上位25%と下位25%を比較すると、上位グループは利益率が23%、営業生産性が18%高いという結果でした。ただし、働く意義だけで売上や利益が増えるという単純な因果関係ではありません。仕事への納得感が行動や協力を促し、それが生産性や顧客対応の向上につながるという視点で考えることが重要です。従業員が働く意義を見いだせないと会社はどうなる?働く意義を見いだせない職場では、優秀な人材が離職し、職場環境の悪化を招く可能性があります。企業にとってのリスクを具体的に解説します。
従業員が働く意義を見いだせない状態が続くと、人材の流出や意欲低下だけでなく、組織全体の方向性がそろいにくくなります。
代表的なリスクとして、以下の3つがあります。
労働条件を改善するだけでは解決できない課題もあるため、仕事そのものの意味や成長実感にも目を向ける必要があります。
優秀な人材ほど必ず働く意義を重視すると一律に断定することはできませんが、成長意欲が高く選択肢の多い人材ほど仕事の意味を比較軸にする場合があります。
十分な給与を得られていても、成長できない、自分の能力を生かせないと感じれば転職を検討することがあります。特に専門性の高い人材は、会社に残ることだけでなく、自分のキャリア全体を基準として仕事を選びやすいでしょう。そのため企業には、役職や報酬だけではなく「ここでどのような価値を生み出せるか」を伝えることが求められます。従業員自身の目標と会社の目的を結び付けることが、働く意義を持ち続けてもらうためのポイントです。
働く意義や成長実感が乏しい状態が続くと、いわゆる「ゆるブラック」と呼ばれる職場になる可能性があります。
ゆるブラックは公的な定義がある言葉ではなく、労働環境は厳しくない一方で成長や挑戦の機会が少ない職場を表す際に使われます。残業が少なく福利厚生が充実していても、毎日同じ仕事だけでは働く意義を感じにくい人もいるでしょう。特に若手社員に役割を与えず、失敗を避けるために簡単な仕事だけを任せ続けると成長機会を失わせる可能性があります。働きやすさと働きがいを両立し、適度な挑戦やフィードバックを提供することが重要です。
働く意義と会社の方向性が共有されていない組織では、経営者が示した方針が現場の行動につながりにくくなります。
従業員が「なぜこの仕事をするのか」を理解していなければ、判断基準は部署や個人によってばらつきます。その結果、経営者が新しい方針を示すたびに細かな指示を出さなければ動けない組織になりかねません。経営理念やビジョンを日々の判断基準まで落とし込めれば、従業員自身で会社の方向性に沿った選択ができます。
働く意義を共有することは、従業員のためだけでなく組織を同じ方向へ動かすためにも必要です。
「TUNAG」は、従業員のエンゲージメントを高めるためのツールです。その機能や成功事例を紹介し、導入のメリットを解説します。
TUNAGは、企業と従業員のエンゲージメントを強化するためのプラットフォームです。
経営理念やビジョンの共有、社内SNS、評価・承認システム、キャリア支援などの機能を活用することで、従業員は自分の仕事が会社にどのように貢献しているのかを理解しやすくなり、組織全体の活性化に寄与します。
また、スマートフォンからのアクセスにも対応しており、職種や雇用形態を問わず、全従業員が利用しやすい設計となっています。
TUNAGを導入することで、社内の情報共有がスムーズになり、従業員同士のコミュニケーションが活性化し、組織全体のエンゲージメント向上が期待できます。
TUNAGを導入した企業では、従業員のエンゲージメント向上や定着率の改善といった成果が多数報告されています。
例えば、株式会社VITA様では、社員が客先常駐で働くことが多く、会社への帰属意識の醸成やコミュニケーションの活性化に課題を抱えていました。TUNAGを導入したことで、スマートフォンアプリを通じて日報や週報の提出が容易になり、社員間のコミュニケーションが活発化しました。その結果、離れて働く社員同士のつながりが強化され、帰属意識の向上に成功しています。
また、株式会社山梅様では、業務日誌のリアルタイムな共有や、重要情報の蓄積が課題となっていました。TUNAGの導入により、業務日誌をスマートフォンで閲覧・コメントできるようになり、タイムリーなコミュニケーションが実現しました。さらに、部署を超えた交流や、社員の喜びを共有する取り組みを通じて、組織全体のエンゲージメントが高まりました。
これらの事例からも分かるように、TUNAGの導入は従業員のエンゲージメント向上に大きく貢献します。
自社のエンゲージメント状況を把握することは、組織の課題を明確にし、適切な施策を講じるために欠かせません。TUNAGが提供する「TERAS」は、従業員エンゲージメントを可視化し、組織の健康状態を把握するための診断サービスです。定期的なアンケートやデータ分析を通じて、エンゲージメントスコアを算出し、強みや改善点を明確に示します。
診断結果に基づき、適切な施策を提案することで、企業が実行可能な改善アクションを具体化できます。さらに、匿名性を確保した調査により、従業員が率直な意見を伝えやすい環境を整えることが可能です。
組織の状態を正確に把握し、エンゲージメント向上の第一歩を踏み出したい企業にとって、TERASは強力なサポートツールとなるでしょう。
自社のエンゲージメントをチェックしたい経営者・企業担当者様は、以下ページよりチェックしてみてください。
働く意義を高める取り組みを始める前に、まず現在の従業員エンゲージメントを把握することが重要です。会社への理解が不足しているのか、上司との関係に課題があるのかによって必要な取り組みは変わります。TUNAGでは、経営者と従業員のエンゲージメント状態を簡単に確認できるExcel形式の「エンゲージメントチェックシート」を用意しています。より詳細に確認したい場合は、組織のエンゲージメント状態を可視化する組織診断サーベイ「TERAS」を活用する方法もあります。まず自社の課題を把握し、その結果に合わせて理念共有や1on1、称賛などの施策を選ぶことが、従業員が働く意義を感じられる組織づくりの第一歩です。