事故防止の発信を紙からアプリに変え、大きな事故が減少。名豊興運「日本一安全な物流会社」への挑戦
「心をこめて」を経営理念に掲げ、運送事業や倉庫事業を展開している名豊興運株式会社様。
輸送営業所が4拠点、物流センターが2拠点ある同社では、本社からの情報発信を月に一度、紙媒体で行なっていたため、現場の従業員に情報が届くまで時間がかかるという課題がありました。
紙での情報発信をTUNAGに代替したことで、大きな事故の減少やコミュニケーション活性化に効果があったといいます。
2年間で400件を超える安全に関する情報発信や、従業員同士の輪を広げる取り組みについて、代表取締役の倉田様(以下、敬称略)にお話を伺いました。
※記載の内容はインタビュー時点の情報です。
本社からの情報が現場に届いているか分からない
制作担当者の退職で、紙での情報発信に限界を感じた
〜TUNAG導入前にどのような課題を感じていましたか?〜
倉田:導入前、本社からの情報発信は月に1回「名豊ニュース」という紙のお便りのみでした。内容は安全に関することから、従業員へのインタビュー、その月の行事など様々です。
ただ、紙での発信だと担当者にアイデアを考えてもらって、原稿に落として、印刷して……というやり方で、時間がかかっていましたね。
さらに、「名豊ニュース」の制作を担当していた従業員が定年を迎えるという状況が重なりました。今後どうしていくかという話になったときに、従業員からは「名豊ニュースを一人で作るって、ちょっと無理ですよ」という意見も出ていました。
新たに定めた経営理念が、現場まで伝わっていないと感じた
〜その他に感じていた課題はありますか?〜
倉田:2016年に、先代の頃から大切にしている「心をこめて」を社是として、改めて経営理念を策定しました。
「心をこめて」を全社で実現するためにチームワークを大切にしていきたいと考えていましたが、本社以外に5拠点ある中で横の連帯やコミュニケーションに課題を感じており、この課題を解決すべきだと思ったんです。
加えて、経営理念を制定したものの、現場の従業員に浸透しているか分からず、「僕の独りよがりになっていないか?」とも感じていましたね。
社内の情報をタイムリーに発信できることが導入の決め手に
〜そういった課題があった中で、何がTUNAG導入の決め手になりましたか?〜
倉田:名豊ニュースで発信していた内容を月に1回ではなく、各担当者から随時発信できる点が導入の決め手となりました。
以前は、「こういうネタを出して」と担当者からネタを吸い上げて、それを一枚の紙にまとめて、印刷して……と制作に時間がかかっていました。
TUNAGは安全に関すること、社員インタビュー、社長メッセージなど、随時トピックごとに担当者から情報を発信できるので、「名豊ニュース」で発信していた内容が効率よく現場まで届くと思いましたね。最終的に存続の危機にある「名豊ニュース」を従業員全員で作っていけると思い、導入を決めました。
本社からの情報発信を紙からTUNAGに代替
2年で400投稿。安全に関する情報をタイムリーに発信
※名豊興運様の実際の画面です。貨物自動車輸送安全規則の資料や安全に関する情報を随時発信し、交通安全への意識を高めています。
〜TUNAGの具体的な活用方法をお聞かせください〜
倉田:安全に関する情報発信に活用しています。「安全推進!」は、営業所別の安全運転継続日数、ヒヤリハット情報、安全運転者表彰など、交通安全に関する情報をざっくばらんに共有する取り組みです。「ドライバーズミーティング」では、貨物自動車輸送安全規則で定められている法定12項目について発信しています。
「日本一安全な物流会社を目指したい」という担当者の壮大な想いもあり、これらの取り組みは導入後2年で合計400件も投稿されています。
初めは担当者だけが投稿していたのですが、今は彼の思いに引きずられて、毎月10日に本社営業グループのメンバーも一斉に安全に関する投稿をしてくれていますね。
従業員同士の「仲間の輪」を広げる
※名豊興運様の実際の画面です。他拠点の従業員と交流する場として、最近の出来事やグルメに関するちょっとしたつぶやきが投稿されています。
〜続いて、社内のコミュニケーションを活性化する取り組みについて教えてください〜
倉田:当初、安全推進や会社からのお知らせなど、もともと「名豊ニュース」に載っていたものからTUNAGでの発信を始めたのですが、 それだけでは結局、本社からの一方通行の情報発信になっていると感じたんです。
そこで、「みんなの広場」という取り組みを始めました。「みんなの広場」は従業員同士の「仲間の輪」を広げることを目的に、最近の出来事について共有するカジュアルに利用できるコンテンツです。従業員がスポーツや趣味の話、最近食べたものの話などざっくばらんな内容を投稿しています。
大きな事故が減少。従業員の思いも分かるように
大きな事故が減少し、自動車保険料が下がった
※交通安全への継続した取り組みにより、名豊興運様ではGマークを取得しています。
〜TUNAGを活用したことで、どんな効果を感じていますか?〜
倉田:TUNAGで安全に関する情報を発信することで、人身事故や施設に大きな損害を与えるといった事故が減少しました。その影響もあり、去年に比べて自動車保険の優良割引率が上がり、保険料が下がったんです。
保険料が下がるというのは、物流会社にとって非常にありがたいことです。TUNAGでの取り組みが少しずつ実を結んできているのかなと感じます。
また、Gマーク取得から安全への取り組みを10年継続したことが評価され、中部運輸局 愛知運輸支局より優良事業者表彰を受けました。運送物流会社は安全があって初めて成り立つので、今後もTUNAGを使って安全に関する情報発信を続けていきたいですね。
会社に対する従業員の想いを感じられるようになった
〜その他に感じている効果はありますか?〜
倉田:TUNAGで既読がついているメンバーを見ると、「現場と本社がつながっているな」と感じますね。
例えば、現在仕事を休んでいる従業員がいます。その人は、以前はそれほどTUNAGを見ていなかったと思うんですが、仕事を休んでからはTUNAGの投稿を必ず見てくれています。これは、「会社とつながっていたい」という気持ちなんじゃないか。僕はそんなふうに受け止めているんです。
〜カスタマーサクセスの担当によると、TUNAGにログインしている人たちのほとんどは投稿を読んでくれているそうです。帰属意識の醸成にも、TUNAGが良い影響を与えているのでしょうか?〜
倉田:誰がTUNAGを見てくれているのかたまに確認するんですが、既読しているのはいつもほとんど同じ従業員なんですよね。目標としている既読数にもあと少しですし、光が見えてきたというか、会社が変わってきたのかなという感じはしますね。
〜ここまでTUNAGを使ってみて、どのような企業にお勧めできそうですか?〜
倉田:現場・拠点が多く、本社からの連絡がうまく伝わらないことが多い企業に特におすすめなツールですね。
TUNAGを社内に浸透させるポイントは「ログインするきっかけ作り」
キャンペーンやTUNAGベネフィットでログインするきっかけを作る
〜現在のTUNAGの運用体制について教えてください。〜
倉田:基本的には、私を含めて本社にいる4名が主体で運用しています。TUNAGの投稿内容で分担をしていて、健康面に関しては管理部が、安全面に関しては営業部が担当しています。
〜TUNAGを社内に浸透させるために、工夫したことや苦労したことはありますか?〜
倉田:導入当初は、まだガラケーを使ってる人たちも多かったですし、スマートフォンの操作自体に慣れていない従業員が多かったので、TUNAGにログインしてもらえず苦労しました。
そこで、 ログインするきっかけを作るために、TUNAGに投稿した従業員に景品を与えるキャンペーンを実施しました。キャンペーンのおかげで投稿数は2.5倍に増えましたね。
他には、TUNAGベネフィット※の抽選日を知らせる投稿もしています。TUNAGベネフィットは従業員同士の会話でよく出てくるので、TUNAGベネフィットに関する投稿がログインのきっかけになっています。
※TUNAGベネフィット…TUNAGが提供する福利厚生サービス。フィットネス、グルメ、レジャーなど、各種サービスの割引やクーポンを従業員の皆さまがご利用できます。
秀でた一人の力ではなく、チームワークで勝つ組織へ
〜最後に、今後の展望を教えてください。〜
倉田:ドライバーは個人で業務をすることが多いですが、お客様から預かった商品を心を込めて届けるためには、社内のチームワークが大切です。
秀でた一人の力ではなくチームワークで勝つ。名豊興運はそういう組織でありたいと思っていますし、今後はチームワークを強めるために社内でお互いを称賛する文化を作っていければと思っています。
そして、「名豊興運ならできる」「名豊興運にしかできない」という人財集団ができれば良いなと思っています。
TUNAGは会社の変化に応じて使い方を変えていけるツールなので、まだまだ活用できると思っています。そのためにも、社内でTUNAGの存在をもっとアピールしていきたいですね。まずは投稿の既読数を100人にすることを目標に、引き続き運用を続けていきたいです。
〜倉田様、お話いただきありがとうございました!〜