飲食店が人手不足に陥る4つの理由や対策7選を解説



さまざまな業種・業界において、ウィズコロナ・アフターコロナが唱えられる昨今。

外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」がおこなった調査によると、2023年4月の東京・名古屋・大阪における外食市場規模は2,696億円と推定され、前年同月比109.6%となっています。2019年同月比では78.7%となっており、前月の74.0%を上回り、3カ月ぶりの回復傾向となりました。

現在日本ではほとんどの業種において人手不足が問題視されていますが、飲食業の状況は深刻です。その現状を打破するために、この記事では飲食店が人手不足に陥っている理由やその解決策を考察していきます。

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飲食店の人手不足の現状

帝国データバンクが2022年10月におこなった調査「人手不足に対する企業の動向調査」によると、飲食業の人手不足企業の割合は以下のようになっています。
正社員……64.9%
非正社員……76.3%

全業種平均の人手不足企業の割合は正社員が51.1%、非正社員が31.0%となっているため、飲食業は人手不足の企業が多い業種だといっていいでしょう。

多くの飲食店で人手不足が起きている背景として、2020年以降のコロナ禍の影響が一つに挙げられます。2020年は「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が発令された営業で、多くの飲食店が休業や営業時間短縮を余儀なくされました。そのため、正社員・非正社員共に多くの離職者が出てしまった飲食店は多いのではないでしょうか。

上記の調査がおこなわれた2022年10月、そして2023年に入ってからも、コロナ禍によって増加してしまった離職者の分の穴埋めができていないのが、現在の飲食店の実状だといえます。

参考:人手不足に対する企業の動向調査(2022年10月) | 帝国データバンク

飲食店が人手不足に陥る4つの理由

飲食店の人手不足問題は、コロナ禍前より慢性的に続いています。厚生労働省とみずほ情報信託株式会社が、飲食従事者を対象におこなった「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」の「現在の仕事を今後も続けたいと思わない理由」を元に、飲食店が人手不足になる5つの理由を解説します。

参考:過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業 | みずほ情報総研株式会社

1. 労働条件が厳しい

労働条件が厳しいことは、飲食店が人手不足に陥ってしまう大きな理由だといえます。厚生労働省がおこなった調査においても、「現在の仕事を今後も続けたいと思わない理由」として以下の回答が挙げられています。

※表1:「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」のデータをもとに作成

24時間営業のお店はもちろん、ランチからディナーまでフルでオープンしているお店も少なくありません。年中無休で営業しているお店も多く、シフトの関係で休みをとり辛い、または「休みたい日に休めない」と不満に感じているスタッフもいるでしょう。また、厚生労働省がおこなった「平成30年就労条件総合調査の概況」によると、飲食サービス業・宿泊業の年間休日の平均日数は97.1日と、全業種平均日数の107.9日より10日ほど少なく、業種別では最も少ない日数でした。

参考:平成 30 年就労条件総合調査の概況 | 厚生労働省

2.給与待遇が低い

飲食業は、他業種よりも給与待遇が低い傾向があります。そのため、求職者から「選ばれない」という現実があり、飲食店が人手不足になる大きな理由となっています。

求人情報・転職サイトdodaが発表した「業種分類別の平均年収ランキング」(2022年版)によると、小売/外食業の平均年収は351万円で、そのうち居酒屋/バーの平均年収が345万円、レストランが340万円でした。なお、小売/外食業は公表された業種の中で最下位の平均年収となっています。

厚生労働省の調査においても、「現在の仕事を今後も続けたいと思わない理由」として飲食業従事者の50.6%が「給与が低いため」と回答する結果になり、給与待遇の問題が飲食店の人手不足を誘発する要因の一つになっていると言えそうです。

3.キャリアパスが見えづらい

環境変化が激しい現代において、飲食業で身についたスキルがどのように今後のキャリアに活かせるのかがわからないと、従業員も不安に感じることでしょう。厚生労働省がおこなったアンケートにおいても、「現在の仕事を今後も続けたいと思わない理由」として以下の回答が挙げられています。

※表2:「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」のデータをもとに作成

小規模の飲食店の多くは、昇給・昇格の明確な基準が提示されていません。そのため、スタッフは「働きがい」を見出すことができないという実状があります。働きがいを見出せないことや頑張りを認めてもらえないことを理由に退職を決意した人は、異業種への転職、もしくは評価制度が整備されている飲食企業へ転職することになるでしょう。

4.人間関係のトラブル

「人間関係のトラブル」が、飲食店が人手不足に陥ってしまう大きな理由の一つです。厚生労働省がおこなったアンケートにおいても、「現在の仕事を今後も続けたいと思わない理由」として以下の回答が挙げられています。

※表3:「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」のデータをもとに作成

飲食店のスタッフは、さまざまな年代の人が集まっている店舗が多くあります。中には店長や経営者、ベテランスタッフなどの権威を振りかざしている店舗も少なくなく、そのような職場では人間関係になじめないと感じるスタッフも多くいるかもしれません。

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飲食店の人手不足を解決する7つの対策

人手不足が起きてしまう根本的な原因は「募集をかけても人が集まらない」「人が入ってもすぐに辞めてしまう」の2点です。よって、飲食店が人手不足を解消するには「採用数を増やす」「定着率を上げる」の2つの観点から施策を投じる必要があります。

採用数を増やす施策

1. 労働条件を見直す

採用数を上げるためには、まずは労働条件を見直してみましょう。

労働条件を分解すると「給与」「時間帯」「休日・出勤頻度」の3つの項目に分けられます。給与を変更するのは難しいかもしれませんが、同じような飲食企業や近隣店の給与と乖離がないかチェックしてみる価値はあるでしょう。また、まかないなどの待遇や有休取得の可否や福利厚生面も確認しておきましょう。

非正規社員であれば、働く時間帯や出勤頻度に幅を持たせた方が、求職者が考える条件と合致しやすいはずです。飲食店の場合、どうしても「早番は9時~17時、週3日以上からOK」などと店舗側の都合で条件を提示してしてしまう傾向があります。採用数を上げるには「仕込みだけ、ピーク帯2時間だけの出勤もOK」「週1日からでもOK」と労働条件の幅を広げた方が、様々な求職者からの応募が見込めます。このように労働条件を見直すことで、採用数が伸びる可能性は大いにあります。

参考:アルバイトの人手不足への対策を採用と定着の観点から考える | 社内ポータル・SNSのTUNAG

2.SNSを活用して認知UPと求人募集を行う

現代は求人サイトだけではなく、SNS上でアルバイト先を探している学生も多くいます。マイナビキャリアリサーチLabが2023年に公表した調査によると、SNSでアルバイト探しをしたことがある高校生は50%、大学生は30%にものぼります。SNSを活用してアルバイトを探す主な理由には、「すぐに求人に応募できる」「面倒な手続きが不要」などがあります。

一方で、SNSは採用サイトによる審査の介入がないため、違法性や安全性に懸念がある「怪しい求人」についての発信を見かけることがあります。同調査によると、4割以上の学生がSNSで「怪しい求人を見たことがある」と回答しています。店舗側は採用についてのみ発信するのではなく、求職者から信頼を得るためにも、継続的にお店の魅力などを発信することが求められるでしょう。

参考:高校生・大学生におけるタイパの良いSNSを活用したアルバイト探し~”闇バイト”の危険性とその対策~ | マイナビキャリアリサーチLab

3.外国人・シニア層を積極的に採用する

少子高齢化が進んでいる昨今では、外国人・シニア層の積極採用が人手不足を解消するための大きな鍵となります。大手チェーン店やコンビニなどでは、外国人スタッフが働いている姿をよく見かけます。留学生の中には、問題なく日本語でコミュニケーションできる方も少なくありません。

重労働であることが多い飲食業で「シニア層の採用は難しいのでは?」と考えるかもしれません。しかし、前述したような「労働条件の見直し」を同時に進めれば、シニア層の方にも活躍の場は提供できるでしょう。

4.リファラル採用を推進する

既存の社員やアルバイトから友人・知人を紹介してもらうリファラル採用を導入するのも一つの手段です。リファラル採用には、採用コストを削減できる・理想に近い人材を採用しやすいなどのメリットがあります。

リファラル採用の推進するためには、採用の仕組みを見直すことが必要です。紹介や会食、採用などのプロセスを従業員がわかるように整備することが求められます。また、会食費用の補助や紹介へのインセンティブを設けることで、従業員も前向きにリファラル採用に取り組みやすくなるでしょう。

参考:リファラル採用とは?メリットとデメリット、報酬など制度運用方法を解説! | 社内ポータル・SNSのTUNAG

定着率を上げる施策

5. 経営理念を浸透させる


定着率を上げるための有効な手段として、会社や店舗の理念をスタッフに浸透させることが挙げられます。経営理念は、働くうえでのスタッフの行動指針になります。例えば、お客様への応対をA案でいくかB案でいくか迷った際に、理念が浸透しているスタッフなら「どちらが理念の体現に繋がるか」という基準に立ち戻り、施策を選択することができます。

理念や経営方針の浸透によって、会社の将来についての不安が払拭されたり、スタッフが同じ方向性を向いて働くようになり一体感が醸成されることが期待できます。ただし、理念が浸透するまでにはそれなりに時間がかかります。朝礼や終礼、時には店舗ミーティングの時間を使い、継続的に発信をする必要があります。

理念経営を成功させている飲食企業として「スターバックスコーヒー」などが挙げられます。研修時間が70〜80時間と言われるほど、アルバイトスタッフに対しても丁寧に研修を行い、スタッフが会社のミッションを十分に理解した状態で業務に取り組んでいます。スタッフ全員が向かう方向性を揃えるために、小規模な飲食店も経営理念や会社の方針を浸透させるのは効果的です。

参考:経営理念浸透の方法 - 7社の事例から考える | 社内ポータル・SNSのTUNAG

6.評価制度を導入する

前述したように「頑張りを認めてもらいづらいこと」が、飲食店のスタッフが辞めてしまう一因になっています。スタッフのモチベーションを高い状態で保つためには、評価制度の導入が効果的です。

評価制度には、まず「何を頑張ればいいのか」を明確に提示する必要があります。そのためには、やはり理念を浸透させて行動指針を提示することも必要でしょう。
「どうすれば評価されるのか」「評価が高まればどんな特典があるのか」などを明示したうえで、スタッフがそれをやりたくなるように説明してエンロールすることが大切です。

また、評価制度を導入するからには、スタッフ一人ひとりとの定期的な面談も必要です。評価制度に沿った具体的な行動目標を面談時に提示してあげ、スタッフの成長ややる気を促進してみましょう。

参考:アルバイトスタッフの教育のポイント5選と重要性を解説 | 社内ポータル・SNSのTUNAG

7.ITツールの導入で業務を効率化

業務を簡易化・効率化するためにITツールを導入すれば、スタッフへの負担を軽減することに繋がります。これにより「仕事量が多い」という不満の解消に繋がり、定着率アップが期待できそうです。昨今多くの飲食店が導入しているITツールは、タブレットやお客様自身のスマートフォンを利用する注文システムです。ホールスタッフが注文をとりに伺う必要がなくなるので、業務の簡易化につながっています。

また、勤怠管理をタイムカード・手入力・手計算でおこなっている場合は、PCを使って自動管理できるシステムを導入すると、バックオフィス業務の負担が減り、社員の労働時間削減が見込めるでしょう。

参考:飲食店が人手不足に陥る4つの理由や対策7選を解説 | 社内ポータル・SNSのTUNAG

パート・アルバイトの離職防止&早期戦力化施策15選 お役立ち資料「アルバイトの離職防止&早期戦力化施策15選」はこちら 「店舗の人手が足りない…」という方必見!アルバイトの離職防止や早期戦力化の施策を15個まとめました。 ⇒とりあえず資料を見る(無料)

飲食店の人手不足が店舗に与える3つの影響

飲食店の人手不足が深刻化すれば、店舗に以下のような悪影響が出てしまいます。これらを回避するために、人手不足を解消することは急務だといえます。

1.店舗が回らなくなる

人手が足りていないと、店舗が回らなくなってしまい、顧客満足度を下げてしまう恐れがあります。

店舗が回っていないと「料理提供が遅くなる」「お会計を待たせてしまう」「細かな気配りができない」など、様々な弊害に繋がってしまいます。店舗運営において重要なQSC(Quality:料理の品質、Service:接客サービス、Cleanliness:清潔感)が低下すると、お客様の不満に繋がり、クレームを生んでしまう可能性もあるでしょう。クレームが入るとその対応に追われ、さらに店舗が回らなくなるという悪循環に陥ってしまいます。

参考:店舗運営のQSCとは?QSCAとの違い、向上施策3選を解説 | 社内ポータル・SNSのTUNAG

2.過重労働の常態化

シフトが埋まらないほどの人手不足の状態だと、既存スタッフがその穴埋めをするしかありません。よって店長や社員の過重労働に繋がり、それが常態化してしまいます。過重労働が常態化すると、仕事の質が下がるのはもちろんのこと、本人の心身に負担がかかってしまいます。最悪の場合、メンタル疾患の要因となる可能性も高いので注意が必要です。

3.売上が低下する     

人手不足によりスタッフのパフォーマンスが低下すると、回転率が悪化し客数が減少するため、店舗の売上が低下する恐れがあります。加えて、高い品質のサービスを提供できなくなると、お客様の満足度を高めることができず、リピートされにくくなります。

また、SNSなどで悪評が広まってしまえば、新規のお客様の獲得も難しくなってしまいます。人手不足の常態が長く続けば続くほど、売上低下の悪循環も続いていくでしょう。

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多くの飲食店にとって、人手不足の解消は急務です。人手不足のまま営業を続けてもお客様を満足させてあげられず、既存スタッフを疲弊させてしまいます。

人手不足を解消するには「採用数を上げる」「定着率を上げる」の両方の観点から施策を打つ必要があります。また、自店が人手不足に陥ってしまった背景を考察することも大切です。スタッフが辞めてしまう理由、もしくは募集をかけても集まらない理由をリストアップし、それをカバーできる施策を投じていきましょう。

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