職場崩壊の前兆にはどのようなものがある?防ぐための取り組みも

職場崩壊は企業にさまざまな悪影響を及ぼします。職場崩壊にはいくつかの前兆があり、複数見られる場合はリスクが高まるため注意が必要です。職場崩壊の具体的な前兆や、防ぐための取り組みについて解説します。

職場崩壊とは

職場崩壊とは、組織が正常に機能しなくなり、業務が円滑に進まなくなることを指します。まずは、職場崩壊までの流れとリスクを見ていきましょう。

職場崩壊までの流れ

職場崩壊の初期段階では、コミュニケーション不足や軽微なトラブルが目立ち、業務の遅延や報告漏れが頻発します。職場における不満や不信感も次第に広がりを見せるでしょう。

中期段階では従業員のモチベーション低下が顕著になり、離職者が増加してネガティブな空気が蔓延します。最終段階では業務が停滞し、責任の所在が曖昧になって組織の機能が麻痺してしまいます。

職場崩壊のリスク

職場崩壊による主なリスクをまとめました。

  • 従業員のモチベーション低下
  • 業務の停滞
  • 職場秩序の乱れ
  • 企業の業績悪化
  • 離職率の上昇
  • 商品やサービスの品質低下
  • ブランドイメージの低下
  • ハラスメントの発生
  • メンタルヘルス問題の深刻化
  • 倒産

職場崩壊ではこれらが複数発生するのが一般的です。また、上記は職場崩壊の前兆として引き起こされることもあります。

職場崩壊の前兆

職場崩壊を防ぐためには、前兆を知っておくことが重要です。以下に挙げる前兆が1つでも発生しているなら、何らかの手を打つ必要があるでしょう。

社内コミュニケーション不足に陥る

社内コミュニケーションが不足していると、情報共有が滞り、誤解やトラブルが増えます。チームワークが損なわれ、最終的に職場環境が悪化する恐れがあります。

社内コミュニケーションの基本は挨拶です。従業員同士の挨拶がない職場では、職場崩壊に陥るリスクが高まっているといえます。雰囲気が悪い職場にも注意が必要です。

残業が増える

職場崩壊と残業は密接な関係にあります。残業が慢性化すると従業員のモチベーション低下や退職につながり、最終的に職場崩壊を招く恐れがあるのです。

残業が増加する主な理由は、人手不足と業務量の増加です。従業員が足りていない会社は1人あたりの業務量が増え、残業も発生しやすくなります。また、業務効率の悪さも残業につながりやすい理由の1つです。

従業員のやる気が低下する

モチベーションが低い従業員が増えると、職場崩壊につながる恐れがあります。従業員のやる気が低下する原因には、次のようなものが考えられます。

  • 職場環境が悪い
  • 仕事にやりがいを感じない
  • 人間関係が悪化している
  • 労働条件に不満を抱いている
  • キャリアアップの可能性が見えない
  • 評価制度に不公平感を抱いている
  • 会社に将来性を感じない

従業員にやる気があるかどうかは、外からは見えにくいものです。活気がある職場の全員にやる気がみなぎっているとは限らず、逆に普段は物静かな職場の全員がやる気が低いとも限りません。

ハラスメントが横行する

ハラスメントは職場崩壊の大きな原因の1つです。ハラスメントが横行し、それを会社が放置していると、企業に深刻な影響を及ぼしかねません。

ハラスメントの被害者は仕事への意欲を失い、職場への貢献意欲も低下します。また、その状況を目撃した従業員も不安や不満を抱き、モチベーションが低下する恐れがあります。

さらに、ハラスメント事件が公にされると企業の評判が大きく損なわれ、社会的信頼を失ってしまうでしょう。

顧客からのクレームが増える

職場崩壊の前兆としては、顧客からのクレームが増えることも挙げられます。職場環境が悪化すると従業員のストレスが増加し、クレーム対応の質が低下しやすいためです。

クレーム対応が不適切だと、SNSや口コミサイトなどで悪評が拡散し、企業イメージの低下や顧客離れにつながる恐れがあります。クレームの内容によっては、損害賠償請求や訴訟にも発展しかねません。

管理職のマネジメントが機能不全に陥る

上司が部下の指導や育成を怠ったり、適切なコミュニケーションを取れなかったりすると、部下の不満や不信感が高まり、職場全体の士気が低下します。結果的に職場崩壊を招きかねないのです。

また、マネジメントの機能不全は、従業員が原因で起こることもあります。上司が適切なマネジメントを行おうとしても、従業員が反抗的な態度をとって指示に従わないようなパターンです。

離職者が相次ぐ

職場崩壊は、離職者の増加によって加速する恐れがあります。優秀な人材が最初に離職する傾向があり、残された従業員に業務負担が集中すると、さらに離職を加速させる悪循環に陥るケースもあるのです。

離職率が不自然に上がってきたと感じたら、他の前兆が見られないか職場の様子をじっくりと観察しましょう。また、離職者だけでなく休職者が目立ち始める場合も注意が必要です。

職場崩壊を防ぐための取り組み

職場崩壊にまでは至らなくても、前兆が見られる場合は職場の状態が良くはないといえるでしょう。職場崩壊や前兆の発生を防ぐための具体的な取り組みを紹介します。

従業員の声を聞く

職場崩壊を防ぐためには、従業員の声を丁寧に聞き、その意見を真摯に受け止めることが重要です。従業員一人ひとりの悩み・不満・意見を集め、それをもとに具体的な施策を検討しましょう。

従業員の声を聞くのに最も手間がかからないのはアンケートですが、アバウトな情報しか集まりません。上司と部下の1on1ミーティングでコミュニケーションを深め、従業員からできるだけ本音を引き出せるようにしましょう。

社内コミュニケーションを活性化させる

社内コミュニケーション不足は職場にさまざまな悪影響を及ぼします。職場崩壊を防ぐためには、社内コミュニケーションを活性化させることも大切です。

定期的なミーティングの実施や社内イベントの開催、社内報や社内チャットの活用など、まずはコミュニケーションの機会を増やしましょう。部署間の交流会やランチミーティングなど、従業員同士が親しく交流できる機会を設けるのも効果的です。

また、サンクスカードやピアボーナスといった感謝の気持ちを伝え合う制度も、社内コミュニケーションの活性化に役立ちます。従業員の隠れた頑張りが可視化されるため、職場のモチベーションも高まるでしょう。

職場環境を改善する

職場環境が悪い場合、従業員が不満をためやすくなります。職場環境にはさまざまな要素があるため、できることから取り組みを進めていきましょう。

適切な業務分担を行えば、残業時間の短縮につながります。テレワークやフレックスタイム制など柔軟な勤務制度を導入することで、従業員のニーズに応えやすくなるでしょう。

また、休憩スペースの整備や居心地の良いオフィス空間の提供といった、物理的な環境の改善も効果的です。最新のITツールを導入すれば、業務効率が改善され働きやすさが向上します。

心理的安全性を高める

心理的安全性とは、組織において自分の意見や気持ちを安心して表現できる状態のことです。どのような意見や質問をしても、他の従業員から拒絶されたり無視されたりしないという安心感がある状態を指します。

心理的安全性を高めるためには、失敗を許容する雰囲気をつくりましょう。また、従業員が自由に発言できる場を設け、発言への耐性を身につけてもらうことも重要です。

なお、従業員同士の仲が良いだけの「ぬるま湯組織」は、心理的安全性が高い状態とはいえません。ぬるま湯組織は人間関係が悪化するリスクこそ低いものの、建設的な議論を交わせないため、仕事に対する意識が低くなり生産性も上がらないでしょう。

人事制度を見直す

不公平な人事評価や評価基準の曖昧さ、適切なフィードバックの不足などは、従業員のモチベーション低下や離職につながりやすくなります。特に、優秀な人材ほど評価制度の不公平さや頑張りが報われない状況に不満を感じやすく、退職を選択する傾向があります。

評価基準は明確にし、従業員に分かりやすく伝えましょう。また、評価者によるバイアスを減らし、客観的な評価を行う仕組みを導入する必要があります。フィードバックも定期的に実施し、適切なアドバイスで従業員の成長をサポートしましょう。

管理職向けの研修を実施する

職場崩壊を防ぎ組織を改善するためには、管理職のマネジメント能力向上を目的とした研修が不可欠です。特に、リーダーシップやコミュニケーションといったスキル向上にフォーカスする必要があります。

リーダーシップを鍛えれば、従業員のモチベーションや職場全体の士気を高めることが可能です。また、コミュニケーションスキルを向上させることで、ハラスメントの防止や適切な指導につながります。

部下育成スキルの向上も図りましょう。管理職が部下の目標設定を支援し、目標達成のためのサポートをすることで、部下のモチベーションが高まります。

従業員エンゲージメントを向上させる

従業員エンゲージメントとは、従業員が自社に対して抱く愛着や貢献意欲のことです。従業員エンゲージメントを向上させれば、自社のために頑張りたいと感じる従業員が増えるため、職場崩壊に至る可能性は大幅に下がります。

エンゲージメント向上プラットフォーム「TUNAG(ツナグ)」を導入すれば、社員同士の理解とつながりを深めるさまざまな機能により、従業員エンゲージメントの向上に大きく役立ちます。

また、職場崩壊の前兆を早期に察知するためのサービスとして、「TERAS(テラス)」の導入もおすすめです。サーベイなどを活用して組織の状態を可視化すれば、問題の芽を早期に摘めるでしょう。

エンゲージメント向上で職場崩壊を予防する「TUNAG」

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効果的な対策で職場崩壊を未然に防ぐ

職場崩壊にはさまざまなリスクがあり、発生してしまうと企業に深刻な影響を及ぼしかねません。前兆を早期に察知し、効果的な対策で職場崩壊を未然に防ぐことが重要です。


ただし、前兆は見過ごしやすいものも多いほか、前兆自体にも小さくないリスクがあります。前兆すら発生させない組織づくりを目指すことが、企業の持続的な成長につながるといえるでしょう。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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