目指したのは「広場」のような交流の場。エンゲージメントを高め、従業員が働く意義を感じられる組織へ

東京都心部を中心に、飲食店のユニフォームのクリーニングやレンタル、ホテルの客室清掃などの事業を展開する株式会社アサヒケーティー。

離れて働く従業員も多いなかで、TUNAG上で「社長のつぶやき」「ベストショット」などを発信し、理念浸透や従業員エンゲージメント向上に取り組んでいます。具体的なTUNAG活用法について、代表取締役社長の前川様(以下、敬称略)にお話を伺いました。

(取材日:2024年12月)

従業員とのコミュニケーション手段を模索

「言った・言わない」が頻発、情報がうまく伝わらない

代表取締役社長 前川様

〜はじめに、TUNAG導入前に貴社が感じていた課題をお聞かせください。〜

前川:以前から情報共有が口頭で行われており、「言った・言わない」のやり取りが起こりがちで課題に感じていました。

連絡手段は主に電話で、一部の従業員はプライベートチャットを使っていたのですが、会社全体にうまく情報が伝わっていないと感じていました。

コロナ禍で従業員との関係性強化の重要性を実感

〜離れて働く従業員の方も多いかと思いますが、コロナ禍で社内コミュニケーションは取れていたのでしょうか?〜

前川:もともと1on1面談を実施したり従業員と飲みに行くなど私なりに接点を持つようにしていたんですが、そこに新型コロナウイルス感染症が流行したんです。

コロナ禍でホテルや飲食店は稼働できなくなり、同時に私たちもクリーニングの仕事や客室清掃の仕事がなくなって休業状態になりました。雇用維持には努めていたものの、従業員との関係性やつながりを強化していかなければ、コロナ禍を乗り切れないと思いました。

社内交流の「広場」としてTUNAGを導入

社長と従業員、従業員同士の接点となる「広場」がほしかった

〜TUNAG導入の決め手は何でしたか?〜

前川:社長からすると、従業員のことをどれだけ気にかけていても、毎日全員に「お疲れさま」と伝えることはできません。だからこそ、いつも気にかけていると伝えられる接点が欲しかったんです。コロナ禍を経て、特にそう思いましたね。

また仕事の話だけでは話題が一辺倒になりがちで、なかなか関係性も深まらず、従業員の帰属意識も高まらないと考えていました。従業員同士で人間関係を深めるために、業務のことはもちろん日常のことも気軽に話せる、会社における「広場」のような場所が欲しいと思っていました。

そんなときTUNAGを知って「会社で表現したい世界観を実現できるツールだ」と感じました。

「業務」と「人」でツールを使い分け

〜TUNAGと他のツールとの使い分けについて教えてください〜

前川:TUNAGとは別の業務システムも導入しています。業務システムではクリーニング機械の稼働状況やメンテナンス情報、労務関連の資料、営業数字を管理したり、ホテル客室清掃の備品受発注やクレーム管理などを行っています。

TUNAGはサンクスで感謝の思いを伝えるなど、「人」に関するやり取りに活用しています。「業務」と「人」でツールを分けている感じですね。

理念浸透や称賛、従業員が投稿しやすいコンテンツ

社長の想いを伝える「社長のつぶやき」

〜従業員の皆さんは、TUNAGをどのようなタイミングで利用していますか?〜

前川:個人用または会社支給のスマートフォンから閲覧している人が多いのではないかと思います。事務員はパソコンから閲覧している人もいるのではないでしょうか。休憩中や仕事終わり、または翌朝に利用する人が多い印象です。

〜具体的に、TUNAGを使ってどのような取り組みをしているか教えてください〜

前川:1つは毎週月曜日の朝に投稿している「社長のつぶやき」ですね。家族のこと、最近読んだ本で勉強になったフレーズなど、身近なことについて発信しています。

「企業理念の浸透には社長の想いを伝えることが必要」という話はよく聞きますが、実際やろうとすると莫大な時間と労力がかかります。そこで、弊社はTUNAGを使って「社長のつぶやき」として伝えていこうと思いました。

TUNAGを導入してから3年分のつぶやきがたまっているので、将来的には社長語録にして従業員教育にも活用できればと考えています。

行動規範に基づき感謝を伝える「サンクスカード」、表彰制度も

〜貴社では行動規範を浸透させるためにサンクスカードを運用していると伺いました。〜

前川:弊社には「人生は出会いから始まる」という企業理念があり、それを具体化したのがミッション・ビジョン・バリューなどの行動規範です。

これらを名刺サイズのカードにして従業員に持ち歩いてもらっていますが、ただカードを読んでもらうだけでは社内で共通認識ができないだろうと思いました。

そこで、TUNAGで行動規範を選んでサンクスカードを送り合うことにしました。サンクスカードを通して、業務のどのような場面でどのような行動をとるのが行動規範に基づいているのか従業員の理解が深まり、行動規範と実際の行動との整合性を持たせることができると思います。

〜その他にサンクスカードの運用で工夫しているところはありますか?〜

前川:その期で一番多くサンクスカードをもらった人を表彰しています。体感として「この人に助けてもらっているな」というのを定量的に把握したり、結果として数字で残したいという意図があるので、「もらった人」を表彰するようにしています。

他にも、役員は決まった曜日にサンクスを送るルールになっています。

誰もが投稿しやすい「ベストショット」

〜他にどんな取り組みを行っていますか?〜

前川:「ベストショット」という、自由に画像を投稿できるコンテンツがあります。食べ物やペットなどプライベートな話題から、仕事のイベントまでさまざまな投稿がされていますね。

誰にとっても分かりやすく、投稿するハードルが低いものは何か考えた結果、身の回りの日常を写真に撮って投稿することではないかと思い立ち、TUNAGのログイン率や定着率を上げるコンテンツとしてスタートしました。

人間関係が円滑になり、帰属意識が向上した

TUNAGが「クッション」になり、交流しやすくなった

〜TUNAGを導入して、どんな効果を実感していますか?〜

前川:TUNAGがクッションの役割を果たしてくれて、社内の人や状況を把握しやすくなりました。仕事の話はどうしても緊張感が生まれがちですが、TUNAGで人となりがわかったうえで業務の話ができるようになりました。TUNAGがその緊張感を和らげる役割を果たしていると感じます。

〜帰属意識にも何か変化はありましたか?〜

前川:TUNAGがあることで、従業員の皆さんも「会社が本気で従業員のことを考えてくれているんだな」と感じるきっかけになっていると思っています。

致し方ない事情で会社を辞める人もいますし、会社が原因ではない離職もある。でも、辞めた後にその人が少しでも「あの会社、従業員に対して熱い想いで対応してくれたな」「コミュニケーションがとれるツールを導入していたな」と思い出してくれたら嬉しいですね。

従業員のモチベーションや承認欲求を満たす

〜従業員のモチベーション向上や承認欲求を満たすという側面で役に足っている部分はありますか?〜

前川:従業員の日々の細かな業務をすべて理解するのは難しくても、普段からベストショットやサンクスカードの投稿を見ておいて直接会ったときに話題にすることで、従業員のモチベーション向上につながります。

他にも、お客様から「ユニフォームが前よりもきれいになったよ!」などお褒めの言葉をいただいたとき、それをTUNAG上で共有することでお互いに褒め合うコミュニケーションが生まれています。ホテル部の従業員が配属先のホテルから表彰された際に、TUNAG上で称賛して金一封を送ったことがありました。こうした動きも従業員の承認欲求を満たすことにつながっていると思いますね。

「会社をより良くするために」共通認識を持って取り組める

〜従業員同士のコミュニケーションに関してはいかがでしょうか〜

前川:サンクスカードについて、特にリネン工場は「働きやすい環境づくりの一環でサンクスカードを送り、部門として離職者を減らそう」という意識が一番高く、会社がやろうとしていることへの理解も深まっているので良い感じですね。

またホテルの客室事業部とリネン事業部で1人ずつTUNAG管理者を立てているのですが、それによって部署は違っても「どのように会社をより良くしていくか?」という共通の話題ができ、部署をまたいで課題解決に取り組めるのは良いことだと思いますね。

TUNAGは会社を継続するために必要な「資源」

〜貴社にとって、TUNAGはどんな存在ですか?〜

前川:会社を継続していくうえで必要な「資源」ですね。会社は、存続させなければ意味がありません。特に、弊社は人材で成り立っている会社だからこそ、従業員に寄り添い、大切にしたいと考えています。TUNAGはそのために必要な資源です。

〜どのような会社様にTUNAGをおすすめしますか?〜

前川:経営者は誰しも「会社を良くしていきたい」という想いを持っていますが、TUNAGはその想いを形にしてくれます。さまざまな業界で人手不足が課題となっていますが、そんな中でも「もっと成長したい」「仲間意識を高めていきたい」と考える会社に合っているのではないでしょうか。

経営層と現場の温度を合わせながら運用

経営と現場の目線を合わせて運用に取り組む

〜TUNAG導入当初、苦労したことはありましたか?〜

前川:社内でTUNAG導入の話をした際に、「そもそも業務システムがあるのに、なぜわざわざもう1つツールを導入するんだろう」という空気を感じたこともありました。反対派からすれば、「せっかく業務システムに慣れてきたところなのに……」という気持ちがあったのだと思います。

ただ、「TUNAGはお互いの人となりを知ったり、みんなで帰属意識を高めるために導入するんです」と伝えて実際TUNAGを導入してみたら、「やる人・やらない人」はだいたい「8:2」ほどになりました。強制しなくても、大多数の人がしっかり使ってくれています。

〜現在のTUNAG運用体制についても教えてください。〜

前川:リネン事業部3名、ホテル事業部3名の計6名と私で運用しています。いろいろな形を試しましたが、各事業部の責任者と現場メンバーが入っている現在の形に落ち着きました。

現場メンバーを加えた背景には、TUNAGに対する経営者側・現場側の価値観と評価、温度感を合致させたかったという思いがあります。

TUNAGのカスタマーサクセス担当者が打ち合わせを開いてくれるのも助かっています。打ち合わせがあることで私も現場メンバーとコミュニケーションが取れますし、施策がやりっぱなしにならず改善できていると思います。

利用データをもとに社内で共通認識を持つ

〜現在のTUNAG運用で、工夫していることはありますか?〜

前川:現状の取り組みにとらわれず、常に運用方法を進化させています。たとえばサンクスメッセージは「内容は問わないので、まずは称賛しよう」というところから始めて、次のステップとして「企業理念に基づいて感謝を伝えよう」という運用に切り替えました。

導入から3年経って運用がかなり安定してきたので、マンネリ防止のためにも全体的にさらなる改善策に取り組んでいるところです。そうやってどんどん運用を変えていくのが良い形だと思っています。

〜施策の運用改善を続けているんですね。重要な観点ですが、一歩間違えると社内の混乱を招くおそれもあるかと思います。どのように推進しているのでしょうか?〜

前川:TUNAGの数値を見ればいま取り組むべきことが明確になって、社内の問題意識が高まります。アナログで感覚的に対策を実施するよりも、数値を見ながら「今こういう状況になってるから、こういう施策をやってみよう」と伝えるほうが説得力がありますし、社内でも「いや、必要ないでしょう」とはならないですね。

他社の取り組みからパワーをもらう

〜エンゲージメントアカデミー(※)にもご参加いただいていますが、いかがでしょうか〜

前川:運用メンバーとともに何度か交流会に出席して、TUNAGを活用しているさまざまな会社の方と出会い、「TUNAG上で自社を表現することが大事なんだ」という熱い思いを持った会社が組織変革を実現できるんだと思いましたね。

特に、社長はもちろん運用担当者に意欲的なメンバーがいることで、TUNAGをどう運用できるか変わってくると感じました。エンゲージメントアカデミーは、そうした各社の姿勢からパワーをもらえる良いチャンスですね。

※アサヒケーティー様は、エンゲージメント向上に取り組むTUNAG導入企業の繋がり・学びの場「エンゲージメントアカデミー」に参加しています。

従業員がやりがい・仕事の意義を感じられる会社へ

〜今後、TUNAGを活用してどんなことにチャレンジしていく予定ですか?〜

前川:まずはTUNAGの定着率を80%以上にキープしたいと思っています。現在は、積極的に投稿する人もいれば、既読だけつける人もいる。会社全体で価値観を共有しつつ、ほどよい距離感で定着を促していきたいですね。

〜最後に、貴社がどんな組織を作っていきたいと考えているか、お聞かせください〜

前川:同業のライバル企業はたくさんいます。その中で、長期的な視点で会社運営を考えると利益や売上ばかりを追求するのではなく、従業員が会社にいる意味や、この仕事の社会的な意義を感じ続けられる企業にしたいと思っています。

そのためには、理念を共有し、私の想いを言語化していかなければならないと思っています。TUNAGを通じて人間関係・信頼関係を築きながら、人材育成や組織文化にも取り組む必要があります。

これらすべてを踏まえた上で「継続していくこと」が重要だと考えています。

〜前川様、お話しいただきありがとうございました!〜

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