理念浸透から申し送りまで。TUNAGを「医院のインフラ」として活用し、年間2,260枚の紙削減に成功した鈴木内科医院の事例
愛のある医療、愛のある介護、愛のある運営を通して、地域社会や職員の幸せづくりに貢献していく。「Love and Care」を掲げ、北海道札幌市で医療・介護・看護・リハビリに特化して事業を展開する医療法人社団鈴木内科医院様。
職員が増え、部署や拠点が分かれている中で、理念浸透や情報共有に課題を感じてTUNAGを導入し、院長の発信から申し送りまで、医院の「インフラ」としてTUNAGを活用しています。
院長が発信した投稿で既読率95%を達成し、ペーパーレス化により年間2,260枚もの紙を削減するに至った取り組みについて、事務長の鈴木様、経営管理部の佐藤様にお話を伺いました。
理念浸透と情報共有の効率化に課題感
経営理念やフィロソフィーが現場の職員まで浸透しない
〜導入前に感じていた課題について教えてください。〜
鈴木:職員が130名ほどになって、全職員に経営理念を浸透していくのが難しいと感じていました。
月に一回の経営会議で経営課題や今後の方針を話し合っているんですが、部署や事業所によっては、その内容が管理者から現場の職員まで伝わっていないことも結構あったんです。
定期的に全職員と話すようにはしているものの、やっぱりこれだけ組織が大きくなると私の考え方とか経営理念がなかなか浸透しないので、私の考えや意図を職員と共有できるツールが必要だと思うようになりました。
紙による情報伝達が、タイムロスを生んでいた
〜その他に課題に感じていたことはありましたか?〜
鈴木:TUNAG導入前は紙媒体で情報共有を行なっていたんですが、利用者さんや入居者さんの状況は日々変わっていくので、リアルタイムで情報共有できたほうが良いと感じていました。
例えば、数日間休んでいた職員が復帰したとき、休んでいた間の申し送り書類を探して、読んで…というのがタイムロスになっていたんです。
休みの日に見たくない人はもちろん見なくて大丈夫ですが、「〇〇がこんな状況になってます」というのがリアルタイムで共有されていれば、もっとスムーズに仕事に入っていけると思ったんです。
〜各種申請や承認も、紙媒体で実施していたのでしょうか?〜
鈴木:そうですね。例えば、インシデント報告も職員が紙に書いて提出し、院長に届くまでに、結構タイムロスが生じていました。
佐藤:年に2回、1週間の休暇を取得できる「リフレッシュ休暇」という福利厚生制度の申請も紙でやっていて、拠点の管理者と事務長から2段階の承認をもらう必要があるので、特に拠点が離れている部署では申請・承認に時間がかかっていましたね。
タイムライン形式で見やすく、情報の出し分けができるTUNAGを導入
〜理念浸透や情報共有のツールを検討する中で、なぜTUNAGを導入することになったのでしょうか?〜
鈴木:TUNAGを導入する前、チャットツールを無料プランで使い始めたんです。全職員がつながって、部署やチームごとに連絡が取れるようにはなったんですが、無料版だと数ヶ月で情報が消えてしまうなど色々と不都合な点も出てきたので、どうしようかと考えていました。
そんなとき、仕事で付き合いのある人から「こんなツールがあるみたいですよ」と紹介されたのがTUNAGでした。
〜TUNAGのどのような点が導入の決め手になりましたか?〜
鈴木:一般的なSNSのようにタイムラインに情報が流れてくるのが見やすそうだと感じました。
また、当法人はもともとアメーバ経営を採用しており、ブランディングプロジェクトチームなどいろいろなチームがあるのですが、TUNAGはチームや部署、拠点ごとに情報を分けて発信できるのが良いと思いました。
あとは、サンクスカードなどの機能があり、感謝し合うツールとして使えるのも導入の決め手になりましたね。
理念浸透から申し送りまで、医院の「インフラ」としてTUNAGを活用
院長からの発信、フィロソフィー研修で理念浸透を促進
〜理念浸透の取り組みについて教えてください。〜
鈴木:「院長からのお知らせ」というタイトルで、各拠点の院長から定期的に発信をしてもらっています。院長が考えていることや今後の動き方、法人としての方針などを全職員が見られるようになりました。
また、「フィロソフィー研修」というコンテンツをTUNAGで運用しています。経営会議でピックアップされたフィロソフィーについて、各部門会議で職員が感想を共有し、それをTUNAGで報告してもらっています。
紙での手続きをTUNAGに移行、部署やチーム専用の連絡場所も
〜情報伝達や申請・承認について、TUNAGでどのように行なっていますか?〜
佐藤:日誌、行事企画書、行事報告書、研修報告、リフレッシュ休暇の申請、インシデント報告などを、全て紙からTUNAGに移行しました。
また、部署ごとに申し送りの投稿場所を設けているほか、ブランディングチームや委員会のメンバー限定の連絡場所もありますね。
現場の職員から「TUNAGは鈴木内科医院のインフラであり、まさに私たちを『つなぐ』存在です」という声をもらいました。私も、TUNAGはまさにそのような存在だと思います。
部署や拠点を飛び越え、社内交流を促進
〜コミュニケーション活性化の取り組みも実施していると伺いました。〜
佐藤:テーマを決めて写真を募集する「フォトコンテスト」を実施しています。職員なら誰でもTUNAG上で投票でき、応募者は得票数に応じて賞をもらえるというものです。他にも、子育てや温泉、ペットなどに関する「サークル活動」のコンテンツも新たに作りました。
また、部署内で研修をしたり、外部の研修に行った際に、内容や感想を報告するコンテンツとして「研修報告」を運用しています。最近では「研修案内」というコンテンツを作り、「この部署でこんな研修を開催します」という案内も新たに実施しています。
院長発信の既読率95%、年間2,260枚の紙を削減
院長の想いが現場の職員に直接届くようになった
〜理念浸透の取り組みで得られた効果について教えてください。〜
佐藤:院長の考えが全職員に直接伝わるようになりましたね。「院長からのお知らせ」のコンテンツの既読率も95%を超えています。
今まで管理職経由で伝えていたことが院長の文章で直接伝わるので、現場の職員からも「院長の考え方がすごく伝わりやすくなった」という声が上がっています。
鈴木:今後は、院長や私から動画を配信するなど、さらに経営理念やフィロソフィーの浸透を促していきたいですね。
ペーパーレスによる大幅なコスト削減、申請・承認時間の短縮
〜ペーパーレス化・業務効率化の面で得られた効果について教えてください。〜
佐藤:実際に計算したところ、TUNAG導入前後で年間2,260枚のA4用紙を削減できました。また、書類作成にかかる時間も大幅に短縮でき、年間377時間も削減できています。
例えば、日誌は以前まで管理者が手書きで記入していましたが、「項目が選択式になったので、半分以下の時間で記入できるようになった」「項目が分かりやすくなって他の部署や職員でも記入できるようになり、管理者の負担がかなり減った」という声もありました。
申請・承認もわざわざ提出しに行かなくてよくなったので、かなり時短になりましたね。職員からも、「手間が省けてかなり楽になった」と聞いています。
迅速かつ正確な情報共有を実現
〜情報共有の面ではどのような効果がありますか?〜
佐藤:申し送りなどの情報共有をリアルタイムで行い、迅速かつ正確に情報を共有できるようになったのはかなり大きいと思います。
部署ごと、チームごとに連絡も取りやすくなり、職員からも「情報共有のタイムロスがなくなった」「やり取りが消えずに文字で残るので楽になった」と嬉しい声が上がっています。
インシデント報告も、本当にスムーズになりましたね。また、インシデントが起こった部署で共有するだけでなく、TUNAGで他の部署の職員にもきちんと共有できるようになりました。他の部署に関わるインシデントもある中で、他部署の職員にとっても「こんなことがあったのか」という気づきにつながっています。
部署や拠点を超えた繋がりが生まれた
〜部署間の交流や、コミュニケーション活性化で得られた効果がありましたら教えてください。〜
佐藤:フォトコンテストはもともと実施していたものですが、投票までTUNAGで行うようになったことで投票率が61%から88%に上がりましたね。
サークル活動はまだ始まったばかりでこれからですが、初めはTUNAGだけでの交流だったのが、現在はオフラインでも集まる動きが出てきて、他部署との交流がかなり深くなっています。
また、サンクスカード企画として、1ヶ月間でサンクスカードを貰った方、送った方の上位2名ずつの4名でランチ会に招待するというのを行いました。普段一緒にご飯食べる機会のない4人が集まっていたんですが、「かなり盛り上がって楽しかったです」という声をもらいました。
〜効果実感を踏まえ、TUNAGはどのような組織におすすめだと思われますか?〜
鈴木:当法人のように、医療・介護業界だったり、いろんな職種の職員がいる法人におすすめかなと。また、20〜30人の規模を超えてきた組織にとっては、TUNAGのようにいつでも情報共有しやすい環境があれば便利じゃないかと思います。
高齢の職員にも使ってもらうための工夫
〜TUNAGを導入していく中で苦労したことはありますか?〜
佐藤:当法人には新しいことに消極的な職員も多くて、自分から発信するのをためらう人もいましたね。また、60代〜70代の高齢の職員もいて、スマホに慣れていない方も何人かいました。
そのような職員にTUNAGを使ってもらうのは、最初はかなり苦労しました。ただ、各部署にTUNAG運用のプロジェクトメンバーを配置して、消極的な職員や、スマホに慣れていない職員に付き添ってフォローしてもらいながら対処できました。
鈴木:ツール導入にあたって職員の協力は不可欠で、最初はそこが少し大変かな思います。特に、初めてこうした情報共有ツールを使うとなると、やっぱりいろんな方がいますよね。ただ、使ってみると「やっぱり便利だよね」となるはずなので、ゆっくり慣れていくことが大事なのかなと思います。
医療や組織運営を通じて職員の幸せをつくる
〜最後に、鈴木内科医院様の今後の展望について教えてください。〜
鈴木:愛のある法人運営を通じて、職員の幸せをつくることが一番だと考えています。職員自身が幸せじゃなければ、地域社会に向けて良い仕事を継続することはできませんよね。
また、自分たちの生活を豊かにするためには、自分たちの事業所が収益を上げていかなければなりません。当法人は、基本的に各事業所で収支をオープンにしているので、職員が今まで以上に経営を意識して、活発に意見を出し合っていきたいと思っています。
〜鈴木様、佐藤様、お話いただきありがとうございました!〜