組織の一体感を高めるメリットは?組織力を高めるポイントを解説
組織の一体感は、企業が持続的に成長する上で欠かせない要素の一つです。一体感が高まることで、社員同士の協力体制が強化され、継続的な業績向上につながります。
企業の事業が成長するにつれ、会社組織は複数の専門化した部門に分かれていく傾向があり、部門間のコミュニケーションが希薄な「縦割り組織」になりやすくなります。この縦割りの度合いが高まると、部門間の連携が難しくなり、事業成長が停滞する要因となります。
施策に取り組む前に、組織の一体感を高めることのメリットや、組織力向上のポイントを確認しておきましょう。
組織の一体感とは?
組織の一体感とは、社員が共通の目標や価値観を共有し、協力して取り組んでいる状態を指す概念です。一体感の強い職場では、個人の力がチーム全体の成果として発揮されやすくなり、全体のパフォーマンスが向上します。
一体感が重視されるようになった背景
現代のビジネス環境は、デジタル化やグローバル化により変化が激しく、企業は迅速な意思決定や柔軟な対応が求められます。組織としての機動力を高めるには、社員一人一人がきちんと貢献できる体制の構築が必要であり、その文脈で一体感が重視されるようになりました。
社員が孤立せずに結束して動ける環境ならば、情報共有もスムーズになり、組織全体のパフォーマンスの向上が期待できます。社員が働きやすい環境を整えるとともに、組織の一員としての価値を感じられる職場づくりが、競争力を高める重要なポイントと考える企業が増えています。
一体感と連帯感の違い
一体感と連帯感は似ていますが、異なる概念です。一体感は目標や価値観の共有による結束感を指し、連帯感は主に、社員が共に困難を乗り越えようとする意識を指します。
より具体的には、一体感は日常業務の中で共有する目標やビジョンを土台としており、連帯感はプロジェクトの進行や問題解決といった、特定の場面において発揮されるものです。いずれも組織の成長には必要な要素ですが、それぞれ異なる役割を果たしています。
一体感が組織にもたらすメリット
組織の一体感が高まることで、以下のように社内コミュニケーションの活性化をはじめ、社員一人一人の主体性の向上などが期待できます。代表的なメリットをみていきましょう。
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社内コミュニケーションの活発化
一体感のある組織では、社員同士のコミュニケーションが自然と活発になります。共通の目標を持つことで、情報共有や意見交換がスムーズになるでしょう。円滑なコミュニケーションは社員間の誤解や対立を減らし、迅速に問題解決を図れる環境づくりに寄与します。
また、社員間でノウハウやナレッジの共有も促進されるため、イノベーションが起きやすいのもメリットです。問題解決や意思決定のスピードが向上し、業務効率の改善にもつながります。
社員の主体性やパフォーマンスの向上
社員が自らの役割や責任を理解し、主体的に行動する意識が高まるのも、一体感のある組織の強みです。
互いに信頼し合える環境は心理的安全性が高まり、新しいことに挑戦する不安が軽減されるため、社員のモチベーションの向上につながるでしょう。また、目標に向けて協力し合う姿勢が育まれることで、個人だけでなくチーム全体の成果も向上します。
従業員エンゲージメントの向上
一体感のある組織では、社員一人一人が組織全体に与える自分の影響を実感しやすくなり、自然とエンゲージメントが高まります。結果として離職率の低下や、優秀な人材の定着率の向上が期待できるのに加えて、新たな人材も採用しやすくなるでしょう。
モチベーションの高い社員の活動を通じて、顧客満足度やブランド力の向上が期待できるため、市場での競争優位性の確立にもつながります。
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組織の活性化による売上の向上
組織の一体感を高めることで、社員が共通の目標に向かい一丸となって取り組むようになり、売上アップに向けた有効な施策を打ち出しやすくなります。
社員同士の連携強化により、イノベーションや新たなアイデアが生まれる環境が整うでしょう。成果が社外にも良い影響を及ぼし、社会的イメージの強化が可能になり、顧客からの信頼も得られます。結果として売上の向上につながるでしょう。
一体感のある職場・ない職場の特徴は?
一体感のある職場では、社員同士のコミュニケーションが非常に活発であり、共通の目標に向けた連携がスムーズにできるのが特徴です。社員同士の信頼関係が強化されやすく、一人一人が安心して自分の意見やアイデアを述べられる雰囲気があります。
一方で、一体感のない職場では、社員が孤立しやすく、部署間の対立や情報共有の不足が目立ちます。その結果、業務効率が低下し、社員間の摩擦が顕在化することで、職場全体の雰囲気が悪化するケースは決して珍しくありません。
離職率の増加や優秀な人材の流出といった問題も発生しやすく、組織の成長を妨げる要因となってしまいます。そのため、多くの企業が社内の一体感を醸成し、社員同士が連携しやすい体制の構築を目指しています。
組織の一体感を高めるポイント
社員の孤立や部署間の対立などを防ぎ、職場の一体感を高めるには、以下のポイントを意識することが大切です。まずはマネジメント層が中心となり、自社のミッションや価値観を社員と共有しましょう。
一体感がない要因を定量的に把握し、課題を分析する
まずは、現状を定量的に把握することから始めましょう。データがないと、「何」が組織の一体感を高めるのに効果的で、「どこ」に課題があるのかを正確に把握することが難しくなります。
施策の効果があったのかわからないまま、新しい取り組みをはじめた結果「効果が薄い施策」を繰り返してしまうリスクが高まります。
施策を実施する前に、目に見えにくい組織の一体感を可視化することが重要です。そこでおすすめなのがエンゲージメントサーベイ(従業員調査)です。従業員へのアンケートを通じて、組織の課題がどこにあるのか定量的に把握することができます。
また、TERASは課題の特定から分析、施策の実施、改善までワンストップでご支援しております。
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ミッションや価値観を共有する
組織全体でミッションや価値観を共有し、それを軸として社内の一体感を育むことが重要です。社員一人一人の役割や行動が、組織全体の目標達成にどのように貢献するのか、理解してもらう必要があります。
結果として、社員の仕事に対する意識や取り組み方が大きく変わり、責任感やモチベーションの向上につながるでしょう。社員が共通の価値観を持てるようにすれば、社員同士が同じ方向を向いて協力しやすくなり、意思決定のスピードも向上します。
情報共有の基盤をつくる
組織内でスムーズに情報を共有するための基盤を構築することは、社員間の連携を強化し、業務効率を向上させるのに不可欠です。必要な情報をスムーズに共有できれば、社員が業務に必要な知識をタイムリーに把握できるようになるので、的確な判断や行動が可能になります。
情報共有の基盤としては、クラウド型のツールや、社内ポータルサイトなどの導入がおすすめです。場所を選ばず、社員が必要な情報にアクセスできる環境を整えられます。
さらに、情報共有の文化を醸成するため、定期的なミーティングや報告会を推奨し、社員が積極的に情報を発信できる場を設けるのも効果的です。
信頼関係が高まる仕組みを導入する
社員同士や上司・部下の間で信頼関係を築くことは、強い組織をつくる上で欠かせない要素です。信頼関係を高める仕組みの導入を検討しましょう。
従業員間の信頼関係を高めるためには「知る」「理解する」「共感する」のステップを踏むことが重要です。弊社が提供する組織改善クラウドTUNAGでは、ステップに沿って各社に合わせた施策を実行することが可能です。会社や従業員のことを「知る」ための機能として社員プロフィールや社長メッセージ、会社からのお知らせ、日報など複数の機能が備わっており各社に合わせてカスタマイズしてご利用いただけます。
「理解する」「共感する」に関しては、施策実行後、分析機能でデータを取り、データをもとに改善を回すことで効率よく社内の一体感を高めることができます。
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組織の一体感を高めて生産性を向上させる
組織の一体感は、企業の成功に直結する重要な要素です。まずはマネジメント層が中心となり、ミッションや価値観をきちんと社員と共有しましょう。その上で社員同士が信頼関係を構築できるように、情報共有の仕組みを導入し、コミュニケーションの場を積極的に提供する必要があります。
また、公正な評価制度やフィードバック制度などを通じて、社員のモチベーションを維持し、組織全体の連携を強化することも重要です。こういった取り組みを継続的に実施することで、組織に一体感が生まれ、生産性や業績の向上につながります。定期的に施策の効果を検証し、改善を重ねるようにしましょう。