社内コミュニケーションの重要性とは?課題と改善策、成功事例を紹介!

働き方改革やコロナ禍の影響でテレワークが普及し、直接的な対話の機会が減少する中、コミュニケーションの取り方にも変化が生じています。このような状況で、多くの企業が社内コミュニケーションの問題に直面しています。

本記事では、社内コミュニケーションの課題に焦点を当て、具体的な改善方法や社内コミュニケーションの課題を克服した企業事例を紹介します。

社内コミュニケーションの課題とは

会社の効率的な運営には、社内における円滑なコミュニケーションが不可欠です。しかし、これを強化するための取り組みは、そう容易ではなく、多くの会社が課題を抱えています。

ここでは、社内コミュニケーションが乏しくなる主要な課題を3つに分類して紹介します。

働き方の多様化から生じる課題

出典:筑波大学|「テレワークによる社内コミュニケーションの変化」に関する調査(図11 テレコミュニケーションの利点と問題点)

テレワークやフレックス制度など、多様な働き方が生まれていますが、それに伴って社内コミュニケーションにも課題が生じています。

筑波大学が実施した「テレワークによる社内コミュニケーションの変化」に関する調査によると、コミュニケーション面で「相手の表情や気持ちがわかりづらい」(54.4%)、「相手の反応がうまく読み取れない」(52.2%)という問題が高い該当率を示していました。

また、「発言するタイミングが難しい」(40.1%)、「対面で話すときに比べて、時間がかかる」(34.7%)などの声も挙がっていました。

このように、リモートワークや柔軟な勤務時間は利便性をもたらしますが、顔を合わせる機会が減ることで、コミュニケーションの質が低下するリスクもあります。従業員同士が対面での微妙な表情やトーンを読み取ることが難しくなり、誤解やすれ違いが発生しやすくなることが考えられます。

コミュニケーション方法の変化から生じる課題

近年、コミュニケーションの方法が「対面での会話」から「テキストベース」へと変化してきています。

この変化により、声のトーンや表情といった非言語的要素が伝わりづらくなります。そのため、自分の意図を正確に伝える能力や、相手の意図を正確に読み取る能力が一層重要になっています。

そうした能力が互いに備わっていないと、コミュニケーション上で、意図せず誤解を生むことが増えてしまいます。これにより、社内の人間関係が悪化し、業務の効率にも悪影響を及ぼす可能性があります。

コミュニケーションの性質から生じる課題

コミュニケーションは目に見えないものであり、その成果を数値化することが難しいため、企業にとっては評価が難しい側面があります。

この特性が原因で、どの施策が効果的であり、何が不足しているのかを明確に把握することが困難になります。

例えば、リモートワーク環境でのコミュニケーション改善策として、オンラインミーティングやチャットツールの導入が考えられますが、その効果を定量的に測定するのは容易ではありません。

数値化できないことで、コミュニケーションが改善されたかどうかの判断が難しくなり、結果として企業全体の効率向上に繋げることが難しくなります。このため、企業は継続的なフィードバックを取り入れ、改善策を見直し続けることが重要です。

社内コミュニケーション活性化が必要な理由

業務効率が向上する

社内コミュニケーションが活発になると、「報連相」が密に行われ、情報伝達がスムーズになります。これにより、業務遅延が防がれ、生産性が向上します。加えて、ミスの早期発見やトラブルの未然防止にもつながり、業務全体の効率が高まります。また、発言が自由に行われる環境では、新しいアイデアや業務改善点が共有されやすくなり、シナジーを生み出しやすくなります。

社員間のミスコミュニケーションが減少し、トラブルが防げる

社内での情報伝達が円滑に行われることで、社員同士のミスコミュニケーションが減少します。普段からのコミュニケーションによって親近感が増し、トラブル発生時も助け合いの姿勢が生まれやすくなります。その結果、職場の人間関係によるストレスが軽減され、離職率の低下にもつながります。

情報共有の増加で顧客満足度が向上する

社内での顧客情報や引き継ぎが適切に行われることで、顧客からの質問やクレームに迅速かつ正確に対応できるようになります。これにより、顧客満足度が向上し、従業員のモチベーションも高まります。さらに、顧客からのポジティブなフィードバックが職場環境全体に良い影響を与え、従業員の意欲向上につながります。

信頼関係が強化される

社員同士のコミュニケーションが活発になることで、相互理解が深まり、信頼関係が構築されます。相手の意見や考えを尊重し合う文化が形成されることで、チーム全体としての一体感が強まります。信頼関係が強固であれば、協力して問題解決に取り組む意識が自然と芽生え、円滑な業務運営が可能となります。

また、信頼できる環境では、社員は安心して新しいアイデアや意見を提案しやすくなり、創造的な発想が促進されるため、組織全体としての競争力が向上します。結果として、チームの結束が強化され、効率的な業務遂行が期待できるでしょう。

離職率の低下

社内コミュニケーションが頻繁に行われることで、社員同士が孤立することなく、協力し合える環境が整います。孤立感や疎外感がなくなることで、社員は職場に対しての安心感や信頼感を抱きやすくなり、職場に定着しやすくなります。

さらに、コミュニケーションを通じて上司や同僚との関係が良好になることで、業務上の不安や悩みを気軽に相談できる環境が整い、メンタルヘルスの向上にも寄与します。これにより、社員の定着率が向上し、離職率が大幅に低下するだけでなく、長期的な組織の安定と成長が期待できます。

コミュニケーション不足が招く職場崩壊?!その影響と解決策を解説

社内コミュニケーションが不足すると、職場ではどのような課題が発生するのでしょうか?ここでは、放置すると取り返しのつかない事態になりかねない4つの課題と、その解決策を具体的に解説していきます。

認識の相違からミスが増加する

出典:HR総研|社内コミュニケーションに関するアンケート 結果報告

HR総研が調査した社内コミュニケーションに関するアンケート結果報告によると、「社内コミュニケーション不足はどのような業務において障害となると考えられているのだろうか。」という質問に対して、どの規模の企業でも「迅速な情報共有」が業務障害のトップ要因とされています。とくに従業員数301名から1,000名の企業では「部署間や事業所間での連携」が問題視されています。

部署間や事業所間での情報共有不足は部署横断型のプロジェクトの進行状況や変更点が適時に共有されないことにも直結するでしょう。これにより、互いに認識の相違が生じ、業務上のミスやトラブルが増加します。

手つかずの問題が増え、業務の質が低下する

最低限のコミュニケーションしか行われない場合、社内の問題点が見逃され、手付かずのまま放置される可能性があります。これにより、表面的には業務が順調に進んでいるように見えても、実際には業務の質や生産性が低下してしまいます。

放置された問題が蓄積すると、やがて大きなトラブルに発展することも考えられます。問題を早期に発見し解決するためには、定期的かつ詳細なコミュニケーションが欠かせません。

目指す方向への認識の統一ができない

社内コミュニケーションが不足すると、部署内での目標やビジョンに対する認識が統一されず、チームビルディングがうまくいかないことがあります。

先ほどご紹介したHR総研の調査によれば、部署内での認識のズレから「部署内のチームビルディングがうまくいかない」という問題や「目指す方向への認識の統一ができない」といった問題が多く報告されています。これにより、部署間の連携が弱まり、組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼすでしょう。

これを防ぐためには、定期的なミーティングや情報共有の場を設け、社員間のコミュニケーションを活性化させることが重要です。

人間関係が悪化し、離職率が上昇

社内コミュニケーションが不足すると、相手の考えや感情が分かりづらくなり、不信感や孤独感も生じやすくなります。

厚生労働省の調査によると「初めて勤務した会社を辞めた理由」として「人間関係がよくなかった」と答えた人は26.9%にのぼり、人間関係の悪化が離職率に大きく影響していることが示されています。

良好な人間関係を築くためには、日常的なコミュニケーションの質と量を高める取り組みが必要と言えます。

社内コミュニケーションの課題を改善するには?

上記の課題を踏まえ、社内コミュニケーションの課題を解決するには、以下の5つの改善策が有効です。これらの取り組みは、職場環境の改善や従業員満足度向上にも繋がり、離職率低下も期待できます。これらの取り組みを実施することで、社内のコミュニケーションを円滑にし、企業全体の効率と士気を高めることが期待できます。

オフィスレイアウトに工夫を加える

オフィスのレイアウトを工夫することで、自然なコミュニケーションが促進されます。具体的には、フリーアドレス制を導入することで、部署や職位を超えた交流が生まれやすくなります。

また、リフレッシュスペースやマグネットスペースを設置することで、気軽に立ち話ができる場所を提供し、非公式なコミュニケーションを活発にできます。

さらに、オフィス内の動線を回遊できるように設計することで、従業員が移動中に自然に会話を交わす機会を増やすことができます。これらの工夫により、社内のコミュニケーションが活性化し、組織全体の一体感が高まるでしょう。

1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングは、上司と部下が個別にコミュニケーションを取る機会を提供し、信頼関係を構築する上で非常に有効です。

これにより、部下は自身の考えや感情を直接上司に伝えることができ、上司は部下のニーズや課題を深く理解できます。

また、このミーティングはフィードバックの場としても機能し、従業員のエンゲージメントとモチベーションを向上させることができます。さらに、業務に関する話だけでなく、日常の話題も取り入れることで、コミュニケーションの幅が広がり、相互理解が深まります。

その結果、職場の雰囲気が改善され、従業員の定着率向上にもつながります。

社内イベントを開催する

定期的なイベントを通じて、従業員同士の交流を深め、部署間の壁を取り除くことができます。例えば、以下のようなイベントが有効です。

イベント例

懇親会・ランチミーティング

カジュアルな交流を促進し、従業員同士の関係を深める

チームビルディング活動

協力意識を強化し、チームワークを向上させる

社内勉強会・ワークショップ

知識共有やスキルアップを図る

プロジェクト発表会

他部署の理解と協力を促進し、全社的なプロジェクトの進行をサポート

これらのイベントを継続することで、従業員のエンゲージメントが向上し、組織全体のコミュニケーションが円滑になります。また、イベントの企画・運営を通じてリーダーシップや企画力の向上も期待できます。

社内報を発行する

社内報の発行は、社内コミュニケーションを促進する効果的な手段ですが、社員に読まれないと意味がありません。

社員が社内報を積極的に読むようにするためには、内容や形式に工夫が必要です。発信内容をフランクにし、親しみやすいトーンで書くことで、社員の興味を引きやすくなります。

さらに、社内報の閲覧のハードルを下げるためには、紙媒体に加えてweb社内報を活用するのも効果的でしょう。web社内報はアクセスが容易で、いつでもどこでも閲覧できるため、社員の利便性が大いに向上します。

また、他部署のメンバーの業務内容や企業の最新情報など、社内のさまざまなトピックを取り上げることで、従業員同士の会話のきっかけを作り出すことができます。これにより、社内の情報共有が促進され、コミュニケーションが自然に活性化するでしょう。

社内コミュニケーションツールを導入する

社内コミュニケーションを円滑にするためには、目的に合ったコミュニケーションツールの導入が重要です。

しかし、社内コミュニケーションツールと一口に言っても多種多様なものがあり、各ツールの機能や特徴を理解して最適なものを選ぶことが求められます。以下に、導入が考えられるツールとその効果を簡潔に紹介します。

ツールの種類

特徴・効果

ビジネスチャット

  • 即時の情報共有とリアルタイムコミュニケーションが可能
  • チーム内での迅速な意思決定をサポート

社内Wiki

  • 知識の共有と蓄積が可能
  • 誰でも簡単に情報を検索・参照できる

グループウェア

  • スケジュール管理やタスク管理が一元化
  • 部署間の連携を強化

社内SNS

  • チャットやタイムライン投稿、ファイル共有が可能

また、社内のプロフィール機能や投稿機能で社内コミュニケーション促進を図るだけでなく、社内コミュニケーションの可視化にもITツールは有効でしょう。

このようなツールを活用することで、会社や部署の組織状態を効率的かつ効果的に把握することができます。

社内コミュニケーションツールについて、こちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。 

社内コミュニケーションの課題を解決した事例

社内コミュニケーションの課題を乗り越えた会社は、どのような取り組みを実施したのでしょうか。ここでは、社内コミュニケーションの課題を解決した企業事例を紹介します。

株式会社WDI JAPAN|ブランドを超えた情報共有とチーム力向上に成功

株式会社WDI JAPANは、「カプリチョーザ」や「ハードロックカフェ」など25以上のレストランブランドを展開する企業です。

同社は社内コミュニケーションの課題を解決するために「TUNAG」を導入しました。導入前は、店舗スタッフが自店舗の情報しか知らず、本社からの重要な情報が伝わりにくい状況でした。また、情報の伝達は店長の資質に依存していました。

「TUNAG」を導入することで、タイムライン形式で情報をカジュアルに共有できるようになり、ブランドを超えた情報共有を可能にしました。さらに、各店舗や個人に焦点を当てた表彰制度にも取り組み、店舗間でのコミュニケーション創出にも役立てています。

これにより、スタッフの満足度と定着率が向上し、本社と店舗、店舗同士の距離感が縮まりました。

同社は「TUNAG」の導入により、社内コミュニケーションの課題を解決し、一体感とチーム力を高めることに成功しました。

事例記事はこちら>>>「ブランドを超えた社内広報」を実現。カプリチョーザなどを展開するWDI JAPANの社内コミュニケーション事例

株式会社アヴァンス|コミュニケーションが促進され、介護業界での新卒離職率が0%に

株式会社アヴァンスでは、紙ベースの業務手続きが原因で情報共有の遅れが発生し、新卒社員の不安や悩みが解消されず、離職率が高い状態が続いていました。

この課題を解決するために、TUNAGを導入し、日報や経費申請をデジタル化しました。これにより、双方向のコミュニケーションが促進され、社員同士の情報共有が円滑になりました。さらに、代表からのメッセージを定期的に発信することで、会社のビジョンや方針が全社員に浸透し、組織全体の一体感が強化されました。

また、委員会制度により、社員一人ひとりが主体的に業務に関わるようになり、責任感が向上しています。TUNAGの導入により、新卒社員の離職率は75%から0%に改善され、社員の定着率が飛躍的に向上しました。

事例記事はこちら>>>TUNAGで「組織コミュニケーションの要」を確立。介護業界で新卒の離職率が75%から0%に

ホイテクノ物流株式会社|社内コミュニケーションの活性化と業務効率

光田モータースでは、コロナ禍で社内コミュニケーションが希薄になり、アナログな情報共有が課題となっていました。電話やファックスでの情報伝達は遅れが生じ、社員に十分に行き渡らないことが頻発していたため、TUNAGを導入しました。

導入後は、日報や有給申請がデジタル化され、8つの拠点を越えた情報共有がスムーズになりました。また、「グッジョブカード」で社員同士が称賛し合う文化が生まれ、社内の雰囲気が向上。さらに、社内通貨「ミツダポイント」によるリワード制度も取り入れ、社員のモチベーションを高めることに成功しました。結果として、離職率の改善に大きく貢献しています。

事例記事はこちら>>>「この会社が大好きだ」と言ってもらえる組織へ:光田モータースが脱アナログとコミュニケーション活性化を実現するまで

まとめ|社内コミュニケーションを改善して、働きがいのある職場環境を!

社内コミュニケーションを改善するためには、まず問題の根本原因を明確に把握することが重要です。すなわち、コミュニケーションに課題を感じている企業は、原因を分析し、問題点を整理して可視化することが先決です。

問題点が明確になれば、必要な対策も具体的に見えてくるでしょう。また、社内コミュニケーションの改善は一度で完了するものではなく、継続的な努力が求められます。

持続的な取り組みによって、社内の情報共有が円滑になり、組織全体の活性化と良好なコミュニケーションの循環が実現します。ぜひ今回の記事を参考にして社内コミュニケーションの改善に取り組んでみてください。

著者情報

人と組織に働きがいを高めるためのコンテンツを発信。
TUNAG(ツナグ)では、離職率や定着率、情報共有、生産性などの様々な組織課題の解決に向けて、最適な取り組みをご提供します。東京証券取引所グロース市場上場。

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