社内のコミュニケーション不足を解決するには?成功事例や取り組みのポイントも紹介!

社内のコミュニケーション不足はミスの増加や生産性低下、離職率上昇などのさまざまな問題を引き起こします。コミュニケーション不足を解消するには組織の文化・環境の変革が必要であり、全社的な取り組みが求められます。

その一方で、「社内のコミュニケーション不足を解消するためにどのような取り組みがあるのか」「どういうことに注意すればいいのか」でお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、コミュニケーション活性化に役立つおもな施策の内容と実施上の注意点を解説し、ツール導入でコミュニケーション活性化に成功した企業の事例も紹介します。

コミュニケーション不足が職場に与える影響とは?

コミュニケーション不足が与える影響はさまざまなレベル・スパンに及びます。コミュニケーション不足のおもな影響をまとめます。

認識の相違が生じてミスが増加する

コミュニケーション不足により必要な情報が部署内・部署間で伝達されなかったり、不十分な形でしか伝わらなかったりすると、情報共有不足や認識の不一致の原因となります。

そうした状況が続けばミスやトラブルが重なり、ビジョンや施策の社内浸透は阻まれ、生産性の低迷につながります。

手つかずの問題が増え、業務の質が低下する

決まりきった最低限のコミュニケーションしか行われず、業務上の疑問点や問題点が手付かずのまま放置されると、表面上はつつがなく業務が進行しているように見えても業務の質や生産性は着実に低下します。放置した問題点が深刻なトラブルを生み、顧客からの信頼や社会的評判が低下する事態も起こり得ます。

従業員の離職につながる

コミュニケーション不足から以下のような問題が生じ、従業員の離職が発生しやすい職場になってしまうことが少なくありません。

  • 業務の潤滑油となる気軽な雑談が発生せず、人間関係がギスギスし、孤独を感じる従業員が増える
  • 業務上のミスや行き違いが頻繁に発生し、ストレスやフラストレーションが蔓延する
  • オープンなコミュニケーション(率直な意見交換)ができず、モチベーションや向上心が低下する
  • 疑問や悩みが鬱積し、会社への信頼や心の健康が損なわれる
  • ビジョンが浸透せず、組織の一体感やエンゲージメントが醸成されない

社内のコミュニケーション不足を解決するための取り組み

社内コミュニケーションはタテ・ヨコ・ナナメの3方向に分類できます。

タテのコミュニケーション

会社(経営層)と従業員の間や上司と部下の間のコミュニケーション

ヨコのコミュニケーション

同じ部署や拠点に属する同期・同僚の間でのコミュニケーション

ナナメのコミュニケーション

異なる部署・拠点の間で行われるコミュニケーション

各方向のコミュニケーションを活性化するのに役立つ施策を紹介します。

【タテ】会社と従業員のコミュニケーションを活性化させる取り組み

会社と従業員のコミュニケーションでは、押しつけや形だけの発信に陥らないように注意して活性化を進めることが重要です。そのためにも、会社から従業員に向け、できる限りダイレクトな形で情報発信を行うことと、現場従業員の声・反応を具体的に把握することが求められます。

代表的な施策として、社内報(とくにWeb形式・SNS形式の社内報)やWeb会議、社内アンケートが挙げられます。

社内報で会社の考え(社長メッセージなど)を定期的に投稿しつつ、現場からの情報(日報・成果報告など)も積極的に投稿してもらうことで、会社の考えの伝達と現場の状況の把握を同時に行うことができます。Web形式・SNS形式の社内報であればよりダイレクトかつタイムリーな形で情報共有が行え、閲覧状況を可視化したり、投稿に対するコメントから現場の声を収集したりすることも可能です。

地理的に離れた本部と各拠点(店舗)との間のコミュニケーションには、Web会議が適しています。

社内アンケートは、特定の経営課題に関して従業員の声を収集したい場合に効果的です。

【タテ】上司と部下のコミュニケーションを活性化させる取り組み

1on1ミーティングやメンター制度などの形で、日頃の業務とは別にコミュニケーションの機会を設けるのが効果的です。

1on1ミーティングは主に上司と部下が1対1で行う面談で、部下の悩みや疑問を上司が受け止め、フィードバックを返す形で行われます。形だけの面談やパワハラの機会になってしまわないよう、研修やコーチングなどを通して上司側の意識とスキルを高めておくことが重要です。

メンター制度とは、先輩社員が後輩社員の支援者・助言者(メンター)となり、業務・キャリア・人間関係などの悩みや迷いに対する支援・助言を提供する制度です。後輩社員としては上司には相談しにくい事柄も相談でき、職場に馴染みやすくなるといったメリットがあります。先輩社員側も、指導的・管理的な立場でのコミュニケーションスキルの向上や、責任感の醸成といった効果が望めます。

1on1ミーティングやメンター制度が浸透すれば、日頃から相談しやすい雰囲気が職場に広がる可能性もあります。

【ヨコ】部署・同僚内のコミュニケーションを活性化させる取り組み

ヨコのコミュニケーションは日頃の業務においても発生しやすいものですが、それをより豊かなものとする上で、階層別研修やジュニアボード制度などの活用が効果的です。

階層別研修とは、入社年次や役職などに基づいて従業員を階層に分け、階層ごとに最適化した研修を実施するものです。ジュニアボード制度は、若手従業員からメンバーを選抜して擬似委員会を作り、経営課題に関する討論と解決策の提案を行わせる制度です。

階層別研修は各階層に求められるスキル・意識・視野を身につけることをおもな目的とし、ジュニアボード制度は次世代幹部育成やフレッシュなアイデアの取り込みなどをおもな目的としていますが、ヨコのコミュニケーションを豊かにして連携を強化する効果も期待できます。

【ナナメ】拠点間・部門間のコミュニケーションを活性化させる取り組み

ナナメのコミュニケーションを活性化するには、物理的・地理的な距離や、縦割り意識(セクショナリズム)などの心理的な垣根を取り除くための取り組みが求められます。

例えば、以下のような取り組みが効果的です。

  • 社内報で各現場から情報発信(業務内容・人材の紹介や日報などの投稿)を行い、部署・拠点間の相互理解を促進する
  • 社内横断型のイベントやサークル活動を立ち上げる
  • 複数部署のオフィスをまとめ、座席をフリーアドレス制(固定席を設けず各自が自由に席を選んで仕事をするスタイル)にする

社内コミュニケーション活性化の施策を行う際のポイント

コミュニケーション活性化に向けた施策を立案・実施する際に留意すべきポイントをまとめます。

施策の目的やルールを事前に明確化・共有する

社内コミュニケーションに関する課題を抽出し、コミュニケーション活性化の目的やルールを明確化した上で、社内に共有することが重要です。

目的が曖昧なままでは実態に即した有効な施策が導入できず、いつの間にか施策の導入そのものが目的となってしまい、「とりあえず導入してみただけ(施策が活用されず成果もでない)」という結果に陥りがちです。

また、施策の目的やルールが社内で共有されていなければ、どんな施策も浸透せず、無駄に終わってしまいます。

自由参加とする施策では、従業員に参加を強制しない

施策への参加形態には自由参加と強制参加があります。

参加形態

意味

自由参加

従業員が自らの意思で参加・不参加を決めるもので、会社側には施策への参加に対して賃金を支払う義務はない。

強制参加

業務の一環として行われるもので、会社側は賃金(通常の給与や残業代・休日手当など)を支払う必要がある。

形の上では自由参加としておきながら実質的には参加を強制し、賃金を支払わなければ、労働法違反となります。また、そうしたやり方では施策の効果も上がらないでしょう。

組織の現状や施策の目的に照らし、コンプライアンスにも配慮しながら、自由参加とする施策と強制参加とする施策を慎重に吟味する必要があります。

社内コミュニケーションを活性化させた事例

社内コミュニケーションの活性化を図る上でデジタルツールは大きな力となります。ここでは、組織改善DXツール「TUNAG」の導入により社内コミュニケーション活性化に成功した企業の事例を紹介します。

株式会社ゼットン(タテのコミュニケーション活性化事例)

株式会社ゼットンは、東京・神奈川・愛知・ハワイを中心に国内外に飲食店・ブライダル施設を展開する企業です。

会社からの情報を各店舗のスタッフに届ける統一的な手段がなく、情報が全社に行き渡らないという問題や、コミュニケーションが一方通行になりがちであるという問題を抱えていました。

そこで、「TUNAG」を導入して以下のような施策を実施しました。

  • 社長メッセージなどの会社からの情報をTUNAG上で配信し、スマホなどを通してスタッフ一人ひとりにダイレクトに届ける仕組みを構築
  • 1on1ミーティングの記録(結果報告や面談時の写真)をTUNAG上に残し、可能な範囲で全社に向けて公開することで、タテのコミュケーションを双方向的に行いやすい環境・雰囲気を醸成

こうした施策により会社からの情報が現場に浸透するようになり、1on1ミーティングの実施率が倍増して離職率低下につながりました。

同社では、社内部活動の促進など、ヨコ・ナナメのコミュニケーションにもTUNAGの活用を広げています。

事例記事はこちら>>顔が見える1on1MTGを全店で実施。安心してコミュニケーションがとれる場づくりの進め方

株式会社ベイシア(ヨコのコミュニケーション活性化施策事例)

株式会社ベイシアは福島県から滋賀県にわたる1都14県にスーパーマーケットを展開する企業です。

同社では「人は会社の財産である」「地域に貢献する人材を育てる」という考え方のもと若手教育に力を入れ、小売業は離職率が高い傾向があることから、集合研修・合宿研修や人材交流イベントなどを通してエンゲージメント向上に努めてきました。

しかしコロナ禍で各種研修・イベントの開催が難しくなり、これが直接のきっかけとなって、さらなるエンゲージメント向上のために「TUNAG」導入を決定しました。

TUNAG上でSNSのように従業員プロフィール・自己紹介の発信やサンクスメッセージの送信を行える仕組みを作ることで、新入社員同士などのヨコのコミュニケーションを活性化し、離職防止とエンゲージメント向上を推進しています。

同社ではさらに、社内報などによるタテやナナメのコミュニケーションの活性化にもTUNAGの活用を広げています。

事例記事はこちら>>「コロナ禍でも新入社員に安心して働いてほしい」横のつながりを活性化するコミュニケーションの場へ

株式会社タイソンズアンドカンパニー(ナナメのコミュニケーション活性化事例)

株式会社タイソンズアンドカンパニーはレストラン・カフェ・ベーカリー・バーなどの15ブランドを展開する企業です。

導入済みのツール(社内SNS)では部署・店舗の垣根を超えた情報共有が十分に実現できておらず、その会社ならではの組織文化の醸成やエンゲージメント向上に向けた施策が不足していたことから、「TUNAG」の導入を決定しました。

同社はTUNAG上に社内報の制度を構築し、部署・店舗の垣根を超えてさまざまな立場からの情報発信を促進することで、ナナメのコミュニケーションを全社的に活性化することに成功しました。

コロナ禍をきっかけとしてTUNAG上に相談窓口やオンライン会議の制度を構築したことも、コミュニケーション活性化につながりました。制度の使い方の説明や導入後の社内アンケートも「TUNAG」上で行い、制度の浸透や改善に活かしています。

同社ではさらに、人材教育関係のコンテンツ整備など、エンゲージメント向上の方面にもTUNAGの活用を広げています。

事例記事はこちら>>14の飲食ブランドを繋ぐ社内報運用とは - 「店舗内で完結しない横のコミュニケーションが生まれた」

まとめ | 社内のコミュニケーション不足を改善するためには

社内コミュニケーションが不足する原因は、自由なコミュニケーションを阻害する雰囲気や、コミュニケーションに距離・垣根を生みだす組織体制・勤務形態などにあります。

コミュニケーションの方向性としてはタテ(上下間)・ヨコ(同僚間)・ナナメ(部署間)があり、それぞれの方向を阻害する原因を把握し、明確な目的のもとでコミュニケーション活性化施策を導入する必要があります。導入後は従業員の声を反映させながら施策を改善していくことも求められます。

施策の導入や改善のプロセスも社内コミュニケーション(とくにタテのコミュニケーション)がベースとなります。また、多拠点・多店舗展開する企業にとっては、情報共有ツール・社内SNSなどを活用することで、コミュニケーションを円滑化する機能を持ち、業種や規模を問わず、社内のコミュニケーション不足解消を目指す企業にとって大きな助けとなるでしょう。

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