職場の人間関係の希薄化についてデータから解説。良好な関係を構築するために大切なこと

近年、働き方の多様化やITツールの普及などによって、コミュニケーションのあり方が変化し、職場の人との付き合い方についても変わりつつあります。このような中、職場での人間関係が希薄になってきていると感じるようになった方もいるのではないでしょうか。

本記事では、職場の人間関係に関するアンケートを踏まえ、人間関係が希薄化する理由や、良好な関係を構築するために会社ができるコミュニケーションの取り組みについて解説します。

また本記事をご覧いただいている方の中には、「職場の人間関係が悪化している…」「新入社員の早期離職が増加している…」というお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。職場の人間関係を良好にするためには、様々な価値観を尊重してコミュニケーションを取ることが大切です。私たちが作成した「早期離職を防ぐための3つのポイント」の資料では、早期離職を防ぐ施策や定着率改善に取り組む事例をまとめていますので、情報収集段階の方もぜひダウンロードしてみてください。

データから見る職場の人間関係の実態

約半数が職場の人間関係の希薄化を感じている

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが行った「職場におけるソーシャル・サポート実態調査」では、5年前より職場の人間関係が希薄化していると感じていると回答したのは全体の44.6%であり、約半数弱が希薄化を感じているということが分かりました。回答者の属性を見ると、男性・年齢が高い・社歴が長いほど希薄化していると回答する人が多いことも分かりました。

また、希薄化していないという理由の中には、職場の人間関係はずっと希薄であるとの回答もあり、今回の結果よりも多くの人が実際に職場の人間関係が希薄であると感じていると推測されます。

参考:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「職場におけるソーシャル・サポート実態調査」(2019年)

職場で人間関係が希薄になる4つの理由

職場での人間関係の希薄になる理由としては具体的にどのようなものがあるのでしょうか。上記の調査で「人間関係が希薄化していると感じている」と回答した人の理由を踏まえ、4つの要因を解説します。

1. 対面でのコミュニケーションの減少



新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークが増加し、業務や会議がオンラインで行われることが増えました。このテレワークの流れにより、対面でのコミュニケーションが減少し、オンラインやテキストベースのコミュニケーションが主流となってきています。対面と比較し、オンライン上でのコミュニケーションは人間関係の構築が難しく希薄な関係になってしまいます。

関連記事:テレワークの課題はコミュニケーション不足、解決策は?

2.会社の飲み会や会食の減少

以前は、会社の飲み会は「飲みニケーション」として、お互いの情報を交換し、人間関係を深める場とされてきました。
しかし、近年はライフワークバランスの重視や価値観の変化により、仕事以外の時間を大切にしたい人が増えています。そのため、業務時間外には家族や趣味に充てる人が増え、飲み会に参加しないケースも見られます。

職場以外でのコミュニケーションの機会が減少していることは、人間関係の希薄化に影響をもたらしていると言えるでしょう。

3.ハラスメントを気にかけたコミュニケーション不足

ハラスメントの問題が話題になることも多い現代では、積極的なコミュニケーションが控えられるケースも見受けられます。
とくに、上司から部下へ気軽に話しかけづらいと感じる声が聞かれることがあります。従業員の中には、ハラスメントを恐れて慎重になる人もおり、その結果、些細な会話すらも避けられる場面が出てきています。

このように、職場でのトラブルを回避するため、上司たちも気を遣いコミュニケーションが難しくなっていることも、職場で人間関係が希薄になる理由と言えるでしょう。

4.社員の入れ替わりが頻繁に発生する

企業や業界によっては、社員の入れ替わりが頻繁に発生している場合があります。

人間関係の構築にはある程度時間を要するため、頻繁に入れ替わりが発生している職場においては、関係が希薄になってしまう可能性があります。また、新しい従業員の顔や名前を覚えられずにコミュニケーションが取りづらいといったケースも見られます。

職場の人間関係が希薄化するデメリット

職場の人間関係が希薄化するデメリットとは、どのようなことが挙げられるのでしょうか。

情報共有不足によるミスの増加

職場の人間関係が希薄化すると、チームメンバー間でのコミュニケーションが減少し、報告・連絡・相談が十分に行われない可能性が高まります。
必要な情報やタスクの詳細が正確に伝わらないことで、プロジェクトの進行において誤解や不明瞭な点が生じ、ミスの発生確率が増加します。

人間関係が理由の離職が発生する

人間関係が希薄化することで、十分なコミュニケーションが取れず、不信感や不満が溜まりやすくなります。そうなれば、従業員は職場に居心地の悪さを感じ、モチベーションの低下につながってしまいます。

厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、退職理由で「職場の人間関係が好ましくなかった」と回答したのは男性では8.1%で2番目に多く、女性では9.6%で3番目に多い理由となっています。

参考:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」

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人間関係の希薄さにメリットを感じる人も

職場の人間関係の希薄さによるデメリットを挙げましたが、一方で人間関係の希薄さにメリットを感じる人もいます。ここでは、人間関係の希薄さにメリットを感じる理由を見ていきましょう。

職場ではプライベートに関与してほしくない

従業員の中には、プライベートと仕事とは切り離して保ちたいと考えている人も少なくありません。そのような人は、仕事中に個人的なトピックやトラブルに巻き込まれることなく、業務に集中することを望んでいます。

そのため、人間関係が希薄であることは、仕事とプライベートの境界を保つ助けとなり、業務への集中を促進することができます。

職場の人間関係に関するストレスが減少する

職場の人間関係に関するストレスが減少することもメリットとして挙げられます。一部の従業員は、職場内での複雑な関係や対立を避け、人間関係に伴うストレスを軽減したいと考えています。

職場の人間関係が希薄であれば、他の同僚との衝突やコミュニケーションによるストレスが減少し、仕事に集中しやすくなる可能性があります。ただし、この一方で希薄な人間関係が持つリスクやコミュニケーションの大切さも念頭に置くことが重要です。

良好な人間関係が会社にもたらす3つの効果

職場で良好な人間関係を築くことは、企業にとって大きなメリットがあります。ここでは、良好な人間関係が企業にもたらす効果について見ていきましょう。

1.離職率の改善

デメリットでも述べたように、人間関係が理由で退職するケースは多く見られます。良好な人間関係を築くことで、従業員の満足度が向上し、離職率の改善が期待できます。また、離職率の改善で採用コスト削減に繋がることもメリットと言えるでしょう。

2. 生産性が向上する

人間関係が良好な環境では、コミュニケーションが円滑に行われ、意見やアイデアが共有されるため、生産性が向上します。協力的な雰囲気によって、業務の効率化やタスクの迅速な実行が可能となります。

3.新しいアイデアの創出

新しいアイデアは何気ない会話がきっかけで生まれることも多くあります。良好な関係を構築できていれば、多くのコミュニケーションが発生します。多様なバックグラウンドや経験を持つ従業員同士の関係を構築することによって、普段仕事をしている中では生まれないアイデアが生まれる可能性が高まります。

職場の人間関係を良好にするために大切なこと

さまざまな要因により職場における人間関係が希薄化している中で、良好な人間関係を構築するためには、どのようなことを意識し行動するといいのでしょうか。

様々な価値観を尊重してコミュニケーションを取る

職場の人間関係を良好にするためには、異なるバックグラウンドや価値観を持つ人々の意見や考えを尊重することが重要です。

従業員同士が互いに対話し、理解を深めることで、偏見や誤解を減少させ、協力的な雰囲気を醸成できます。相手の立場や感情に敏感になり、適切な言葉遣いや態度でコミュニケーションを行うことで、信頼関係が築かれ、結果として良好な人間関係をつくることができるでしょう。

程よい距離感のコミュニケーションを心がける

職場の人間関係を築く上で、適切な距離感を保つことも大切です。過度な親近感や遠慮がない関係、反対に、あまりにも無関心な関係は、良好な関係構築を妨げることがあります。

程よい距離感を保つためには、相手のニーズや性格に配慮しながら、適度な親しさを持ちつつ尊重を示すコミュニケーションが求められます。個々の快適なコミュニケーションスタイルを尊重しながら、信頼と協力を育むよう努めましょう。 

会社ができるコミュニケーション活性化の取り組み

これまで人間関係の希薄化について詳しく見てきました。職場の人間関係が良好であることは、会社にとっても大きなメリットです。ここでは、会社ができる社員のコミュニケーションを促進する取り組みについてご紹介します。

サンクスカード

サンクスカードは、従業員同士や上司と部下など、職場内でお互いに日常的な業務や協力に対して感謝の気持ちを伝える制度です。社内コミュニケーションの活性化や従業員同士の信頼関係の構築を促進することを目的としています。
サンクスカードは、手書きでのメッセージや電子カードとして利用されることがあり、少ない手間で効果的なコミュニケーションを実現できるでしょう。

関連記事:サンクスカードとは?3つのデメリット、4つの効果、成功事例3社を解説

【お役立ち資料】 サンクスメッセージの運用ノウハウ 3ヶ月で10,000通のやり取りが生まれた株式会社BP様(ブライダル業界)の事例を紹介しながら、サンクスメッセージの運用ノウハウを11ページで解説します。 『サンクスメッセージ運用ノウハウ』とりあえずダウンロードする

Web社内報

Web社内報は、社内のニュースや業績、社員のインタビュー、業界トレンドなどをオンラインで共有する取り組みです。Web社内報には、多様なコンテンツを掲載し、会社全体の連携や理解を深める一方、個々の貢献や成果を称える場としても機能します。また、社員参加型の社内報を運営することで、双方向のコミュニケーション活性化に繋がります。

関連記事:Web社内報 - 事例3社や作り方を5ステップで解説!

1on1

1on1は、上司と部下が個別に対話する時間を設ける取り組みです。定期的な1on1ミーティングを通じて、業務の進捗や課題、キャリア目標などを話し合い、個人のニーズやフィードバックを共有します。

1on1を実施することで、双方の理解が深まり、コミュニケーションの質が向上し、個人の成長やチームの一体感が生まれます。

関連記事:効果的な「1on1」は上司のやり方が全て。部下が成長する進め方とは

コミュニケーション活性化の取り組みをTUNAG一つで実施

「TUNAG」は、サンクスカードや社内ポイントの運用・社内チャット・Web日報など、社内のコミュニケーションを活性化させるクラウドサービスです。会社の組織状態の解決に最適な施策を設計・運用・改善できる高いカスタマイズ性を有しており、加えて分析ダッシュボードを備えているため、実施した施策の効果検証のサイクルを素早く回し続けることが可能です。


また、Facebookのような画面設計で、PCだけではなくスマートフォンからも利用できるため、社用端末や法人メールアドレスを持たない従業員も使いやすく、社員からの情報発信や反応などの双方向コミュニケーションを活性化させます。
少しでも気になる方は、下記よりTUNAGのサービス概要資料をご覧くださいませ。

まとめ

今回は、職場の人間関係が希薄化する理由や、良好な関係を構築するために会社ができるコミュニケーションの取り組みについて解説しました。

人間関係への価値観は個人差が大きく、さまざまの価値観を尊重したコミュニケーションを意識していくことが重要です。人間関係が良好であることは、社員と会社の双方にとって大きなメリットがあります。会社として、より良いコミュニケーションが自然に発生するような取り組みを推進していくことがとても重要です。

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