サンクスカードの運用に失敗する原因は?有効な対策や成功企業の事例を紹介
サンクスカードは、社員間で感謝の気持ちを共有するための方法として注目されていますが、運用に失敗するケースも少なくありません。失敗の主な原因や、有効な対策を知っておきましょう。成功企業の事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみましょう。
サンクスカードとはどういうもの?
サンクスカードとは、職場で感謝の気持ちを伝えるためのツールとして活用されるカードです。社員同士が感謝を伝え合うことで、コミュニケーションの活性化や良いことを称賛し合う風土をつくることを目的としています。
手書きのカードやデジタル形式のものまで運用方法はさまざまで、例えば、手書きの場合は個人の想いがより直接的に伝わるのがメリットです。一方、デジタル形式は手軽にメッセージを送れるのが特徴で、テレワークやリモートワーク環境にも適しています。
これらの特徴をうまく活用すれば、社員同士の心理的安全性の向上や、職場文化の改革にもつながるでしょう。しかしサンクスカードを導入したものの、うまく運用できず失敗してしまうケースも珍しくないため、制度の運用には注意が必要です。
関連記事:サンクスカードとは?職場に導入するメリットやマンネリ化を防ぐ運用ノウハウを紹介
サンクスカードの運用に失敗してしまう原因は?
サンクスカードの運用に失敗してしまうのは、以下のようにノルマ化で社員の負担が増えてしまったり、社員が参加しにくい空気になったりなどの原因が挙げられます。よくある失敗の原因をみていきましょう。
ノルマ化で社員の負担が増してしまう
サンクスカードを活用する際にありがちな失敗が、カードの作成・送付が社員の間でノルマ化してしまうことです。
例えば「月に5枚以上書くこと」といったノルマを課すと、社員は義務感からカードを書き始めるようになるでしょう。感謝の気持ちを素直に伝えるという本来の目的が失われ、単なる形式的な作業になりかねません。
また日常業務に加えて、カードを書く負担が増すことで、社員の間にストレスや不満が生じる原因となる可能性もあります。
制度の運用やデータの集計・活用に手間がかかる
サンクスカードを運用する企業が直面しがちな問題として、制度の運用に伴う手間やコストの増大も挙げられます。カードの配布や回収・内容の集計・データ分析などを手作業でする場合、担当者の負担が非常に大きくなるでしょう。
結果的に運用そのものが煩雑になり、導入の意義が薄れてしまうケースがあります。後述するように、デジタル技術をうまく活用しながら、担当者にできる限り負担がかからないように配慮しましょう。
参加しにくい空気になってしまう
サンクスカードを導入したものの、社員が利用しにくい空気が社内に広がるケースもあります。例えば、感謝を伝える行為が「目立ちたがりだ」と見なされてしまうリスクや、逆に感謝されないことで「評価が低い」と感じてしまう懸念が挙げられます。このような風潮が生まれると、社員は積極的な参加をためらうようになるでしょう。
このような雰囲気が広がると、サンクスカードの目的であるコミュニケーションの活性化が阻害され、カードが利用されなくなる可能性があります。
効果が実感できず形骸化してしまう
社員が効果を実感できないと、サンクスカードが形骸化してしまう場合も少なくありません。例えば、カードを受け取った側が特に喜んでいない様子を目にしたり、感謝の気持ちが評価や報酬に結びつかないと感じたりすることで、社員は「カードを書いても意味がない」と考えるようになります。
その結果、制度そのものが無意味だと感じる社員が増えてしまい、やがて誰も使わなくなるリスクがあります。サンクスカードに限らず、新たな制度は定期的に効果を確認し、適宜制度の見直しを図らなければ、いつの間にか形骸化する可能性があるので注意しましょう。
サンクスカードの利用を定着させるには?
上記の失敗を防ぎつつ、サンクスカードの利用を定着させるには、以下のポイントを意識することが大事です。まずは導入目的を明確にした上で、社員同士が気軽に感謝を共有できる場の構築に努めましょう。重要なポイントを解説します。
導入目的を明確にする
サンクスカードの運用を成功させるには、導入目的を明確にすることが重要です。「社員同士の信頼関係を深めるため」や「チーム全体の士気を高めるため」といったように、具体的な目標を設定する必要があります。
目的が曖昧なままだと、社員もなぜカードを利用する必要があるのか理解できず、形だけの運用になりがちです。明確な目的を設定し、きちんと社員と共有することで、全員が制度の意義を理解し、積極的に利用しやすくなります。
感謝を共有できる場を設ける
サンクスカードの効果を高めるには、社員が気軽に感謝を共有できる場を設けることも重要です。例えば、毎月のミーティングや社内イベントで、優れたカードを表彰する時間を設けるといった工夫をすれば、新たに利用し始める社員も増えるでしょう。
さらに感謝の気持ちを全社的に共有することで、社内にポジティブな雰囲気が生まれ、社員一人一人が制度の価値を実感しやすくなります。感謝を伝えた側も受け取った側の社員も、日々の仕事のモチベーションが高まりやすくなります。
デジタル技術を活用する
サンクスカードの運用を効率化するには、デジタル技術の活用がおすすめです。専用のアプリやシステムを導入することで、カードの作成や送信・データの管理などが簡単になります。集計や分析も自動化できるため、運用コストを大幅に削減できるでしょう。
数あるツールの中でも、豊富な機能を有する「TUNAG」ならば、社内ポイントで感謝の行動が具体的な報酬に結び付き、社員の参加意欲を高められます。さらに、社内ポイントと併用して運用することが可能で、感謝の行動がポイントで「見える化」できるのも特徴です。
テレワークやリモートワーク中でも、気軽に他の感謝を伝えられるので、制度の活用範囲が広がるでしょう。配布や集計の手間を削減できるため、運用担当者の負担も減らせます。この機会にぜひ、サンクスカードツールとして有用な「TUNAG」の導入をご検討ください。
サンクスカードツールとしてのTUNAG | TUNAG(ツナグ)
サンクスカードツールの導入事例
他社のサンクスカードの導入事例も確認し、参考にしてみましょう。
スマホで送れるサンクスカードで発行数が約3,000枚に増加
ファッション雑貨の製造・販売を手掛けるフェイラージャパン株式会社では、社内コミュニケーションの活性化を目的として、サンクスカードを導入・運用していました。
しかし、店舗のPCからアクセスができるだけだったため、社員に浸透し切れないところがあったようです。店舗間のコミュニケーションも不足していたので、スマホでサンクスカードの運用が可能な「TUNAG」の導入に至りました。
その結果、2023年度には過去最高の約3,000枚が発行されるようになり、これまで関わりのなかった社員同士の交流も活発になったようです。さらに、サンクスカードの利用に関する分析を深めることにより、さまざまなコンテンツの改良もスムーズにできるようになりました。
導入事例記事:全国の百貨店に展開する「FEILER」店舗の壁を超えたコミュニケーションでブランド力向上を目指す | TUNAG(ツナグ)
アルバイトを含めたサンクスカードの利用で離職率を約30%改善
ウェディング事業を中心に、ホテル、レストランの運営や、映像事業、不動産事業、保険事業など、幅広いサービスを展開する株式会社BP様では、従業員の頑張りを褒める「承認活動」を増やす取り組みの一環としてTUNAGを導入しました。
同社では、社内にサンクスカード利用を推進するインフルエンサーを置く、アルバイトの評価項目の中にサンクスカードを送った数、もらった数を設けるといった工夫をし、アルバイトを含めたサンクスカードの利用を促しました。
その結果、導入後3ヶ月で約10,000回を超えるサンクスメッセージが送られました。サンクスメッセージを軸としたコミュニケーションにより顔と名前が一致し相互理解が深まったようです。TUNAGを活用した「承認活動」の成果もあり、2023年度にはアルバイトの定着率がTUNAG導入前と比較して約30%改善しました。
導入事例記事:「社内インフルエンサー」で称賛文化を創る取り組み。3ヶ月でサンクスメッセージ10,000回!
アルバイト定着率が30%改善、3ヶ月で300名採用:BPが「友達に紹介したくなるバイト先」を作るまで
サンクスカードで感謝の文化を根付かせよう
サンクスカードは、社員間で感謝の気持ちを伝え合うだけではなく、職場の雰囲気を明るくし、社員同士の信頼関係を深められます。ただしノルマによる社員負担の増大や、形骸化を招く可能性もあるので、運用の仕方に注意しましょう。
導入にあたっては、まず目的を明確にした上で、社員が感謝を発信・共有できる場を設けることが大事です。デジタル技術もうまく活用しつつ、気軽にカードを発行し合える雰囲気づくりに注力すれば、カードを通じた感謝の文化を広められるでしょう。職場全体の生産性や満足度の向上にもつながります。