【DX事例10選】業界別の成功事例とデジタルトランスフォーメーションの導入方法を解説
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
近年耳にするようになった、DXとは何なのか?DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術を用いてビジネスモデルや業務フローを改善し、企業競争力を保つことを指します。簡単なもので言えば、ペーパーレス化などが該当します。
DXが必要とされ始めた背景
DXは経済産業省も推進しているほど、近年注目を浴びる我が国にとって必要不可欠なものです。時代背景には、グローバル化が進行したことによる市場の変化があります。顧客の消費動向やニーズも多様化・複雑化してきたのです。。さらに、少子高齢化による働き手不足の中、生産性を上げることは急務であり、DXによるデータを活用した効果的なマーケティングや、作業時間を短縮することで、空いたリソースを他の業務に回し、競争力を増加させることを目指しているのです。
業界ごとの取り組み状況
日本のDX推進は、世界に遅れをとっています。しかし、コロナ禍をきっかけにリモートワークなどが普及した結果、数値は2019年〜2022年にかけて14%上昇しました、
引用:https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2023-0405-000085
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の発行する「DX白書2023」では、国内におけるDXの普及、導入率をさまざまな種別で俯瞰図を作成しています。
そのなかで、産業別俯瞰図は、DXに取り組んでいる企業の割合別に、20%未満、20%以上30%未満、30%以上をそれぞれ「第一産業群」「第二産業群」「第三産業群」に分類したものです。
この俯瞰図を見ると、「情報通信業」「金融業、保険業」「電気・ガス・熱供給・水道業」取り組み状況が高いが、「農業、林業 」「運輸業,郵便業 」「 漁業 」「 宿泊業、飲食サービス業」「医療、福祉」は取り組み状況が低い結果に...。
特に宿泊業のサービスは業界的には、人手不足がインバウンドの影響を大きく受ける業界のため、DXの推進が急務であると考えることができます。
参考:経済産業省「『DX 推進指標』とそのガイダンス」
https://www.ipa.go.jp/digital/dx-suishin/ug65p90000001j8i-att/dx-suishin-guidance.pdf
何から始めれば良い?DXの取り組み方
さて、ここまで記載したDXは、生産性向上し競争力を増加させるものと理解いただけたと思いますが、実際のところ何から始めれば、DXを導入できるのでしょうか。ファーストステップとしては、経営層のDX理解が必要不可欠です。
経営層の理解が乏しいことや、DX指標が明確にならない状態では、いくらデジタルツールを導入してもDX推進には繋がりません。理由としては以下の通りです。
- DXは部署や役職間の垣根を越えて、導入され利用されるものだから
- 繰り返しブラッシュアップを重ねることや、長期的視点で取り組み効果を発揮するものだから
- デジタルツールの導入や、エンジニアの契約等の一定の資金が必要だから
DX推進の前提となる知識や目的設定の仕方、組織体制の構築などのDXを始める手順について解説します。
社内の課題を見極める
DXは企業によって定義が異なります。そのため社内の課題を見定め、営業なのか、生産業務なのか、何からデジタル化を取り入れていくかを経営者やトップ層が見極めることがポイントとなります。
手始めに既存業務のデジタル化を重ね、最終的なDXを成し遂げましょう。
具体的には、既存企業のデジタル化によって集めたデータをもとに、顧客のニーズを解析し、新たなビジネスモデルや、業務フローを構築するなどです。
デジタル社会における顧客行動は日々変化しています。成果が出なければ、即座に仮説検証に戻り、次の施策を考えてニーズを当てに行きましょう。このサイクルを早めることが非常に重要です。
DXの目的を実現できたとしても、そこで終わりではなく、常に顧客行動を把握し顧客のニーズとズレが生じないよう、DXの進捗や成果を定期的に確認し、常にアップデートを繰り返していける企業を目指しましょう。
DX化で得られる事業上の効果を考える
DXの事例として、様々ありますが、社内の業務フローや、改善に関しての悩みを解決することがよくあります。 自社にはどんなところにボトルネックがあり、改善することでどんなメリットを得られるのか考えよう。
業界別DXの成功事例10選
DXの1つである、会社組織内のエンゲージメント向上のためのクラウドツールとして、「TUNAG(ツナグ)」というサービスがあります。TUNAGはスマホ1つで利用でき、現在900社以上に利用されています。
TUNAGは、実際にどんな目的や施策が導入されているのでしょうか。業界ごとに見ていきましょう。
【不動産業】紙ベースだった業務依頼を電子化、拠点を超えて部門全体で情報を見える化 三井ホーム株式会社
三井ホームは、2021年に関連会社の三井ホームテクノスと統合しましたが、統合前から当社に在籍していた社員と、もともといた社員との間で、コミュニケーションの隔たりがありました。また、全社的なコミュニケーションの仕組みがなく、拠点によってツールが異なっていて、情報共有にも拠点格差もありました。
そこで、全社的なコミュニケーションツールとしてTUNAGを導入したことにより、社員のコミュニケーションや、エリアを越えてのコミュニケーションを促進することに成功。社員の顔と名前が一致したうえ、社員同士で称賛する文化が構築されました。
また、TUNAGの機能により、紙帳簿の業務依頼を電子化でき、拠点を越えて部門全体で情報を見える化することに成功。連携しやすくなりオーナー様にさらなるサービスを提供することに成功しました。
三井ホームの現場組織DX。お客様対応の品質向上を目指し、社員同士の連携やコミュニケーションを強化
【生産業】会社の中をワンフロア化し、本社と現場情報の伝達を活性化!牛乳石共進社株式会社
パソコンが支給されている社員とされていない社員で、情報の伝え方やコミュニケーションに格差があった。さらには、社員の顔と名前を一致させることに課題を感じていた牛乳石鹸。タテ軸ヨコ軸関係なく、社員に対して均一に情報が下ろすこと、顔と名前を一致させる状態とコミュニケーション活性化することを目的にTUNAGを導入しました。
社内規定という制度をTUNAG内に入れ込むことで、産休・育休をはじめ、他の就業規則や休みの取り方を社員が読み、直接対応してもらうことで、業務改善を実現しました。社内連絡や社長による経営理念の発信を集約し、今後は全員が同じ方向を向くことを目指しています。
「製造現場にも情報が早く正確に下りてくる」牛乳石鹸共進社が取り組む、全員が同じ方向を向いて働く体制づくり
【運輸業】経営層や本部からの情報を、現場で働くドライバーにダイレクトかつ正確に共有!福山通運株式会社
2024年にトラックドライバーの時間外労働に上限が設定され、労働時間が減少し、限られた業務時間でパフォーマンスを出す生産性向上が求められた運送・物流業界。福山通運も生産性向上のために業務情報を効率的に届ける仕組みや、人材のリテンションによるエンゲージメント向上による働きがいのある環境を作るサポートをしていました。
多くのドライバーは所属しているため、PCが支給されていない社員のために朝礼等で従業員に伝達する体制を整えていたが、情報共有に時間がかかること、口頭による情報共有のために正確に情報が伝わらないという課題があり、TUNAGを導入するように。
スマートフォンからも利用できるTUNAGによって、経営層や本部からの情報を現場で働くドライバーにダイレクトかつ正確に共有することが可能になり、リアルタイムの交通情報、事故報告といった情報発信からエンゲーメント向上を目的とした情報共有を伝達する仕組み作りを推進。
福山通運が2024年問題対策でTUNAGを導入!業務伝達や経営メッセージなどスマホで効率的な情報共有を実現し、組織の一体感を醸成。
【食品業界】各店舗の好事例をエリアマネージャーが紹介、店舗同士で競い合う!株式会社木曽路
調理場と接客あわせて50〜60名の登録メンバーがおり、全員に情報を共有することが難しかった、朝礼や夕礼もあったが、それだけでは、準社員であるパート・アルバイトには正確に情報を伝えられず、サービスレベル向上に苦戦していた木曽路。
TUNAGを導入し営業エリアごとに、「社員向けの発信」「準社員も含めた全従業員向けの発信」に分けた情報発信をし、本部から強化してほしいことや注意してほしいことを周知させ、何をやるかというお知らせが可能に。
さらには、店舗ごとの業務連絡の場所を設け、各店舗で良い事例があった場合は、エリアマネージャーが紹介することで、店舗同士で競い合う文化が構築されました。
「不規則なシフトでも情報が行き渡る」木曽路が実践する、パート・アルバイトを含めた情報共有
【小売業】内定者にTUNAGで情報共有。入社前と入社後のギャップがなくなる!株式会社八百鮮
決断したことが従業員に行き渡ることと、従業員のメッセージが上にまで届くことなど「ささやけば響く組織」を目指していた八百鮮。社長がSNSで情報を発信していたが、個人的なSNSを見るよう社員に強制することはできず、社長の考えが伝わっていなかった...。
TUNAGを導入し、店舗間の横のつながりができたことで、他店舗でどんな商品を扱っているか、何をしているか知れるようになり、店舗ごとの競争力が高まりました。また、情報に対して役職関係なくアクセスできるようになり、これまで上層部の人だけが見ていた情報が、社員・パートも見られるという状態になり、従業員同士のコミュニケーションも増えました。
また、内定が出た時点で新入社員にTUNAGに登録してもらうことで、入社する前から会社のことを知ることができ、先輩たちの姿や会社の風景が見れ、ギャップのない入社が実現しました。
八百屋ベンチャーが挑む、コミュニケーションの活性化とIT化「八百屋を日本一かっこいい仕事にしたい」
【小売業】売り場ごとの共有連絡や、商戦計画の一覧化 ハンズ株式会社
内製の社内イントラは、パソコンでしか見られないメニューが多く、情報を見るには、事務所に入り、パソコンの順番待ちが発生し、「全従業員がタイムリーに情報を見て対応する」ことができない状況だったハンズ。従来の社内イントラだと、特に特にタスクの進捗の部分が、本部の依頼が反映されているのか、後追いができなく、対応済みか分からなかった。スマートフォンでも利用できるTUNAGを導入し、タスク依頼機能で進捗管理もしやすくなりました。
さらには、「ヘルス&ビューティの人だけ」「ハウスウェアの人だけ」と担当ごとや、「管理職だけ」「店長だけ」と役職ごとなど、細かい情報公開設定が可能になったことにより、大量の情報の中から自分に必要な情報を探し出す手間がなくなりました。
また、「タスク依頼機能」を使うことでプッシュ通知が届き、ステータス更新を追えば、後追いができなく、対応済みかわかるようになりました。
商戦計画としては、その月に行われるキャンペーンやイベント、季節商品の展開を一覧化して共有することで、出勤した人が今やっているキャンペーンやイベント一覧を見ることが可能になり、顧客に対して正確な接客ができるようにもなりました。
ハンズが取り組む、本部と店舗の「情報共有」と「タスク管理」をスマホアプリで効率化する方法
【アパレル業】数値・店舗の状況への意識が高まり、売上高111%を記録 株式会社ピーアンドエム
個人SNSで情報共有が行われていたピーアンドエム。店舗スタッフの中で会社への帰属意識が醸成されづらい点も課題がありました。
TUNAGを導入し、売上や店舗の状況を「日報」として共有できるようになりました。他にも本部会議で決まったことや、各部署からのお知らせなどもTUNAGで共有し、スピーディに情報共有が可能になりました。接客マイスターに任命されたスタッフが接客の情報を提供したり、成果につながった事例などを発信することで、顧客満足度を上げる施策などもできるように!
また、マネージャーのメッセージや社員のdairyを通じて社内ビジョンを浸透させました。帰属意識が芽生えました。作業効率とモチベーション向上により、売上高も111%を記録しました。
情報共有から帰属意識の醸成まで、TUNAGに一本化:ピーアンドエムが挑むコミュニケーション改革
【住宅・リフォーム業】ペーパーレス化で、月間で10時間以上の時間削減 株式会社光
従業員にタブレットを配布し、チャットツール、日報ツールを導入してシステム化した光。しかし、個人のSNSでのやり取りも伝達に使われていたりと、社員によって情報を取りにいくツールがバラバラでした。情報共有の部分で統一化するためにTUNAGを導入しました。
請業務をTUNAG上で行えるようにし、会社からのお知らせを一本化できるように制度を作りました。その他にも、マニュアル収納し、仕事以外のコミュニケーションを活性化できるように同好会の活動報告ができるように!「ミッション機能」を使って、日報の提出漏れが改善され、誰が日報を出していないのかもわかるようになりました。
月間10時間以上の時間削減を実現:社員が集まる情報共有プラットフォームを目指し、TUNAGを活用
【飲食業】ペーパーレス化により、申請時間・修正時間90%削減 株式会社イーストン
チャット・掲示板など大きく4つのツールが使われていたイーストン。それぞれアプリが必要で、「どの情報をどこに載せる」ルールが無く、情報を見逃す事が頻発していました。また、有給休暇の申請では、昔ながらの申請用紙を印刷・記入した後に本部に送り、本部の管轄部署がハンコを押して、ようやく承認という体制でした。
社内の情報をTUNAGに一元化し、「どの情報がどこにあるか」が探しやすくなったことや、TUNAG上に有給申請の場所が表示され、TUNAGで有給申請の場所を開く」「有給希望日、事由を選択する」「提出ボタンを押す」で30秒程度で完了できるようになり、90%の時間を削減できるようになりました。